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【連載番外編】SMAPベスト盤を読み解く PART.2 中居がプロデュース力を発揮、試練乗り越え生まれた紹介ソング
中居により驚くほど緻密に計算され、進化を遂げた“FIVEシリーズ”
今回、ベストアルバム10曲ずつをレビューする試みの中で、たまたま11曲目から20曲目の中に、2曲のFIVEシリーズが入っていた。よって、ベストアルバムレビューの2回目は、SMAPのメンバー紹介ソング“FIVEシリーズ”について考察してみたい。あらためて3曲を聴き比べ、パフォーマンスの映像を見比べてみると、中居正広のプロデュース力がいかに優れているかがよくわかる。“音楽”に対する“Love”と“RESPECT”はもちろんのこと、ダンスやファンとの一体感に関しても、中居は、驚くほど緻密に計算し、また経験を経て、見せ方を進化させているのである。
リレー形式でメンバーを紹介、ライブ演出でより輝く
アルバムを聴いた段階では、「面白い歌だな」とか「盛り上がりそう」とか、漠然とした印象しかなかったこの曲だったが、初めてライブでのパフォーマンスを見たときは、その演出力に仰け反った。最初に中居のDJ風の前振りがあって、ラップで木村拓哉を“限界を超えても逃げない男”であると紹介、木村が稲垣吾郎を、稲垣が草なぎ剛を、とリレー形式で紹介していく。間奏の時にステージ上で木村と草なぎがイリュージョン風のダンスを披露したり、草なぎのラップから、「慎吾!」と呼びかけるところはファンと息を合わせたり、ジェットコースターのような変化の中で、5人が揃ってサビを歌うと、強烈な一体感が生まれる。
SMAPであっても、それ以外のグループでも、アイドルのライブDVDを観ながら、ついリピートしてしまう場面はダンスのコーナーがどうしても多くなるものだ。そういう意味でも、『LIVE BIRDMAN』の6曲ノンストップのダンスコーナーは、今見ても強烈にカッコイイ。また、ダンスコーナーの曲の世界観に特化したダンスとは違う意味で、「Five True Love」のダンスは新鮮だし楽しいし、チームワークが伝わってきて嬉しくなる。このライブでSMAPは、たぶん限界まで踊っている。SMAPのシングル曲に、「セロリ」や「夜空ノムコウ」や「朝日を見に行こうよ」などの“踊らない曲”が増えてきていた時期に、ライブの演出を担当していた中居は、ライブでは“とことんまで踊るSMAP”を見せたかったのではないだろうか。
森の脱退後、SMAP解散の噂に対する意思表明のよう
もう一つ深読みをすれば、ライブでこの曲を歌った時に、メンバーは全員白の衣装で登場したことも興味深い。“白”は、6人のSMAPが、「スマイル戦士 音レンジャー」という企画もののCDを発売した時の、森のメンバーカラー。『SMAP×FNS 27時間テレビ』(フジテレビ系)のノンストップライブなど、ここ一番の時、中居はいつも、白い衣装を選んでいるような気がする。5人の愛が、そこにいないメンバーにも届くようにと。