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吉岡里帆、ジミカワ武器に“リアル魔性の女”を好演
グラビアに対する“リスペクト姿勢”も好感度の高い要因
2015年には、ヒロインを演じた映画『明烏』など3本の映画に出演。昨年の『あさが来た』では番組終盤、あさの娘が女学校の寮で同室となる田村宜(のぶ)役でレギュラー出演し、その知名度は全国区となるが、丸メガネをかけていつも読書をしている寡黙なキャラクターは、劇中では地味な印象だった。それでもその後、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)をはじめ現在放送中の『カルテット』まで、4期続けて連ドラへのレギュラー出演を果たすことになる。
また昨年5月、加藤ローサや倉科カナ、広瀬すずらが務めてきたリクルート『ゼクシィ』の9代目CMガールに抜擢され、大量オンエア中に“普通”の可愛いらしさをアピール。視聴者からも「あの娘は誰?」と噂になり、知名度を上げていく。加藤や広瀬のように一瞬で目を引くインパクトこそないものの、どこか印象に残る、心にひっかかる……という吉岡の本領発揮といったところだろう。さらに『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)や『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)などのバラエティ番組にも進出し、ビートたけしのモノマネを振られてコマネチポーズをとるなど、真面目さと天然が入り混じったキャラクターで視聴者への印象を残していくのだ。
気の強そうな悪女より地味で可愛いタイプの方が、より“リアルな怖さ”に
確かに吉岡のウリとしても“二面性”がある。何かを隠し持っているという“ウラ”を感じさせてしまうのだ。グラビアにしてもどこか地味な印象があったが、実は脱げば誰よりもナイスバディであったり、「平気で他人の悪口を吹き込んで人間関係に不信を持ち込んだりするのがうまい人は、有朱ちゃんみたい」という声がネットにもあるように、世間ではいかにも気の強そうで前面に色香を押し出した菜々緒タイプの悪女より、地味で可愛い吉岡里帆が演じるタイプのほうが“魔性”の部分を隠し持っている場合が多いのではないだろうか。だからこそ視聴者も吉岡にリアルな“怖さ”を覚えるし、またそれだけの演技力を吉岡が持っているということであろう。
今回のドラマを機に今後は吉岡の“悪女”需要も増えそうな感があるが、先の会見で「台本がある喜び、こうやって人様に観ていただいて宣伝していただける。こういう場に感謝している。心を込めて愛情を持って取り組む姿勢をおばあちゃんになっても続けたい」と語っている。やはり優等生的に語る吉岡を見ると、狂気以外にも普通の人々の中に潜在する“人間性”を抉り出すような、よりリアリティのある役どころにどんどん挑戦してほしくなる。