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オーディション“低年齢化”の波 アイドルや子役ブームで拍車
“子役”枠にとどまらない若年タレントの活躍の場が拡大
オーディションの低年齢化傾向はホリプロだけではない。東宝芸能が主催する「東宝シンデレラオーディション」も、かつて長澤まさみが小学6年生でグランプリに輝いた際に大きな話題を呼んだものだが、2011年の前回開催では当時10歳の上白石萌歌が史上最年少グランプリを受賞している。今年の応募資格は9〜18歳なので、史上最年少記録を更新する可能性も大いにありそうだ。そのほか今年行われたオーディションでは、「ミスセブンティーン2016」「2017ミス・ティーン・ジャパン」がともに中1のグランプリを輩出。現在、AKB48の第16期生オーディションが約3年ぶりに開催中だが、こちらも小・中学生の合格者が多数出ることだろう。
こうしたオーディションの低年齢化の背景としてまず挙げられるのは、特に大人数の女性アイドルグループが相変わらず人気となっている現在、子役の枠にとどまらない若年タレントの活躍の場が拡大していることだろう。例えば、低年齢層向けのファッション媒体の充実で、大人顔負けのスタイリッシュで洗練された佇まいを発揮する“キッズモデル”たちが活躍。さらにドラマ・映画に目を向けてみれば、スター子役たちの活躍はもはや言うまでもないだろう。つまり、芸能界に興味があるティーンはある程度の年齢になると事務所に所属している子が多いのだが、多くのオーディションで条件として“芸能プロ未所属”を掲げているところも多く、低年齢化の傾向は必然といえるかもしれない。
スキャンダル対策にも一役? 低年齢から徹底した“タレント教育”
もちろん従来のように、輝いている子役に目を光らせて、ある程度の年齢になったら子役事務所からの移籍を打診し、大人のタレント・俳優へと脱皮させるといった手法もあり続けるだろう。しかし、プロダクションにとって低年齢のうちから生え抜きで育成するメリットは大きい。誰もがSNSを利用するようになった今の時代、これから売り出そうとしているタレントの過去のスキャンダルを発掘されるのはプロダクションにとって大きな痛手。要は低年齢であればあるほど、タレントとしての教育に時間をかけることが出来るため、リスクも軽減することが出来る。少々うがった見方かもしれないが、そうした思惑からも、今後さらにオーディションの低年齢化は加速していくことが予測される。