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イケメンに胸キュン女子多数!? 話題の「演歌男子」の魅力に迫る

 20代・30代の若手歌手の活躍が目立っている演歌・歌謡曲。なかでもその人気をけん引しているのが、歌い手としての実力はもちろん、端正なルックス、親しみやすいキャラクターで女性を中心に多くのファンを虜にしている「演歌男子」だ。昨年の『NHK紅白歌合戦』に山内惠介、三山ひろしが初出場を果たしたことをはじめ、各地で演歌男子にフォーカスしたイベントなどが行われており、ますます盛り上がりを見せている。そこで今回、ORICON STYLEでは、ジャンルとしての「演歌男子」の火付け役であるCS番組『演歌男子。』プロデューサーの話をもとに、最新の演歌男子事情に迫っていく。

若者にも訴求した「演歌男子」という言葉

  • 放送中の『演歌男子。3』では演歌男子たちが様々なことに挑戦。写真は料理に挑戦した(左から)はやぶさ、パク・ジュニョン、松阪ゆうき

    放送中の『演歌男子。3』では演歌男子たちが様々なことに挑戦。写真は料理に挑戦した(左から)はやぶさ、パク・ジュニョン、松阪ゆうき

  • 10月14日、28日の放送に登場する(左から)最上川司、三山ひろし、浅野祥

    10月14日、28日の放送に登場する(左から)最上川司、三山ひろし、浅野祥

 かつての流行歌からいちジャンルとして独立した演歌、歌謡曲だが、何年かに一度、大きなヒットが出るくらいで、多くの若者にとっては“主に中高年層が聴く音楽”というイメージが定着していた。しかし、氷川きよしがブレイクした2000年代以降は10〜30代前後の若い歌手の活躍が目立つようになってきており、若手だけで構成されたイベントや、ユニット企画なども増加。従来の演歌・歌謡曲以外のファンを取り込むことで、CD、カセットテープが大御所にひけをとらない好セールスを記録する歌手も現れるなど、少しずつ人気を伸ばしてきた。

 そしてそんな“点”で盛り上がっていた若手の演歌・歌謡曲歌手をつなぐきっかけとなったのが、2014年にスタートしたCS番組『演歌男子。』(外部サイト)(歌謡ポップスチャンネル)だ。もともと演歌・歌謡曲専門チャンネル「歌謡ポップスチャンネル」の公式Twitterを通じて“若手の演歌・歌謡歌手”という括り自体に固定ファンがいると感じていたプロデューサーの石田翼氏(IMAGICA TV)は、その括りに特化した番組を企画。「若者ならではの目線で同年代の歌手の魅力を伝えていく」ことをポイントに、若手の男性歌手が普段着を着ておしゃれなカフェでフリートークをしたり、最新シリーズでは料理、手品など様々なことに挑戦。従来の演歌・歌謡曲の番組とは異なるアプローチで歌手の魅力を伝えている。

 同番組の一番の功績は、やはり「演歌男子」という訴求力の高い言葉を生み出したことだろう。演歌男子に明確な定義はないが、概ね歌い手としての実力はもちろん、端正なルックスやユニークなキャラクターなど、様々な魅力を兼ね備えた若手の男性演歌・歌謡曲歌手といったところだ。昨今、多くの「○○男子」がある中でも、“演歌×男子”という言葉には簡潔でありながら絶大なインパクトがあるし、若い男性演歌・歌謡曲歌手を形容するには一番わかりやすい表現。様々なメディアがこの「演歌男子」を取り上げたことで、演歌男子という枠自体が従来の演歌・歌謡曲のファンよりも若い人から注目を集めるようになった。

切磋琢磨する中での演歌男子の成長 ジャンル化が好影響

  • 8月に昭和女子大学 人見記念講堂で行われた『演歌男子。LIVE』

    8月に昭和女子大学 人見記念講堂で行われた『演歌男子。LIVE』

 イベントなどでも変化が起こっている。石田氏は、「番組では1年目からライブイベント『演歌男子。LIVE』を開催したり、私自身も演歌・歌謡曲の現場に足を運ぶ機会が増えたのですが、確かに歌手によっては小さな子どものファンがついていたりと、ファン層が幅広くなっているのを感じます」と話す。また、長年、若い演歌・歌謡曲の歌手を応援している東京・浅草の老舗レコード店「ヨーロー堂」の店主・松永好司氏も、同店で実施するイベントで「以前より若いファンが増えている印象があります。特に“演歌男子”と呼ばれる若い男性歌手は顕著なのですが、20代・30代のお客様が増えているんです。お店の売上も増えていますよ」と変化を実感しているようだ。

