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ポスト永作博美、朝ドラで好演中の若きマルチ女優・蓮佛美沙子

  • NHK朝ドラ『べっぴんさん』でも好演中の蓮佛美沙子 (C)ORICON NewS inc.

    NHK朝ドラ『べっぴんさん』でも好演中の蓮佛美沙子 (C)ORICON NewS inc.

 好調が続くNHK朝ドラ『べっぴんさん』で主人公の姉・ゆり役を好演し、現在話題を集めているのが女優の蓮佛美沙子(れんぶつみさこ・25)だ。06年に映画『犬神家の一族』でデビューし、翌07年に大林宣彦監督の『転校生 ―さよなら あなた―』で映画初主演。大林監督に「20年に一度の逸材」と絶賛され、複数の映画賞で新人賞に輝くなど、デビュー当時から演技力には定評がある。すごい美人というわけでも、毎回、超話題作の主役を張るというタイプでもないが、さまざまなジャンルの作品で妙に印象に残る演技を見せてくる彼女の魅力とは?

デビュー早々、名画リメイクに挑戦 期待以上の名演で映画ファンを虜に

  • 初主演映画『転校生 ―さよなら あなた―』のDVDジャケット

    初主演映画『転校生 ―さよなら あなた―』のDVDジャケット

 かねてより女優・竹内結子のファンだった蓮佛は、02年放送の月9ドラマ『ランチの女王』(フジテレビ系)を見たことがきっかけで、自身も女優を志すようになったという。05年、『第1回 スーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックス』でグランプリを獲得して芸能界入りするやいなや、映画『転校生〜』でいきなり注目を集めることになる。同作は、40代半ば以上の人なら誰もが知っている名作『転校生』(1982年)のリメイク版。82年版は、俳優の尾美としのりと小林聡美が主演。“男女入れ替わりもの”のルーツとも言える作品であり、有名な“石段転げ落ちシーン”や、思春期ならではのちょっとエッチなシーンなど、記憶に深く刻まれている人も多いだろう。大林監督の代表作のひとつでもあり、その後の“尾道三部作”はこの作品から始まっただけに、映画ファンの期待も高ければ、前作超えのハードルも高かったのだ。

 「リメイクということでハードルがとても高かったと思いますが、蓮佛さんは大股を開いたり、男口調で話したり、自然体で“男の子”を演じました。また、ピアノを弾くシーンも吹き替えなしで行いましたし、病魔に襲われるという前作にはない内容など数々の難役を見事にこなし、大林監督をはじめ、周囲から高評価を得ました。この役柄自体、必要条件として“若く”なければなりませんが、蓮佛さんも当時15歳。ほとんど無名でアイドル的な人気はありませんでしたが、それが逆に将来を期待できる本格派女優が登場した!と、一部で話題になったんです」(エンタメ誌編集者)

何者にもなれる“美人すぎない”ルックスの強み

 勢いに乗った蓮佛は07年、単発ドラマ『ガラスの牙』(TBS系)でドラマ初主演を果たし、その後も、『転校生』と同様に何度も実写化された筒井康隆原作の『七瀬ふたたび』(08年/NHK総合)や『二重裁判』(09年/TBS系)などで主演を張りながら、バイプレイヤーとしても経験を重ね、演技力を磨いていくのである。
  •  (C)ORICON NewS inc.

    (C)ORICON NewS inc.

 「蓮佛さんの名が一般層に浸透したのは、今年1月に放送された『お義父さんと呼ばせて』(フジテレビ系)あたりからではないでしょうか。このドラマで蓮佛さんは、エリートの父役・渡部篤郎さんと同い年(51歳)の男性(遠藤憲一)と“28歳差”の年の差カップルになる…というコメディタッチの難役に挑戦しましたが、彼女は表情豊かによく泣き、よく笑い、それでもかわいらしさを残すという、非常に印象に残る演技を見せました。蓮佛さんのルックスは、“ザ・美人”というわけではありません。でもクセがないぶん、さまざまなタイプの役に対応できますし、そもそも演じ分けができる技量を持っているんです」(前出・編集者)

 “秋葉原通り魔事件”をモチーフにした映画『RIVER』(12年)や介護問題、家庭問題など、幅広いテーマを扱ったドラマ『37.5℃の涙』(TBS系/15年)といった社会派作品での影ある女性。映画『白ゆき姫殺人事件』(2014年)やドラマ『○○妻』(日本テレビ系/2015年)での“イケナイ女”など重厚な作品はもちろん、『お義父さんと〜』やドラマ『潜入探偵トカゲ』(13年/TBS系)のようなコミカルな作品での存在感もバツグン。硬軟併せ持った演技の振り幅の広さを見せている。

ダチョウ倶楽部との共演に大興奮! 乙女な素顔とのギャップも魅力

 「ちなみに、“蓮佛”(本名)という名前自体、“ハス”に“仏様”という、珍しくもありがたい名前。蓮佛さんの出身地・鳥取には多い名前らしいですが、ちょっと神秘的でもありますね。名前にインパクトやミステリアスなイメージがあることも、蓮佛さんが視聴者に深い印象を残す理由のひとつかもしれません」(前出・編集者)

 そんな彼女もバラエティ番組に出演すれば、ハツラツとしたかわいらしさを見せ、憧れのダチョウ倶楽部と対面した時には、一緒にネタをできたことについて「すごく嬉しい!」と大興奮し、目を輝かせながら満面の笑みを浮かべる。そういった馴れない場面でもしっかりと“対応”しているところを見ると、今後は舞台やコントバラエティなどに挑戦してみてもらいたい気持ちも生まれてくる。

 影のある役からコミカル、悪女まで演じられる演技力、さらに“バラエティ対応”も可である女優となれば、第2の永作博美といったポジションもありかもしれない。まだまだ伸びしろがありそうな蓮佛美沙子の今後の成長に要注目だ。

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