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躍進続くバナナマン、自らの価値を貫き通した “コント職人”としての気概
あえて『ボキャブラ』に出演しない道を選択 “コント”に対する強い拘り
1990年代と言えば、今のお笑い界を語る上で『タモリのボキャブラ天国』(同)を欠くことはできない。先の爆問やネプチューンなどの人気芸人を次々と生み出し、“芸人のアイドル化”という一大ムーブメントを巻き起こしたお化け番組だが、同時に番組とともに燃え尽きていった芸人も多い中、バナナマンは同番組には“出演しない”道を選択する。あくまでもコントにこだわり、毒を吐くブラックなネタなども披露しつつ、ラーメンズなど玄人受けするコンビらとユニットを組んでライブをしたり、BSの実験的な番組や『内村プロデュース』(テレビ朝日系/2003年)に出演するなどして、大ブレイクはしないが一定の人気は保つという「低空飛行芸人」(設楽談)的な活動を続け、業界内で独自の評価を高めていくのである。
優勝逃した『キングオブコント』が“国民的芸人”の道を拓く
2012年から、設楽がフジテレビの午前の帯番組『ノンストップ!』のMCに就任すると、お笑い好き以外の層からの好感度も上がり、「ブサイクがウリなのに不快なブサイクではない」日村とともにテレビの露出が急増。制作側からも“費用対効果が高い”芸人として重宝され、2014年からは『紅白歌合戦』(NHK総合)の副音声で「紅白ウラトーク・チャンネル」に出演するなど、“国民的芸人”にまで成長するのである。
“真面目さ”や“キャラクター性” バナナマンが自ら築き上げた強み
また、コントの実力は言うに及ばず、両者ともボケもツッコミもできるという安定感・安心感がある。先日行なわれた『キングオブコント2017』に審査員として出演したバナナマンは、決勝に進出したさらば青春の光のコントを「バナナマンにこのネタが欲しい、このネタをやりたい」と大絶賛した。人一倍コントにこだわり、舞台コントを原点とするバナナマンの面目躍如といった発言である。実際彼らは2005年以来、六本木・俳優座劇場の単独ライブを毎年欠かさず開催し、今年も大好評のうちに終了させている。
今やその姿をテレビで見ない日はない多忙なバナナマンのふたりだが、“コント”への並々ならぬ想い、さらに自分たちの価値を信じ、バナナマンとして進むべき道を貫き通してきた“昔”からの実績が、バナナマン独自の“強み”を育てる種となっていたのではないだろうか。“コント職人”としての過去なくして“今”の老若男女に愛される芸人にまでなったバナナマンの飛躍は語ることが出来ないのだ。
2017上半期テレビ番組出演(延べ)本数ランキング
男性タレント部門ランキング
女性タレント部門ランキング
調査期間:2017年1月1日〜6月30日
調査対象局:NHK総合/日本テレビ/テレビ朝日/TBS/テレビ東京/フジテレビ(東京地区地上波オンエア分)
・グループ出演と個人出演の合算にて集計
・アナウンサーは対象外とする
・通販番組出演者は対象外とする
・再放送番組は対象外とする
・ナレーション出演は対象外とする
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