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【生田斗真インタビュー】役の振り幅でまた一歩成長、「新しい世界に飛び込める」

 生田斗真が映画『土竜の唄 香港狂騒曲』に主演。前作『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』に続いて、再び体を張った演技を見せている。とにかく楽しんだという本作の撮影、そして「役の振り幅が大きい方が演じやすい」という彼の真意とは?

前作超えのハードなシーンも「なんでもやってやろうじゃないか!」

――2014公開の『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』に続く今作『土竜の唄 香港狂騒曲』で、再び潜入捜査官・菊川玲二を演じます。PART.1の頃は「続編はないだろう」とおっしゃっていましたが?
生田斗真僕が演じた菊川玲二というキャラクターは大好きだったのですが、“続編もできるかも?”と期待をしてしまうと、できなかったときの落胆が大きいので、あえて期待を封じ込めていたというのが、正直なところでした。でも、PART.1が公開された後に、やんちゃな中高生にもけっこう声をかけられるようになったし(笑)、たくさんの方に喜んでいただけたようで。自分としては、今まで声をかけられなかった人たちにも観ていただけている実感があって、嬉しかったです。

――前作から約3年のブランクがあって、再び“玲二”を演じるのに戸惑いは?
生田斗真クランクインの撮影が、かなりボロボロになって逃げるシーンで、全力で猛ダッシュを繰り返したんですよ。もちろん金髪のオールバックで、派手な衣装を着て。そのシーンの撮影が終わった時に、三池監督が「なんだか、あれから1週間ぐらいしか立ってない感じだね」とおっしゃったんです。僕も、まさにその感覚。まるで前作の撮影が続いていて、地方ロケから帰ってきて、「じゃあ、1週間後に東京のシーン撮ろうね」って集まった……体感的にはそんな感じでした。それだけ、すっと、玲二にも『土竜の唄』の世界にも入れました。

――続編出演は、初めての体験では?
生田斗真そうですね。続編の経験がなかったので、最初は“できるかなぁ”と不安もあって。前作のDVDを観たり、台本を引っ張りだして読み返したりもしたんですが、無駄でした。この作品のキャッチコピーにも書いてあるんですけど、まさに「DON’T THINK. FEEL!!!」。考えるな、感じろ!でしたね(笑)。

――“三池組に帰って来たな”という瞬間はありましたか?
生田斗真三池監督とは、PART.1の公開のときのプロモーションでご一緒させていただいたり、その後もご飯を食べたりとお付き合いをさせていただいています。でもやっぱり、現場に入ったときの目のギラつきが、普段とは全然違うんですよ。だから、現場に入って、戦闘モードに入ったギラつきを見た瞬間に、“あ、三池組だ”って思いましたね。それを見ると、こっちもスイッチが入って、「なんでもやってやろうじゃないか!」という気持ちになっちゃう。たとえ、本当は死にそうなシーンでもね。

――キャンプファイヤーのシーンですか?
生田斗真そうそう。PART.1では、全裸で車のボンネットに縛り付けられて、そのまま洗車されるというシーンがあって。今回は、それを超えるハードなシーンが……(思い出し笑い)。最初に台本を読んだときは、“どう撮るんだろう?”とも思ったし、身の危険も感じました(笑)。撮影中、三池さんはすごく楽しそうに撮っていましたけどね。

女優陣の演技に感心、菜々緒は「度胸のいい人」

――恋人役の仲里依紗さんはもちろん、新たにヤクザの組長の娘役の本田翼さん、そして女殺し屋役の菜々緒さんなど、女優陣も体を張った演技が多かったですが、共演の感想は?
生田斗真仲さんは前作からの付き合いだから安心できますよね。僕としては、本田翼さんの将来が心配で……(笑)。いやいや、もちろん可愛くてきれいなんですけど、これまでのイメージを突き抜けた、素晴らしい演技を頑張って披露してくれていて……すごいですからね。そして菜々緒さんは、身体能力が抜群。彼女とは何回かバトルをするんですが、体のキレがすごいんです。三池さんのアクションは、きれいに技が決まるというより、“気持ちが前に出ているか”ということを重視して、いわば魂のぶつかり合いを要求される。菜々緒さんとも「当ててもいいからね」とは話してはいたんですけど、「すみません、大丈夫ですか」とか言いつつも、本番ではバッコ〜ン!と本気で入れて来て。度胸のいい人だなと思いました。

――菊川玲二を再び演じて、新たに気がついたことは?
生田斗真やっぱりイイ男ですよね。真っすぐで、純情で、正義感が強くて、ちょっとエッチなところも大好きだし。今回も、女性陣が頑張ってくれたお陰で、全国の“良い子”が喜ぶようなムフフッでエッチなシーンもたくさんあります。今回、玲二は童貞じゃなくなってワンランクアップしているから、そこも見どころです(笑)。