 では、他のジャンルのアーティストにはない、演歌男子ならではの魅力とはどんな部分なのだろうか? 一番の理由は、今どきの若者らしい、ファンとの距離感の近さにある。演歌・歌謡曲の歌手は昔から店頭でキャンペーンを行い、ファンと交流を図ってきたものだが、やはり世間的には大御所が彩鮮やかな着物を身にまとい、コブシをきかせて中高年のファンを魅了する――そういったイメージが大きかったように思う。しかし、“会える”アイドルグループの台頭もあって、若手歌手の“神対応”が握手会の原点としても注目。そのギャップもあって、ネットなどで大きなバズを起こした。

 これまで以上にファンとの距離感が縮まった要因としては、本人たちの“自己プロデュース能力”の高まりがあるように感じられる。SNSで自ら発信する歌手が増えたことで“自分の見え方”を意識するようになったことや、演歌男子として同年代の歌手と切磋琢磨する機会が増えたことがプラスに働いているのだ。「『演歌男子。』の台本は大まかな骨子だけ用意して、細かい部分は本人たちに任せているのですが、初期の頃と比べると、トークなども成長したように感じています。複数の歌手がいるなかで役割を考えて発言しているというか、ここでこうしたら自分や他の人のいいところを引き出せる、というのを理解してきたんです」(石田氏)。

 イケメンで、歌がうまくて、個性があって、なおかつ距離感が近い――とあれば、ファンが夢中になるのもうなずける。では実際、どんな演歌男子たちが若い女子たちを魅了しているのだろうか? ここからは、ORICON STYLEが注目する演歌男子7組にフォーカスしていく。
★注目の演歌男子7組をチェック★
大江裕黒川真一朗純烈パク・ジュニョンはやぶさ三山ひろし山内惠介

バラエティも進出、個性的なキャラと切ない“おんな歌”のギャップで新境地開拓

大江裕(日本クラウン)

 祖父が歌う「北島三郎」の歌を子守唄として育ち、いつしか演歌歌手を志すように。高校生の時、バラエティ番組『さんまのSUPERからくりTV』で、その個性的なキャラクターに注目が集まり、ついに憧れの北島と対面。2009年、作曲・原譲二(北島の作詞・作曲時のペンネーム)による楽曲「のろま大将」で歌手デビューを果たした。大きな身体にいい意味で今どきの若者らしくない礼儀正しさ、そして「〇〇ですぅ〜」という口癖で幅広い層から親しまれてきた彼ももう25歳、これまで彼のキャラクターが反映された大将シリーズや、食、故郷の景色を歌った楽曲などを歌ってきたが、2014年からは“おんな歌”に挑戦し、新境地を開拓している。最近では『有吉反省会』(日本テレビ系)などのバラエティ番組にも出演し、そのキャラクターと歌声のギャップで新たなファンを獲得している。
「こゝろ雨」
2016年3月9日発売

大江裕 公式HP(外部サイト)

真面目さがにじみ出る好青年 確かな表現力で魅了

黒川真一朗(徳間ジャパンコミュニケーションズ)

 1994年に出場した「五木ひろし歌謡コンクール」で優秀賞を受賞したことをきっかけに上京、一度は挫折も経験するが、2002年より作曲家・水森英夫氏に弟子入り。2003年、「家族/山彦峠」で徳間ジャパンコミュニケーションズよりデビューを果たした。デビュー12年目、甘いマスクと素朴なキャラクターで好青年ぶりを発揮しているが、様々な人気歌手を送り出してきた水森氏に鍛えられた歌手としての表現力、歌声は確かなもの。デビュー12年目を迎え、ますますその魅力に磨きがかかってきている。新曲「落ち葉舟」は王道の男唄となっているが、持ち前の表現力で力強くも優しく、しっとりと歌い上げている。日々の出来事や思いをブログで綴っており、実直さが感じられる文章で、時にはファンを気遣ったりするなど、彼の人柄の良さがにじみ出る内容となっている。
「落ち葉舟」
2015年9月9日発売

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元戦隊ヒーロー俳優中心に構成 異色のムード歌謡コーラスグループ

純烈(日本クラウン)

 元戦隊ヒーロー出身の俳優を中心に構成された、平均身長183cmの6人組ムード歌謡コーラスグループとして、2010年、「涙の銀座線」でメジャーデビュー。グループ名には、“純粋であり、かつ強く正しく節操や分別がある”“志を変えずに最後まで貫く”という意味が込められているという。戦隊ヒーロー出身の俳優が多いとあって長身のイケメン揃いで、甘いマスクでダンスを交えながらムード歌謡をドラマティックに歌い上げているが、いざトークを始めると近所のお兄さん的な気さくなキャラクターで、そのギャップも魅力のひとつ。各地でのイベント出演などを通して他のグループにはない持ち味を浸透させている。新曲「幸福(しあわせ)あそび」は、作曲家の故・中川博之氏が彼らに思いを託した渾身の作品となっており、本人たちも「僕たちは幸せです」と熱い想いを語っている。
「幸福(しあわせ)あそび/愛をありがとう」
2016年5月25日発売
※7月27日に【プレミアム盤】発売

