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(更新: ORICON NEWS

南キャン・山里、“よしもと次世代担う”最右翼に? 炎上すら飲み込みネットユーザーを味方に

  • “炎上”すら飲み込む攻めの姿勢でネットユーザーを味方につけている南海キャンデーズ・山里亮太(C)ORICON NewS inc.

    “炎上”すら飲み込む攻めの姿勢でネットユーザーを味方につけている南海キャンデーズ・山里亮太(C)ORICON NewS inc.

 “お笑い帝国”吉本興業といえば、明石家さんま、ダウンタウンといったベテラン勢からジャングルポケット、パンサーといった気鋭の若手まで実に層が厚い。そんな中、一体誰が“よしもとの次世代を担うのか”と常々注目されてきたが、いま“南海キャンディーズ・山里亮太”の存在感が急上昇している。昨今、山里は『ねほりんぱほりん』(Eテレ)や『毒出しバラエティ 山里&マツコ・デトックス』(TBS)などで持ち前の“毒気”をいかんなく発揮し、その“炎上”すら飲み込む攻めの姿勢でネットユーザーを味方につけている。かつて弱点とされた“炎上キャラ”を克服し、もはや“怖い物なし”の山里。彼がいかにして今のポジションを手に入れたのか? その要因を分析する。

誰とでも組める“安定感”と、打席に立てば結果を出す類まれな“トークスキル”

 現在、山里はいくつものレギュラー番組を持ち、様々なタレントとタッグを組んでいる。『アウト×デラックス』(フジテレビ系)ではマツコ・デラックス、『テラスハウス』(同)の徳井義実やYOU、そして『ナカイの窓』(日本テレビ系)の中居正広といった一癖も二癖もあるベテラン勢から、10月に放送された特番『イマドキ!才能発掘テスト〜あの人気のオシゴト大潜入SP〜』(関西テレビ)では、子役でフィギュアスケーターとしても活躍する本田望結と共にMCを務め、誰とでも組める抜群の“安定感”を見せている。また、番組をリードするMCはもちろん、加藤浩次と丁々発止のやりとりを見せる『スッキリ』(日本テレビ)の「天の声」や、ひな壇芸人やパネラーとしても優秀。どんな役回りを与えられても、打席に立てば必ず結果を出すトーク力は山里の武器のひとつ。

 そんな、どんなシチュエーションにも対応するオールマイティーな活躍は、業界関係者からの信頼も厚い。それは、前出の『毒出しバラエティ 山里 マツコ・デトックス』内でマツコが「なんで山ちゃんの扱いは日々便利使いなの?」と発言したことからも分かる。実際、週刊FLASH(光文社)の「テレビマン100人が厳選『U-50限定 この芸人が日本一おもろい』」という記事内では、「配られた台本が明らかにやっつけの雑なものだったが、山里さんが司会すると、収録はごく自然に進行した。番組後の反省会ではちゃんと台本の雑な部分を指摘し、それもソフトな言い方だった」という日テレの制作者コメントが掲載され、並みいる芸人の中で6位にランクインした。

“ブサイクいじり”を根気強く打ち返し、非凡な“対応力”を獲得

 こうした評価は「炎上を分析し、対応を変化させていった山里本人の努力の賜物」と語るのはTVライター・板橋要氏。「山里さんの同僚が出演するイベントで聞いたのですが、山里さんはテレビに出始めたころ、“ブサイクキャラ”が強かったため、芸人からだけでなく、グラビアアイドルやタレントなど様々な出演者から無数のいじりを受けたそう。最初は単に腹立たしかったものの、それを一つひとつ根気強く打ち返していたところ、気が付いたらどんな球も打ち返す力がついたようです」。

 一方で、才能が評価されながらも山里には“炎上キャラ”という弱点があった。実際、Twitterやラジオでの発言で何度も炎上している。先日も、『ナカイの窓』でプロ野球の話題で盛り上がるゲスト陣のトークに水を差してしまい炎上。また『テラスハウス』でも、メンバーに対する発言で度々炎上している。しかし、『毒出しバラエティ 山里 マツコ・デトックス』に代表されるように、山里はどんな番組でもその現場の役割に徹しているため、“水を差す役割を求められているだけ”とうい見方もできる。それゆえに、山里の力を評価するマツコは、番組スタッフに向けて「日々便利扱いなの?」と叫んだのではないか。

 板橋氏は「テレビの世界では、“キャラ”があってこそ重宝されるということは多いです。山里さんも、“ブサイクキャラ”と“炎上キャラ”の使い分けを武器にしてきました。それをテレビスタッフが上手く使うこともあれば、山里さんに“損な役割”を求めることもあったと思います」と分析。だが、現在の山里は“炎上キャラ”という負のイメージが薄まりつつある。

かつての敵である“ネットユーザー”を味方に引き込んだ「共感できる毒舌」

 山里も『オトナへのトビラTV』(NHK)に出演した際に、数々の炎上経験から「基本謝るしかない」「戦わない」と反省し、今は問題を早めに終わらせて楽しいことに時間を使うようにしているとコメント。また、芸能界での憤りや心の叫びは、前出の“毒出し日課帳”に書き連ねることでメンタルコントロールしているようだ。こうした変化で、かつてのような炎上は減少傾向にある。

 さらに、かつて敵にすることが多かった“ネットユーザー”を味方につけた点もポイント。最近、山里が発する“毒舌”にはネットユーザーの共感を集めるものが多い。『山里&マツコ・デトックス』では、実は視聴者が胸に秘めていた芸能人への“モヤモヤ”や“怒り”を代弁。視聴者からは「これが視聴者の意見だよな〜」「私の毒じゃないのに、山ちゃんが話し終えるとすっきり」と共感を集めていた。板橋氏は、山里の変化について次のように説明する。
 
「2010年に始まったラジオ番組『JUNK 山里亮太の不毛な議論』(TBS)では、コメントが短く編集されるTVとは違い、じっくりと話す機会を与えられました。この番組でリスナーやネットユーザーたちの共感を少しずつ集めていったことが、“共感できる毒舌”を手にするきっかけになったのではないでしょうか」

山里の“クズキャラ”トークには、視聴者の“孤立感”を癒す効果も!?

 また、ネットユーザーから“攻めすぎ番組”として人気だった『ねほりんぱほりん』も、“炎上キャラ”から一歩踏み出すきっかけとなったと板話氏。「この番組の山里さんは、自分のクズエピソードを披露しながらも、一般人の出演者をバカにしたりはせず、受け入れようとする姿勢が見られます。しかも、クズすぎるエピソードを披露しても、隣にいるYOUがたしなめてくれるバランス感が絶妙」と評価。また、この番組に出ている一般の出演者たちは山里を上回る壮絶なエピソードをもっている人達なのだが、山里にもクズエピソードがあることで出演者を孤立させず、“他にもダメな人はいるのだと”安心させる重要なポジションになっていると語る。

 “ブサイクキャラ”や“炎上キャラ”など求められる役割に対して、プロ意識を持ちながら応え続ける山里。彼は今年40歳になったばかりだが、どんなタレントとも共演できる “トーク力”と“対応力”は現在のTV界にとって欠かせない存在。その実力は『よしもとの次世代を担う芸人』と呼べるのではないだろうか。

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