――そのエッチなシーンも含めて、他のジャニーズのタレントさんだとなかなか難しそうなコメディ演技、および変顔の技もスキルアップしているように感じられますが、意識はしていました?
生田斗真ハハハッ、そうですか? あまり意識はしていなかったですけど。変顔は前作でもやっていましたが、別に鏡の前で練習したりはしてなくて、自然にああいう顔になってしまったというか。とにかく、現場のスタッフもキャストもみんなが楽しんで撮っている。その楽しんでいる雰囲気が、『土竜の唄』の世界観だと思うんです。僕自身も自分の演じるキャラクターを楽しんでました。“こっちが死ぬほど楽しんで撮ったんで、お客さんもそれを観て楽しんでください!”っていうのが、正直なところですかね。

マインドや向き合い方は先輩・古田新太らから学んだ

――玲二を目の敵にして追い詰める、警視庁のエリート兜真矢を演じた瑛太さんも、違った側面を見せてくれているようですが。
生田斗真瑛太くんとは以前にドラマで共演して以来、すごく久しぶりでした。すごく子供っぽい言い方かもしれないけど、やっぱり瑛太っていい俳優だなぁと思いましたね。すごくエネルギーのある、いい俳優です!

――日頃からご自身が敬愛する古田新太さんとの共演は?
生田斗真これまで同じ映画に出演したことはあっても、ガッツリ絡むのは初めてだから、楽しかったです。スタッフのみなさんが笑いをこらえるのに必死になるくらい、毎回毎回違うことを繰り出してきて、すごく人気者でした。今回は立ち回りも一緒にできましたし、個人的にもすっごく嬉しかったです。古田先輩の身体能力は、本当にすごいんですよ。それに、お芝居に品があるんです。笑わせ方の持っていき方にも、あざとくなくて品がある。

――たとえば、どんなところに品を感じますか?
生田斗真ハチャメチャなことをやってそうだけど、実はそうじゃない。しっかりコントロールしているけどそこは見せないから、観てる人を「むちゃくちゃだよね」って笑わせる技があるというか。それは、玲二の兄貴分・パピヨンを演じた堤真一先輩も同じことがいえると思います。

――ハチャメチャな玲二を演じている生田さんご自身にも、同じような品を感じました。
生田斗真どうですかねぇ。目指す方向性は……面白いことをやるときも、お芝居をやるときも、そのマインドや向き合い方は、古田先輩たちから教わったり、盗んできた部分があります。だからそう言っていただけると、正直うれしいですね。僕は10代の頃から古田先輩のお芝居を見て、カッコイイなぁと思ってきたんです。そういう先輩方もいれば、瑛太くんみたいな同世代のいい俳優もいるし、本田翼さんや菜々緒さんみたいなやんちゃなきれいどころも揃っている。思えば、本当に贅沢な映画だなと思います。

――このところ『予告犯』『グラスホッパー』『秘密 THE TOP SECRET』などシリアスな作品が続き、今回は弾けたコメディアクション。また次回作『彼らが本気で編むときは、』ではトランスジェンダーの役柄にも挑戦。バラエティに富んだ役を演じる現在のキャリアをどう感じてますか?
生田斗真役の振り幅が大きい方が、僕としては演じやすいんです。それは、前作のことを振り切って、新しい世界に飛び込めるから。10人の人に「生田斗真の作品で何が好き?」と聞いた時、10人が10人、みんな違う作品を言ってくれるというのが僕の理想型なんです。そのためにも、いろんな役にどんどん挑戦していきたい。それにしても、俳優の仕事をしていなかったら、こんなにいろんなことはできないでしょう? 潜入捜査官も、トランスジェンダーも、ヤクザにもなれる。ホント、人生得しているなと思います。お得な職業ですよね(笑)。
(文/金子裕子)

映画『土竜の唄 香港狂騒曲』

 前作で、潜入捜査官として数寄矢会に潜り込み、なんとか無事に生き抜いた菊川玲二(生田斗真)。だがそこで、“クレイジーパピヨン”こと日浦匡也(堤真一)に気に入られ、日浦会の若頭に就任してしまう。一方、警視庁組織犯罪対策部のエリート警官・兜真矢(瑛太)は、数奇矢会と繋がる玲二に目をつける。そんな中、数奇矢会会長・轟周宝から玲二に、極悪非道のチャイニーズマフィア・仙骨竜を叩きのめし、会長の娘・轟迦蓮(本田翼)のボディーガードになるというミッションが下された。

原作:高橋のぼる
監督:三池崇史 脚本:宮藤官九郎
出演:生田斗真、瑛太、本田翼、古田新太、菜々緒 ほか
12月23日(金・祝)公開
(C)2016フジテレビジョン 小学館 ジェイ・ストーム 東宝 OLM (C)高橋のぼる・小学館
【公式サイト】(外部サイト)

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