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MC・ふかわりょう、個性派ゲストの魅力引き出す「存在感消す」司会術とは?

  • 『5時に夢中!』での司会ぶりが評価されているお笑い芸人・ふかわりょう (C)ORICON NewS inc.

    『5時に夢中!』での司会ぶりが評価されているお笑い芸人・ふかわりょう (C)ORICON NewS inc.

 すでに20年以上もテレビ界で活動し、昨今は『5時に夢中!』(TOKYO MX)での司会ぶりが認められ、MCとしての印象が強くなりつつあるお笑い芸人・ふかわりょう。DJや俳優、執筆活動など多方面で活躍するマルチ芸人としても活躍を見せる中、実はTV露出が激減する時期も経験している。そんなふかわの才能に光を当てた内村光良の存在。そして、個性派揃いのコメンテンターたちの魅力を引き出す『5時に夢中!』での司会術について考える。

ふかわの「無駄」をそぎ落とした、内村光良の“プロデュース力”と“父性”

 ふかわのデビューは1994年、ロングヘアに白いヘアバンドをし、エアロビの動きをしながら「消しゴムの角使ったぐらいで怒るなよ」「お前ん家の階段、急だな」といった“あるあるネタ”のひと言を放ち、嫌いなヤツにダメージを与えるという『小心者克服講座』でブレイク。シュールなひと言ネタと慶應義塾大学在学中というギャップで話題になったが、そのちょっと小洒落た感、気取った感が微妙に鼻につくという人も多く、実際芸風も一部の若者に受ける反面、さっぱり面白くないという辛辣な声も。

 さらに、音楽一家で育ったというバックボーンもあり、1998年からはROCKETMAN名義で音楽活動をはじめ、2000年頃からはDJ活動も開始。日本中のクラブをほぼ制覇していると言うほど傾倒する。

 そんなアーティスト気質が強かったふかわの、更なる“お笑い”の才能を開花させるキッカケとなったのが、2000年4月にスタートした『内村プロデュース』(テレビ朝日系)へのレギュラー出演だ。当時、高学歴芸人やアーティスト色を打ち出していたふかわに、内村光良は真逆の“リアクション芸”、“イジられキャラ”としての光を当てる。実際、ふかわ本人も「全裸芸などをやるキャラではなかったし、望んでいなかった」と後に語っているが、他の芸人と一緒になってハジけることで、逆にふかわの新しい面白さに世間が気づいていく。どこか引き気味のハジけっぷりも、視聴者には“ヘタレキャラ”として認知されていったのだ。

 また、一方では内村はふかわの音楽面の才能も評価し、初となる映画監督作品『ピーナッツ』(2006年)でふかわを音楽監督として抜擢。ふかわ自身、「芸人が音楽をやることを評価する風潮はなかった」という中での起用であり、業界にふかわの音楽性を知らしめるきっかけともなった。

 内村は、ふかわの余計なプライドや無駄を削ぎ落すとことで“お笑い芸人”としての魅力を引き出すばかりか、周囲に理解されていなかった“芸人の音楽”に光を当て、その“父性”でふかわの魅力を視聴者に照らし出した。

 また、ふかわの“盟友”とも言える有吉弘行も、一時は猿岩石で大ブレイクしたが、その後まったく仕事がないという状況の中で『内P』に出演。「笑いをこらえきれず牛乳を吐き出す」というリアクション芸を視聴者に印象づけ、後の再ブレイクにつながるのだが、有吉が「(ふかわは)内村さんに息子のように可愛がられている」とラジオ番組で語っていたように、両者はそろって内村への感謝の念を口にしている。

 しかし、ふかわに暗雲立ち込めた時期もあった。2011年に自身のFM番組で某民放キー局を批判したことで、テレビ界から“干される”事態となったのだ。

 それでも、『内P』で先に再ブレイクしていた有吉はふかわを見捨てることなく、自身のラジオ番組に定期的に呼んでは「神回」と呼ばれるほどのトークを繰り広げ、お互いの魅力を引き出している。また、有吉はふかわのことを「以前は自分が悪いのを認めなかった。今は謝れる男になった」、「ニュースを切るのがうまい」と評するなど、イジリ倒しつつも、ふかわの魅力を肯定するなど“熱い友情”さえ見せたのである。

「MCは白米のような存在」 尊敬するタモリに習い独自の“司会術”を見せる

 そんな低迷期の中、2012年4月にスネに傷持つタレントを起用することでも人気の『5時に夢中!』のMCに抜擢される。「なぜ、ふかわがMCに?」と視聴者が懸念を持ったように、当初はMCとしてまごつくことも多かったが、今では個性が強すぎる猛者ぞろいのコメンテーターの面々を、独特の物腰の低さでまとめ上げ視聴者から支持される存在に。

 しかしそれは、ふかわがニュース原稿を読むのがうまいからでもなく、ましてや手練手管の司会術で番組を回しているからでもない。現に、コメンテーターと衝突することも多く、岡本夏生や中村うさぎとは揉めに揉めたケースも。では彼が視聴者から支持される理由は何か。それは、自分はあくまで“添えもの”として存在感を消し、クセのあるゲストたちの魅力を“最大化”させている点にある。

 ふかわは以前、「タモリさんは白米のような存在だと言われている」と言及。帯番組が日替わり定食であるならば、MCは白米であるべきなのだと。つまり、毎日おかず(ゲスト)が変わる中で、自分は白米(MC)として、おかずの良さを引き出すのが仕事だと表現している。

 自分は目立とうとせず、共演者の良さを引き出す手腕は、自身を拾い上げた内村の司会術にも通じる面があり、彼を慕うふかわだけに当然参考としている面はあるだろう。

 また、ふかわは一言コメントで相手をえぐるネタを得意としていたし、慶應義塾大学出身ということもあり、時事ネタにも切れのあるコメントができるなどポテンシャルは高い。そうした“返しのセンス”がここにきてMCやコメンテーターの仕事でも生きはじめ、成果に繋がっているようだ。特に『5時に夢中!』では、マツコ・デラックスや岩井志麻子、岡本夏生などの“クセの強い”コメンテーターに鍛えられながらも、番組を無難に切り抜けられるまでになっている。

 「司会者=主役」といった従来のバラエティ番組の主流とは一線を画し、「自分の存在を消して、相手の長所を引き出す」司会術は視聴者からも支持を受け、ふかわ自身の好感度も上昇中。低迷期を経験したことでコメントにも安定感が増しており、今後はキー局でも、その活躍する姿を見ることが増えていくのではないだろうか。

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