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コミケでも大人気 叶姉妹、好感度急上昇のワケ

 叶姉妹が昨年末の12月29日から31日に開催された『コミックマーケット91』、通称「冬コミ」に“降臨”し、「モーゼの十戒みたいに人垣が割れた」「花道ができてみんな拍手した」「思わず拝んだ」など、ネットなどで称賛を受けている。同人誌即売会といえばマニアックなアニメ作品が多く、コスプレイヤーが溢れている“オタクの聖地”。正体不明なゴージャスがウリの叶姉妹とは対極にあり、“食い合わせ”は悪いはずなのだが、そんな“アウェイ”の地でなぜ、叶姉妹は受け入れられ、好感度を上げているのだろうか?

あくまで寄り添う姿勢で参加、“付け焼刃感ゼロ”でアニメファンの支持を獲得

  • 『冬コミ』に参加した(左から)叶恭子、叶美香

    『冬コミ』に参加した(左から)叶恭子、叶美香

 この“叶姉妹コミケ降臨”のいきさつだが、まずは妹の美香が12月20日のブログで「冬のコミケ(ハート)にお伺いしようと思うので…どうぞよろしくお願いいたします。何か注意事項などありましたらぜひ教えてくださいね」と告知したことからはじまった。するとすかさずコメント欄には、「カードは使えませんよ」「スニーカーを履いてきてください」「(グッドルッキンガイならぬ)バッドスメルガイがいます」などといったアドバイスが溢れたが、今度は千円札がぎっしり詰まった分厚い財布やローヒールの靴など、着々と準備を進めている様子を公開。

 12月28日には「スタッフ1万人分の差し入れを用意する」と発表するも、「お邪魔になりますので…」と翌29日に断念。同日午後4時、終了時間間近だったこともあり「ファビュラス(現実離れしていて素晴らしいの意)な姉はおいてきました」とのことで、美香だけが来場。そして30日にはとうとう姉妹そろって来場し、『ジョジョの奇妙な冒険』と『黒子のバスケ』のBL(ボーイズラブ)ものを購入。その後、「ほんとうにヘブンリーな聖地なのですね」「あたたかく迎えてくださり凄く嬉しくとても光栄です」とブログを更新。そして今度は「夏コミ」への参加や、まさかのコスプレ予告? までしたのである。

 「そもそもは、『超絶セクシー・叶フラミンゴ立ち、ポージングエクササイズ』と題されたブログにアップされた姉の恭子さんの写真が、『ジョジョの奇妙な冒険』そのままだと話題になったことが、コミケ来場へのきっかけだったと聞いています。片脚を上げ、片腕を頭の後ろに回したセクシーなポーズが、いわゆる“ジョジョ立ち”だと評判になったわけですが、もともと姉妹揃ってジョジョファンであることを公言していて、『叶ファビュラスな(キスマーク)ジョジョ交流会』の構想も明かしていたぐらいです。“ガチ”なジョジョ好きであることは多くのコスプレ写真からもわかるし、“付け焼刃感ゼロ”だったことも、ジョジョファンの熱い支持を得た理由でしょう」(エンタメ誌編集者)

“非日常的”な世界観がアニメとリンク 謎めいたイメージも期待感に反転

 そうしてみると、ニコニコ生放送で“ラスボス”としてカリスマ化し、コミケに参加してCDを完売させている小林幸子的なノリも感じられるが……。

 「確かにノリは近いかもしれませんね。コミケに来るような層は、自分たちの世界をバカにする者や“ビジネス臭”がする人間がすり寄ってきても、強く拒絶します。でも、たとえ初心者であっても、きちんと自分たちの世界観をリスペクトしてくれていたり、自分たちのルールを守ろうとする人は全力で応援する。実際、叶姉妹のコミケファンに対する礼儀や、殊勝にルールを学ぼうという姿勢には素晴らしいものがあったし、コミケファンからの好感度が上がるのは当然と言えるでしょう」(前出の編集者)

 元祖セレブタレントとして1990年代後半から人気を博した叶姉妹だが、「トータルビューティーアドバイザー」や「ライフスタイルプロデューサー」などと自称し、胸元が大きく空いたセクシーなドレスで世の男性たちをとりこにしてきた。その浮世離れした存在感や超人的なスタイル、“グッドルッキングガイ”と呼ばれる容姿端麗の取り巻きの男性を従え、リムジンで登場するという“パフォーマンス”は様々な憶測を呼び、本人たちのコメントと噂がないまぜになって、「トイレが6つある豪邸に住んでいる」「海外の資産家がスポンサー」「ジュエリーの輸入会社を経営」、あるいはもっと“キワドイ”ものまで、ある種“ブラック”なイメージもつきまとっていた。

 しかしここにきて、そんな叶姉妹の“非人間的”なボディや“非日常的”な振る舞いが、アニメファンたちの世界観とリンクしてきたようなのである。確かに『ルパン三世』の峰不二子ばりの超絶ボディや妙に芝居がかった上品な言葉使いなどは、アニメファンたちにとっても面白がれる“素材”であり、しかもコスプレネタにも事欠きそうもないだけに、諸手を上げて受け入れられた。叶姉妹のこれまでの“ブラック”とされたイメージは、アニメファンやコミケファンによって、むしろ高い“期待値”へと反転させられたわけである。

 いずれにしろ、同じ“非日常”でも、ファビュラスでブラックめいたゴージャス感をウリにしてきた叶姉妹と、ファンタジーや空想の世界に籠るアニメファンがリンクするとは、何とも興味深い。“クールジャパン”と言われ、日本が誇る最強コンテンツともなったアニメ・マンガ・ゲーム等のオタク文化だが、今回の叶姉妹の“コミケ降臨”は見事なアプローチだっただけに、今後も巨大なオタクマーケットに芸能人が近寄っていく……という構図が増えていきそうである。

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