• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

水野美紀、立て続けの“怪演”でイメージ脱却 新たな境地へ

 深夜ドラマ『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)が、いよいよ最終回を迎える。倉科カナ、三浦翔平、大谷亮平、水野美紀による四角関係が話題を呼び、昨年の大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の“ムズキュン”の向こうを張り、ドロドロしてるけどキュンとする“ドロキュン劇”としてコアファンを増幅。なかでも際立っているのが、大谷の妻・蘭役を演じる水野で「怖すぎて震える」「心臓に悪い」など、その異常な嫉妬に狂う役で視聴者を震え上がらせている。ドラマや舞台、アクション女優としても活躍する実力派であることは周知の事実だが、昨年放送の『黒い十人の女』(日本テレビ系)でも見事な“怪演”を見せた水野だが、芸歴30年目にして新たなポジションを確立している。

まるでホラー!? 星野源や指原莉乃ら、水野の“怪演”を模倣する人が続出

  • 『奪い愛、冬』での怪演が話題の水野美紀 (C)ORICON NewS inc.

    『奪い愛、冬』での怪演が話題の水野美紀 (C)ORICON NewS inc.

 『奪い愛、冬』では、信(大谷)が3年前に通り魔に襲われたところを蘭(水野)がかばって右足に重傷を負うが、足が不自由となったことを逆手に取って結婚を迫り、まんまと成功。しかも「右足が…疼くんだ…」と信に足をさすることを強要したり、「虫が(家に)入ってきたら追い払う派? 私は…潰す派」とクッションを踏みつけて信をビビらせるなど、どうにもエキセントリックすぎる妻ぶりを発揮している。それもそのはず、信はかつての恋人であるヒロインの光(倉科)と偶然に出会い、両者の心は再び燃え上がろうとしているからだ。第3話では、ウソをついて自宅に隠れていた蘭が、忘れ物を届けにきた光と信がキスした瞬間、「ここにいるよ〜〜」と満面の笑みを浮かべてふたりの前に飛び出してくる。その狂気の表情と理解しがたい状況は大反響を呼び、ネットで「ホラー映画だっけ」「蘭さんが夢に出てきそうで怖い」「冬彦さん並みの狂気」など、水野の怪演を絶賛。その後「ここにいるよ〜〜」のセリフは若い世代の女子の間でマネされるようになり、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演した星野源とHKT48の指原莉乃までが、水野の怪演を再現して盛り上がったのだ。

 実際、水野本人も第3話放送後、「エゴサーチしました(笑)。私が隠れていたのは掃除機入れだったのですが、まさか、あの中にいるとは視聴者の皆さんも予想外だったのではないでしょうか。うまくいったな、と思いました(笑)」(2017年2月10日/ORICON NEWSより)と満足気に語っていた。水野の怪演を集めた特別動画『森山蘭(水野美紀)名場面集〜夫を奪う女は許せない!!〜』がYouTube「テレ朝チャンネル」で公開されるなど、制作側も水野の“キレッぷり”をウリにしている。

 脚本を担当した鈴木おさむ氏も、「念頭にあったのは、昔の大映ドラマのような世界観。あの頃のドラマって、小学生のときに見た衝撃がいまだに記憶に残っていたりするんですよ」(『テレビPABLO』2017年2月3日より)と語る。たしかに水野の怪演ぶりは1983年の大ヒットドラマ『スチュワーデス物語』(TBS系)で、風間杜夫の元婚約者・片平なぎさが「ヒロシ…」と義手に着けた手袋を口で剥ぎ取るシーン“まんま”とも言える。

怪演すぎて“キャラ先行型”では危険……演技力と実績があるからこそ“怪演”が目立つ

 また、水野は昨年出演した『黒い10人の女』でも、カフェオレをかけられ、その“カフェオレで溺れる”という設定のドンくさい愛人役がハマッていた。同作の脚本を手掛けたバカリズムも、「この作品の後は相当、変な役も来るんじゃないかな(笑)。“あんなことやるんだ?!“って、世間に知れ渡っちゃいましたからね。僕としては、水野さんはそもそもポテンシャルがすごい方なので、それを世間に知らしめたかっただけなんですけど(笑)」(2017年1月30日/ORICON NEWSより)と語っている。

 水野自身も「オファーをいただいた時は、この役をやったらCMの仕事がこなくなりそうだなって(笑)。でも、いま、お芝居をするのが楽しくて。蘭のようなヒール役をいただいたり、『黒い十人の女』の時のように笑いの要素も求められる役をいただけるようになってきたのは、役者冥利に尽きます」と、最近の怪演ぶりを楽しんでいる様子。さらに自身のツイッターでも、「最終回に向け、(『奪い愛、冬』の)物語も佳境です。あ、毎回毎回、佳境ですね」とまんざらでもなさそうなのだ。

 そもそも水野は『踊る大捜査線』シリーズ(フジテレビ系)の婦警(後に巡査部長)・柏木(真下)雪乃役が代表作であり、『恋人はスナイパー』シリーズ(テレビ朝日系)も含めて、日本随一のアクションヒロインとしてのポジションを確立している。さらには、古田新太が所属する『劇団☆新感線』をはじめ、故・蜷川幸雄さんの作品など数多くの舞台でも活躍。水野自身も2007年には演劇ユニット『プロペラ犬』を設立するなど、数々の実績があるからこその演技力であり、“怪演”なのだ。

 第6話では信と光はとうとう結ばれ、ますます“壊れてゆく”蘭は光に見立てた人形に針を何本もぶっ刺すなか、信の末期ガンが発覚。信に蘭の秘密を暴露されるところで終わるが、3月3日の最終回では“大どんでん返し”があるというから、ラストで水野はいったいどんな怪演を見せてくれるのだろうか? 今後の水野美紀は、正統派はもちろん、昼ドラで活躍した荻野目慶子や『真珠夫人』(TBS系)の“たわしコロッケ”を超える、“怪奇派”女優としても活躍していきそうだ。

あなたにおすすめの記事

 を検索