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“ジュニー”の愛称で親しまれる韓国出身の演歌男子 日本の心を歌う

パク・ジュニョン(キングレコード)

 2012年に「愛・ケセラセラ」でデビューして以降、爽やかなルックスや歌唱力はもちろん、太陽のように周りを明るくする無邪気なキャラクターで、ファンからは「ジュニー」の愛称で親しまれている韓国・釜山出身の歌手。今でこそ順風満帆だが、2002年にダンスグループのメンバーとして韓国でメジャーデビューを果たすも解散、さらに別のグループとして活動するもまたもや解散――失意の中、日本にホームステイをしたことが転機に。日本人の心の温かさに触れ、日本の心を日本で歌いたい、と強い決意を抱くようになったという。来日してから5年目を迎えるが、日本のアニメを見て覚えたという日本語はペラペラ。料理、カメラ、インテリア収集、映画鑑賞など多趣味で、何と“ガンプラの早作り”にも自信があるという。“日本と韓国を歌でつなぐ”べく、日本の演歌・歌謡曲を歌う。
「羽田発」
2016年8月3日発売

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子ども人気高まる3人組 ストリートライブなど新たな試みも話題に

はやぶさ(ビクターエンタテインメント)

水森かおり、氷川きよしらが所属する長良プロダクションが手がける新世代歌謡グループとして、ヒカル・ショウヤ・ヤマトの3人で2011年9月に結成され、2012年、「ヨコハマ横恋慕」でデビュー。グループ名は、“未来に向かって羽ばたいていく”ことをイメージしている。今の時代に敢えて昭和の歌謡グループの佇まいを踏襲し、スタンドマイクで歌謡曲を歌うという斬新さはもちろん、その楽曲の振り付けや、首都圏を中心に実施している早朝ストリートライブなど、様々な新しい試みで話題に。こうした中、アニメ『デュエル・マスターズVSR F』(テレビ東京系)のOPテーマ「エボレボ!」(音楽プロデュースはヒャダイン)歌唱をきっかけに子ども人気を伸ばし、イベントでは親子の姿を見かける機会も増えている。11月2日には新曲「流星のロマンス」を発売予定。
「エボレボ!」
2016年3月2日発売予定
※5月25日に【新装盤】発売

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昭和の流行歌手を思わせる佇まい&歌声を持つけん玉演歌歌手

三山ひろし(日本クラウン)

 昨年「お岩木山」がヒットし、若手の演歌歌手としては異例の10万枚を突破。『NHK紅白歌合戦』初出場をはじめ、年末の賞レースでも数々の賞を受賞した三山ひろし。上京後、作曲家・中村典正氏に弟子入り。中村氏の妻・松前ひろ子の「LIVEレストラン青山」で働きながら、修行に励む。2007年に行われた日本クラウン創立45周年記念新人オーディションで準グランプリを受賞し、2009年6月に「人恋酒場」でデビュー。演歌の新人としては異例の日本レコード協会「ゴールドディスク」(10万枚)に認定された。その後も安定したセールスを記録する中で、“けん玉”を使ったパフォーマンスで「けん玉演歌歌手」として注目を集め、様々なメディアに出演。「お岩木山」で『NHK紅白歌合戦』初出場に至った。けん玉がクローズアップされがちだが、ユーモアあふれる気さくな人柄、“ビタミンボイス”と呼ばれる昭和の流行歌手を思わせる温かみのある歌声で多くのファンを魅了している。
「四万十川」
2016年2月3日発売
※8月3日に【秋盤】を発売

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ブログ「演歌の夜明け」(外部サイト)

「キャンペーンは一番輝ける場所」 ファンを虜にする“神対応”も話題に

山内惠介(ビクターエンタテインメント)

 初めて出場したカラオケ大会で作曲家・水森英夫氏の目に留まり、17歳の時に“ぼくはエンカな高校生”をキャッチフレーズに2001年4月に「霧情」でデビューした。本人が「キャンペーンで歌っている時が一番輝いています」と話す通り、デビューの頃からファンとの触れ合いを大切にしており、様々なメディアで人柄の良さ、握手などの“神対応”が取りあげられているが、実は長らくブレイクの機会に恵まれなかった。しかし、北海道・風蓮湖を舞台にした2009年発売の「風蓮湖」が北海道地区がけん引(最高3位)するかたちでヒットして以降、セールスを伸ばし、2014年3月発売の「恋の手本」でついに総合TOP10入り。昨年、「スポットライト」で夢だった『NHK紅白歌合戦』初出場も果たした。今年3月発売の「流転の波止場」は、自己最高となる総合5位を記録している。
「流転の波止場」
2016年3月23日発売
※9月14日に【星盤】【酒盤】【唄盤】を発売予定。

山内惠介 公式HP(外部サイト)
公式ブログ「KEISUKE日記」(外部サイト)
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