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ドラマOPはなぜ印象に残らなくなったのか? OP役割に変化

 沢尻エリカ主演のドラマ『母になる』(日本テレビ系)のオープニング(OP)曲が「これ聞くだけで泣きそうになる」などと評判になる一方、“罪悪感ゼロ”のドロドロ不倫ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)のOP曲は、なぜか朝ドラのような爽やかさだ。テーマ曲も含め、OPはドラマにとっては重要な要素だが、最近は「いよいよドラマがはじまる!」と視聴者のテンションを高めるような“ベタ”なOPが減るなど、その手法自体に変化が現れているようだ。

『水戸黄門』『太陽にほえろ』『東京ラブストーリー』…“パブロフの犬”状態だったOP

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 印象的なドラマのOPを振り返れば、まず1970年代から一世を風靡する『水戸黄門』や『3年B組金八先生(第1シーズン)』(ともにTBS系)、『太陽にほえろ』、『熱中時代』(日本テレビ系)といった大人気ドラマが挙げられるだろう。『3年B組金八先生』や『熱中時代』は主題歌も大ヒットし、『水戸黄門』や『太陽にほえろ』などは、もはや“国民的OP曲”として、現在40代以上の人なら誰でも知っているはず。ちなみにこの4作品はすべて1979年に40%を超える最高視聴率(『金八先生』は39.9%)を記録している。

 1980年代に入ると、『金曜日の妻たちへ』、『スクール☆ウォーズ』、『ふぞろいの林檎たち』(以上TBS系)といったヒット作のOPは、ドラマのストーリーそのものに直結するものとなり、1990年代に放送された『101回目のプロポーズ』、『東京ラブストーリー』(ともにフジテレビ系)などのドラマでは、メガヒットした主題歌の影響が大きく、特に『東京ラブストーリー』のOP曲「ラブストーリーは突然に」など、“チュクチューン♪”というイントロのギター音を聞くだけで、条件反射的に「カーンチ」と言いたくなるほどで、まさに“パブロフの犬”状態だったのである。

 90年代前半までのドラマの傾向として、OP冒頭は前回の振り返り→主題歌ががっつり流れる→クライマックスシーンで再び主題歌が流れて盛り上がる、という強固なフォーマットができ上がってくるのだ。

“ザ・オープニング”はダサい? 徐々に短くなるOP、ついには同時進行型も

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 一方、歌詞が無いメロディーだけのものでいえば、音楽一家出身の作曲家・服部隆之氏が手がけたOPが非常に強い印象を残している。90年代から2000年にかけて『お金がない!』、『王様のレストラン』、『HERO』(以上フジテレビ系)などを担当、“ザ・オープニング”的なベタな音楽ではなく、スタイリッシュな曲調でドラマをより盛り立てた。

 そして2000年代になると、しだいに人気歌手や出演俳優がしっかり主題歌を歌うというベタな流れは、“あからさまなものはちょっとカッコ悪い…”という風潮ともあいまって減少傾向に。さらに2000年代後半では、OP曲の役割はジングル(ドラマのポイントやCM前で入る短い音楽)的なものへと移っていくことになっていく。

 特に最近のドラマでは、冒頭の振り返り映像にOP曲を乗せつつ進行するという“本編とOP同時進行型”も増加傾向にある。これは時間のロスを省く手法とも言え、視聴者のチャンネル離脱を防ぐ効果もありそうだ。また、途中参加の視聴者のためにも冒頭の振り返り部分は重要だと思われる。そして、こうした手法を用いた代表的なドラマが、『半沢直樹』や『下町ロケット』(TBS系)であり、OP曲はやはり服部氏によるものなのである。毎回、OP曲が流れてはいるものの、両ドラマとも振り返りの部分が長く、OP曲がドラマと同時進行で流れるためBGMのようになり、OP自体の印象としては薄れる結果になっているのだ。

OPにインパクトは不要? あえて存在感薄めることでドラマの世界観を守る現代ドラマ

 一方で、漫画やアニメの実写化ドラマは、これまでのアニメのオープニングをイメージした長めのものが多いし、NHKの大河ドラマや朝ドラのOPも長めで、ドラマの内容をイメージした映像をバックに登場人物のテロップが流れるという、“定番OP”スタイルを守り続けている。とは言え、ドラマのOPが短縮化の流れにあるのは事実であり、これはOPのインパクトを重視するより、ドラマの内容や雰囲気を上手く引き立たせて、盛り上げようとする制作側の意図が現れているからかもしれない。

 冒頭に挙げた2作品のドラマもOP曲が流れる時間はごくわずかで、しかも途中から提供社のテロップが映し出され、すぐCMに移行するという流れだ。近年の服部氏のOP曲作品でも“ドラマとOP同時進行型”が多くなってきているが、かつては『華麗なる一族』(TBS系)のように荘厳でクラシカルなOPを作成しており、ドラマに重厚感を与えていた。

 OPの存在感をあえて薄めることで利点は確かにあるし、現状ではそれがスタンダードとなりつつある。だからこそ、たまには先に挙げた『華麗なる一族』や『JIN‐仁‐』のような、曲を聞いただけで、あるいは映像を見ただけでドラマがフラッシュバックする、印象的で魅力あるOPも味わいたいものである。
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