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【SMAP連載24】5人が提示した見たことない景色、彼らが“アイドルの天才”となるまで

常に見たことのない景色を提示する5人、その“極限の表情”

 SMAPはこれまで、常に“見たことのない景色”を提示し続けてきた。ニューヨークやロンドンの街角でも、東京のストリートでも、葉山のゴージャスな一軒家でも、メンバーが揃えば、瞬時にそこにSMAPの物語が生まれた。雑誌のグラビアを撮影するとき、編集側は、新しい魅力を引っぱり出したいとか、あるいは一番カッコイイところを、“こんなことやってみたらどうだろう?”とか、事前にいろいろと妄想して、フォトグラファーや撮影場所やスタイリングを決めていく。でも、このクリップ集を観ると、SMAPという存在はもう既にあらゆるステージに立って、あらゆるストリートを徘徊し、あらゆるパーティに出て、あらゆるスタイリングを着こなしていて、その経験値の高さと柔軟性は、どんな働き者の人でも絶対にかなわないだろうなと思う。しかも、その佇まいは、西洋の模倣でもなんでもなく、まぎれもない“クール・ジャパン”そのもの。

 SMAPという人生の中で、彼らは時に鳥になり、花になり、空になり。でも、何より人間らしくあり続けた。それぞれにSMAPであることに傷つき、もがき、苦しみながら、でもおそらくそれ以上の歓喜の瞬間もまた体験してきたはずだ。常に極限の状況に自分を追い込んできた彼らだからこそ、例えば、芝居で役に入った時に、観る側の想像を絶するような“極限の表情”を見せることができるのだろう。

5人の天才が“アイドルの天才”になるまで

 ミュージッククリップには、5人5様の“キメ顔”がある。木村拓哉の力強い(でも毎回微妙にニュアンスが違う)キメ顔を見ると胸がスカッとするし、中居正広のちょっとはにかんだような顔と切なく甘い歌声には、心にぽっと明かりが灯る。草なぎ剛は、やはりふと見せる寂しげな顔に、胸がぎゅっと苦しくなって、稲垣吾郎が弾けた笑顔を見せるとこっちまで嬉しくなって、香取慎吾の輝くばかりのビッグスマイルは、心を純化させてくれる。

 SMAPという土壌が育てた5人の天才。彼らが“アイドルの天才”になっていく過程が、このミュージッククリップにはつぶさに記録されている。5人がずっと成長と変容と成熟を続けている、そのことがわかるから、まだきっとこの先に、もっと素晴らしい景色を見せてくれることを、信じずにはいられない。
(文/菊地陽子)

次回最終回、「連載25」に続く

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