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欅坂46MV撮影地が大変貌 渋谷「B面」地区に新たな流れ
13年3月、東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転開始に伴い、東横線渋谷駅が地上2階から地下5階へ移設されたことによって、旧ホームと線路跡地に開発スペースが生まれた。14年8月から高架線の解体などの工事を進め、15年8月に本格着工。ちなみに16年3月に公開された欅坂46「サイレントマジョリティー」のMVは、当時地下工事中だったこの場所から渋谷ヒカリエを背にして撮影された。
知る人ぞ知る「渋谷B面」エリア
一般的に渋谷といえば、スクランブル交差点やセンター街、SHIBUYA109などがある駅北西のハチ公広場側が思い浮かぶ。一方、渋谷ストリームが立地する駅南側、特に山手線と渋谷川に挟まれた渋谷3丁目は、「渋谷の裏」「渋谷のB面」とも言われるほど、独特のアングラ感が漂うエリアだった。渋谷ストリームはこうしたユニークな背景を持つ場所に誕生しようとしており、場所の特性を活かしながら、施設名そのままに新たな次代の“流れ”を生み続ける施設を目指して開発が進められている。
渋谷駅直結 雨の心配いらずの「渋谷ストリームホール」
大規模オフィスが圧倒的に不足している渋谷は、グーグル、アマゾン、LINEといった大手IT企業の移転が相次いだ。渋谷の街を特徴づけているこうしたクリエイティブコンテンツ産業の流出に危機感を抱いた東急電鉄は、渋谷ストリームを「クリエイティブワーカーの聖地」とすべく、14〜35階(22フロア)に渋谷エリア最大級となる1万4000坪(1フロア約640坪)を用意。この大規模かつハイスペックなオフィスを主な用途としながら、ホテルや商業施設のほか、複数のイベントスペースやサイクルカフェなど、遊び心に満ちた用途を配置した。この方針が奏功し、2010年にセルリアンタワーのオフィスが手狭になって六本木ヒルズへ移転したグーグルが22フロアを一括賃貸し、19年度に9年ぶりに渋谷へ戻ることを決めた。
ライブ会場が不足している昨今、音楽業界関係者が熱視線を注ぐのは、渋谷駅と直結、国道246号に面した一等地に建設されている別棟の「渋谷ストリームホール」(以下ホール棟)だ。
東急電鉄は、平日は商品発表会や展示会、セミナーなどのビジネス用途、週末はライブを中心としたエンタメ用途を想定している。既に10月1日以降の利用の予約が開始されているが、「ビジネス利用、エンタメ利用についても、かなり引き合いをいただいている状況」という。
東急グループは、渋谷ではBunkamuraオーチャードホール、ヒカリエ内でイベント向けのヒカリエホール、劇場の東急シアターオーブを運営しているが、スタンディングのライブに対応するホールは初めて。これまでのノウハウを活かしつつも「今までアプローチできていなかった新たな層を引き込めれば」と期待を寄せる。
“渋谷ダンジョン”からのルートも改善
復活する渋谷川の流れ
そこで、下水を高度処理した清流復活水を活用した水景施設「壁泉」によって、都市空間の中では希少な憩いの水辺を創出する。「コンクリート護岸の端部に清流復活水の管を通し、そこから護岸を伝ってさらさらと滝のように流れ落ちる」仕組みで、これによって水深10センチほどではあるが、ささやかな川の流れが生まれるという。
将来的には渋谷ストリーム3階部分が、新設予定の東西自由通路やJR渋谷駅南改札(仮称)とつながる計画。渋谷ストリーム開業、復活する渋谷川の流れを起爆剤に、駅南側の人の流れも一変しそうだ。