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吉岡里帆、ジミカワ武器に“リアル魔性の女”を好演

 NHK連続テレビ小説『あさが来た』に出演し、知名度を上げた女優・吉岡里帆。その後、CMやバラエティにも出演し、昨年4月からは4期連続で民放の連続ドラマへ出演している。これまでグラビアでスレンダー&Dカップボディを披露し多くの男性ファンを虜にしたが、女優としては派手すぎない佇まい、どちらかと言えば “ジミカワ”系の美女で、役どころとしても控えめな女性が多かった。しかしここにきて、“視聴熱が高い”と評価されるドラマ『カルテット』(TBS系)で“魔性の女”来杉有朱(きすぎありす)を演じ、「目の笑ってない演技が最高」「怖さがすごい」などの支持の声で、新たな魅力を開花させている。

グラビアに対する“リスペクト姿勢”も好感度の高い要因

 吉岡里帆は京都生まれの24歳。大学進学後、演技に興味を持ち、在学中に小劇団の舞台などに出演していた。その後、東京の事務所に所属し、2014年に『週刊プレイボーイ』で水着グラビアを披露。その黒髪と純朴そうな顔立ちは、グラドルというより透明感のある若手女優然の凛としたルックス。派手&ナイスバディのギャルやアイドルグループ系の10代少女ばかりのグラビアの中、逆に大きなインパクトを放っていた。その新鮮味は男性の間で人気となり、“グラドル発の女優”となるわけだが、本人も昨年10月の「2017吉岡里帆カレンダー」発売記念イベントにおいても、「(グラビアは)緊張感のある仕事。簡単にできる仕事ではない。毎日ストレッチしたり、筋トレしたり、野菜をとったり水を2リットル飲んだり。できることは全部やります」と発言。こうした吉岡のグラビアに対する“リスペクト姿勢”も好感度を上げた理由のひとつだろう。

 2015年には、ヒロインを演じた映画『明烏』など3本の映画に出演。昨年の『あさが来た』では番組終盤、あさの娘が女学校の寮で同室となる田村宜(のぶ)役でレギュラー出演し、その知名度は全国区となるが、丸メガネをかけていつも読書をしている寡黙なキャラクターは、劇中では地味な印象だった。それでもその後、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)をはじめ現在放送中の『カルテット』まで、4期続けて連ドラへのレギュラー出演を果たすことになる。

 また昨年5月、加藤ローサや倉科カナ、広瀬すずらが務めてきたリクルート『ゼクシィ』の9代目CMガールに抜擢され、大量オンエア中に“普通”の可愛いらしさをアピール。視聴者からも「あの娘は誰?」と噂になり、知名度を上げていく。加藤や広瀬のように一瞬で目を引くインパクトこそないものの、どこか印象に残る、心にひっかかる……という吉岡の本領発揮といったところだろう。さらに『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)や『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)などのバラエティ番組にも進出し、ビートたけしのモノマネを振られてコマネチポーズをとるなど、真面目さと天然が入り混じったキャラクターで視聴者への印象を残していくのだ。

気の強そうな悪女より地味で可愛いタイプの方が、より“リアルな怖さ”に

 そして現在放送中の『カルテット』では、吉岡はカルテットの4人が訪れるライブレストランの従業員・来杉有朱を演じている。元・地下アイドルで、どこかミステリアスな雰囲気を帯びた魔性の女、接客業ゆえに常に笑顔を絶やさずにはいるが、その目はまったく笑っていない……という役どころ。ドラマ出演決定時には、「子どものころから、映画やドラマで見ていた大好きな先輩方と共演できることを心よりうれしく、誇らしく思います」(2016年12月3日掲載ORICON NEWSより)とどこまでも謙虚に語っていた。吉岡は心の奥には秘めたものがあったのか、今回の演技にネットでも「有朱が怖すぎた」「狂気を纏った感じも堪らない」「ドラマ出るたびに顔が違う気がする。『ゆとりですが何か』と全然印象違う」「目が笑ってない。怖い元地下アイドルが頭に浮かぶ」「ホラー映画からオファーきそう」などと、これまで吉岡が地味で控えめな人物像を演じてきたからこそ放たれる、有朱の強烈な“リアリティ”が物議をかもしているのである。

 確かに吉岡のウリとしても“二面性”がある。何かを隠し持っているという“ウラ”を感じさせてしまうのだ。グラビアにしてもどこか地味な印象があったが、実は脱げば誰よりもナイスバディであったり、「平気で他人の悪口を吹き込んで人間関係に不信を持ち込んだりするのがうまい人は、有朱ちゃんみたい」という声がネットにもあるように、世間ではいかにも気の強そうで前面に色香を押し出した菜々緒タイプの悪女より、地味で可愛い吉岡里帆が演じるタイプのほうが“魔性”の部分を隠し持っている場合が多いのではないだろうか。だからこそ視聴者も吉岡にリアルな“怖さ”を覚えるし、またそれだけの演技力を吉岡が持っているということであろう。

 今回のドラマを機に今後は吉岡の“悪女”需要も増えそうな感があるが、先の会見で「台本がある喜び、こうやって人様に観ていただいて宣伝していただける。こういう場に感謝している。心を込めて愛情を持って取り組む姿勢をおばあちゃんになっても続けたい」と語っている。やはり優等生的に語る吉岡を見ると、狂気以外にも普通の人々の中に潜在する“人間性”を抉り出すような、よりリアリティのある役どころにどんどん挑戦してほしくなる。

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