石田ゆり子も需要拡大 年齢に抗わない40代女性の躍進

歳を重ねてもキュートな魅力を放つ石田ゆり子(C)ORICON NewS inc.

歳を重ねてもキュートな魅力を放つ石田ゆり子(C)ORICON NewS inc.

 先ごろ、女優の篠原涼子が10月期のフジテレビ系月9ドラマで初主演することが発表された。同ドラマには、再ブレイクを果たした石田ゆり子も出演。その石田は、公式インスタグラムのフォロー数が先日、100万人を突破したことでも話題になっている。最近、ベテラン男性俳優の人気が目立つが、女性タレントに目を向けても40代の活躍が目につく。MCとしての顔も定着しつつある森高千里や、ディレクターを務めるショップ『MAISON DE REEFUR』が好調な梨花など、昨今の40代女性の魅力は、単純に見た目が若いということだけでなく、その支持理由もひと昔前とはやや異なる印象もある。この需要拡大の背景を探ってみよう。

過去とは違う顔を持つ、活躍中の40代女性タレント

“オトナの女性”役がハマる篠原涼子

“オトナの女性”役がハマる篠原涼子(C)ORICON NewS inc.

 石田ゆり子47歳、篠原涼子43歳、森高千里48歳、梨花44歳。いずれも若い世代からも支持され、更なる輝きを放っている。そんな彼女たちに共通するのは、イメージの変化を恐れないことだろう。

 石田ゆり子は、高校生でスカウトされてデビュー。透明感や可憐さ、監督の世界観を体現できる確かな演技力で多くの話題作に出演を続けた。そんな中、昨年大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ系)の出演で、“かわいすぎるアラフィフ”として再ブレイク。また、バラエティ番組『天海祐希・石田ゆり子のスナックあけぼの橋』(フジテレビ系)では、注いだビールは泡だらけに、焼いたちくわは焦がすといった、キュートな“ポンコツ”ぶりを発揮。自身のMCに反省しきりだが、このギャップに「でも、それがかわいい」などの声が挙がった。

 43歳の篠原涼子は現在、『アンフェア』(フジテレビ系・06年)、『ハケンの品格』(日本テレビ系・07年)など、颯爽とした“オトナの女性”役がハマる女優のイメージが定着。そんな彼女、実はアイドルグループ・東京パフォーマンスドールの出身。91年から『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)にレギュラー出演し、体当たりでバラエティに挑む姿で人気を博した。さらには94年頃、小室哲哉プロデュースで楽曲『恋しさと せつなさと 心強さと』を発表。ダブルミリオンを記録し、彼女は一躍時の人となった。

 『渡良瀬橋』『私がオバさんになっても』のヒット曲で知られる森高千里は現在、歌番組などのMCとしても活躍。近年も夫・江口洋介との仲睦ましいデートの様子が報道され、「恋人同士のよう」「素敵」「奇跡の40代」と話題に。

 モデルでタレントの梨花も、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)などバラエティ番組ではじけた姿を見せていたが、06年以降モデル活動に専念すると女性からの支持も上昇。現在は、ディレクターを務めるショップが東京、名古屋、福岡の3店舗に。ハワイと日本を行き来するライフスタイルも憧れの対象に。

“美魔女”とは異なる、40代だからこその美しさ

ハワイと日本を行き来するライフスタイルを送る梨花

ハワイと日本を行き来するライフスタイルを送る梨花(C)ORICON NewS inc.

 「以前より40代女性タレントの活躍はありましたが、現在話題の40代女性タレントに共通しているのは、若い世代からの支持も厚いこと。また上記のように、若い頃と違ったイメージを提出していることでしょう」と話すのは、メディア研究家の衣輪晋一氏。「“美魔女”とは一線を画した自然体も魅力ですね。例えば石田さんは、以前出演したNHKの『あさイチ』(NHK総合)では、普段、荷物を運ぶ時に台車を使っていることを明かし、『40女に台車は必要』と、飾らなすぎる名言を残しました」

 「森高さんや原田知世さん(49歳)もそうですが、彼女らには40代であることを隠さない潔さ……というよりは、40代だからこそ価値がある現在の美しさに注目が集まっているように思えます。また40代ともなれば人生経験も豊富で、仕事で頼れる存在になっている人が多い。これは若い世代にはない魅力を感じさせ、男女問わず、憧れの存在となっていくのかもしれません」(衣輪氏)

 だが、人としての魅力だけでは這い上がれないのが芸能界。「この背景には『オトナミューズ』(宝島社)や『STORY』(光文社)の40代女性雑誌の人気など、現在は彼女らの受け皿が多いこともある」と同氏は指摘。さらには、オトナ女性の魅力を描いたドラマ人気も要因としては大きいと話す。

40代女性の輝きの背景には、女性クリエイターの躍進も

 「タイトルが流行語にもなった『セカンドバージン』(NHK総合・10年)をはじめ、オトナ女性の恋愛を描く作品が再び多くなってきた印象があり、女性クリエイターの活躍も目につきます。『セカンドバージン』の脚本家は『家売るオンナ』(日本テレビ系・16年)などのヒットメーカー・大石静さん。石田さんが出演した“逃げ恥”の脚本家は野木亜希子さんで、彼女は映画『アイアムアヒーロー』のような原作の魅力を損なわせない脚本家としても定評があります。ほか『昼顔』(フジテレビ系・14年)の井上由美子さんと、実力のある女性脚本家を挙げていけばきりがない。また先日、脚本が向田邦子賞を受賞した『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS系・16年)のプロデューサーは橋本梓さん。女性プロデューサーが活躍する現状も指摘できるでしょう。そんな彼女らが、男性の視点にない魅力的な表現でオトナの女性を描き、ヒットを飛ばしていることが、今の現象につながっていると考えられます」(同氏)

 ちなみに、篠原涼子の月9ドラマ脚本は黒沢久子氏。近年ウルトラマンの脚本や、鬼才・若松孝二監督とも仕事をした人物で、テレビドラマとしては異色の経歴に、何か爪痕を残してくれそうな気配がある。――余談だが、フランスのファッションデザイナー、ココ・シャネルの言葉は、「美しさは女性の『武器』であり、装いは『知恵』であり、謙虚さは『エレガント』である」と語ったと伝えられる。現在人気のある40代女性タレントは、この言葉を体現している人が多いようにも感じられる。

(文/中野ナガ)

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