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色褪せない“宝塚ブランド” 卒業生の進路も多様化の一途

“元・宝塚”という冠は、大地真央や真矢みき、黒木瞳といった女優に対してのみ有効な称号かと思いきや、近年は紫吹淳や遼河はるひなどがバラエティ番組で活躍していることからもわかるように、多様化の一途をたどっている。そんな中、好発進したNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(毎週日曜 総合午後8時〜ほか)の第3話で、今川家家臣の関口氏の妻・佐名役として登場した花總まりも、ネットでは早くも「佐名姫の女優さんめっちゃ着物が似合う美人な方」などと評判を呼んでいる。宝塚時代は13年に渡り“女帝”として君臨していただけに、偉大な先人たちと同じくブレイクが期待されているようだ。

元宝塚という“特殊性”と“浮世離れ”感を武器に、バラエティでも需要拡大

  • 花總まり

    花總まり

 元・宝塚ということで言えば、これまでにも輝かしい実績を引っ提げて女優デビューを果たした先輩たちが多くいる。男役で言えば、大地真央、真矢みき、涼風真世、真琴つばさ、天海祐希など、娘役では八千草薫、朝丘雪路、浜木綿子、小柳ルミ子、黒木瞳、檀れい、はいだしょうこなど、新旧名立たるスター女優たちが目白押しだ。一般人から見れば、宝塚自体が社会から隔離されたかのような神秘のヴェールに包まれ、“女の花園”のイメージもあることから、“元・宝塚”というだけで何となく特殊性やカリスマ性を感じてしまう部分がある。そうした注目度である種の“アドバンテージ”を獲得しているうえに、実際彼女たちには一様に宝塚で鍛えられた演技力や歌唱力、表現力が備わっており、すでに初めから“スター性”が賦与されているとすら言えるのかもしれない。

 また、宝塚音楽学校時代から首席であり、元・花組トップスターの蘭寿とむにしても、舞台やドラマの女優業のみならず、ソロ歌手デビューも果たしている。さらに最近は紫吹淳や遼河はるひらのように、世間からズレた“浮世離れっぷり”の言動がウリとなって、バラエティ番組にまで進出しているのである。今や“元・宝塚組”の活躍の場は非常に多岐にわたっているのだ。

 さらに言えば、漫画やアニメの原作を舞台化した今の“2.5次元”ブームにしても、宝塚こそが“元祖・2.5次元ミュージカル”であり、1974年の『ベルサイユのばら』初演以来40年以上に渡り、現在のエンタメ界の人気コンテンツに与えている影響は計り知れないものがある。そういった意味では、元・宝塚という“絶対的ブランド”と信頼があるからこそ、ドラマやバラエティ、舞台でも、視聴者や観客は安心して作品を観ることができるし、制作側もある程度の数字が見込めるという“ウイン・ウイン”関係が成立していると言えるだろう。

13年トップに君臨した“女帝”花總まり、退団後はマネージャーに転身した異色女優

  • 井伊直平の娘・佐名役の花總まり(C)NHK

    井伊直平の娘・佐名役の花總まり(C)NHK

 先述の花總まりも1991年、第77期生として宝塚歌劇団に入団。元・宝塚歌劇団雪組・宙組トップ娘役として活躍し、同期には安蘭けい(元星組トップ)や朝海ひかる(元雪組トップ)などがいる。1993年には早くも初ヒロインを演じ、1994年には『風と共に去りぬ』で主演のスカーレット・オハラ役を務めるなど、13年もの長期にわたりトップとして活躍したことから“女帝”と呼ばれた。2006年に宝塚を退団した後、2010年に舞台復帰するとミュージカルを中心に活動してきたが、今回の『直虎』では満を持してテレビドラマデビューを果たすことになる。

 2010年に舞台復帰するまでは相手役(男役)だった和央ようかのマネージャーをしていたという経歴もあり、ある意味“遅咲きジェンヌ”とも言われるが、それだけに本人のオフィシャルブログでも、「いよいよ明日、登場します(大河ドラマ) 久しぶりの和物、気持ちが引き締まり楽しかったです」と気合いの入った様子を見せていた。そして何よりも、花總は現在43歳とは思えないほどに若々しく、大河出演者の中でも飛びぬけて着物が似合う“和風美女”。同じ宝塚出身者で言えば檀れい的な匂いも放ちながら、その凛としたたたずまいや視線、声の調子といった細やかな演技から漂う迫力は、さすが元・宝塚トップ女優といった貫禄がある。

 花總は井伊直平の娘・佐名役で、井伊が今川に服属した証しとして駿府に人質として送り込まれるという、井伊家に対して屈託を抱えている役どころ。さらには今川家に嫁いだ後、徳川家康の正室となる瀬名・築山殿(菜々緒)を出産するというのだから、ドラマでもポイントとなる役どころであることは間違いない。今回の大河ドラマ以外でも、綾瀬はるか主演のNHK大河ファンタジー『精霊の守り人』シーズン3(11月放送)への出演がすでに決定しているという花總まり。“遅咲きジェンヌ”と言われようが、これまでの先輩たちのように“元・宝塚”の金看板を背負っているだけに、今作でも確かな爪あとを残してくれるだろう。

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