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『あなそれ』『ホリデイラブ』好演、仲里依紗が見せる“サレ妻”演技の凄み
『ホリデイラブ』が打ち出した新たな不倫ドラマ、“不倫される主人公”の演技が話題に
そのような不倫ドラマとしてのシチュエーション自体はベタとも言えるが、『ホリデイラブ』の最大の特徴は“サレ妻”が主人公という点だ。そして、そんな純平のダメ男ぶりや、里奈のあざとさ、渡のモラハラ男ぶりはもちろん、仲里依紗演じる“サレ妻”の演技力が、高評価である理由のひとつとなっている。
第2話では浮気を告白した純平が「家族3人でもう一度だけやり直させてください」と謝るが「私たち、もう終わりね」と涙声で告げ「二度と、この家に帰ってこないで。今すぐ出てって!」と杏寿が凄む。そのシーンはとても演技とは思えないほどで、女性なら同情せずにはいられないだろう。また第3話ではクリスマスの2日間だけ、娘のために純平が帰ってくることを許した杏寿。しかし、またも純平が里奈と会っていたことが発覚し、娘と楽しく話す純平を見ても一切、無言。ひたすら謝る純平に「簡単に信じてなんで言わないで。もうあなたのことを信じられない」と突き放す杏寿の冷え切った表情はリアル過ぎるほどだった。SNSでも「気持ちが分かりすぎる」「見ていて苦しくなる」などの声が寄せられている。
“憑依型”女優・仲里依紗の真骨頂! 徹底した「不倫拒絶」と「幸せな夫婦像」が相乗効果
そんな実力派女優である仲が、主演作『ホリデイラブ』で再び演じる“サレ妻”。その演技力は期待以上と言えるだろう。例えば、制作発表会見で「パートナーが不倫したら?」と聞かれると「一生会わないであろう国外に行ってほしい。時差があって、同じ時間に寝たり起きたりしているというのすら考えたくない」と笑顔でサラリと“国外追放”を希望。そんな、徹底的に不倫した相手を拒絶する彼女の考え方も、更なる説得力となっているに違いない。
その説得力は、仲が見せる幸せそうな私生活でも裏付けされている。今回『ホリデイラブ』で“サレ妻”を演じる仲も、役の杏寿同様に夫と子どもの3人家族。夫の中尾明慶とともにインスタグラムのストーリーに投稿する動画が人気だ。自身の顔を超デカ目に加工した突飛な可笑しさとともに、夫婦仲などのプライベートが1人語り動画で明かされ、その仲睦まじい様子が女性からウケている。インスタでは約170万人、Twitterでは約60万人ものフォロワーがいるということは、彼女のキラキラした夫婦生活の報告を待つ人がそれだけ多いということだろう。そんな彼女が幸せを壊す不倫の状況を演じ、浮気された妻の悲しみや憎しみを表現することで、仲自身も視聴者も感情移入しやすくなっているはずだ。
飽和状態の不倫報道、“不倫する側”への関心よりも“不倫された側”に同情が集まる潮流も後押し
また、昨今の不倫報道で注目の的となるのももっぱら“不倫する側”。だが、そんな中で、“不倫された側”として注目を浴びたのが去年、藤吉久美子との不倫騒動があった夫の太川陽介だ。『不倫会見「対応が上手かった芸能人」』ランキング(ORICON NEWS調べ)でも2位にランクインしており、多くの共感を得たことがわかる。SNS上でも不倫会見で「された方が気の毒」という意見も多く見られ、もはや飽和状態とも言える不倫報道で“不倫した側”を執拗に叩くよりも、“不倫された側”に世間の同情の声が集まり注目されることも少なくない。
『あなそれ』で“サレ妻”の評価を得た仲里依紗が、主演として再び“サレ妻”を演じている『ホリデイラブ』。SNSで見せる仲の“幸せな生活”を知っている視聴者の多さと、その裏返しとなるような説得力のある演技の凄み、そして、昨今の不倫報道で“不倫をされた側”に同情が集まっていることも、仲の“サレ妻”演技に更なる共感が得られている要因となっていることは間違いない。
(文/今 泉)