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紫吹淳、遼河はるひらの“浮世離れ”が人気 元宝塚がバラエティでの需要が高いワケ

 最近、バラエティ番組で宝塚歌劇団出身のタレントをよく見かける。中でも双璧をなすのは紫吹淳と遼河はるひだろう。かつては、宝塚を卒業したタカラジェンヌは女優へと転身し、映画やテレビドラマで活動していくのが王道だった。今なぜ、元・宝塚スターがバラエティ番組へと進出し、重宝されているのだろうか?

ベールに包まれた宝塚は、“特殊性”エピソードに事欠かない

 紫吹淳は、基本的に“世間知らずキャラ”がウリだ。『アウト×デラックス』(フジテレビ系)に出演した際には、「掃除機を使ったことがない」「料理をしたことがない」「ひとりで外食したことがない」などと、世間知らずな自分をあっけらかんと明かし、さらには「結婚相手は年収1億円以上」「顔はジョージ・クルーニー」と、適齢期を過ぎた自分を差し置き“上から目線”の発言を繰り返して話題を呼んだ。また、『ウチくる!?』(同系)では、家事から運転まですべてこなす“ばあや”の存在を告白。ばあやは、紫吹が宝塚歌劇団月組の男役スターだった頃からの熱烈なファンで、運転手役を買って出たことをきっかけにファンクラブを仕切り、紫吹が退団後に所属したオスカープロモーションに紫吹と同時にマネージャーとして採用された……という、宝塚のどこか普通ではない“特殊性”を思わせるエピソードを披露した。

 このばあやにしても、「生活臭さが出ないよう、身の回りのことをやるようになり、要望に何度も応えてしまったことが、今の家事は何もできない紫吹淳を創ってしまったのではないかと少し反省しています」と満点のコメント。一方の紫吹も、「親子よりも強い関係。私より先に死んではならない」と、まるで戦国武将と小姓のような凄まじい関係性を見せつけたのである。

 「紫吹さんにもバッシングはありますが、それを物ともせずバラエティ番組で傍若無人に振る舞う姿は、まさに“ひな壇ジェンヌ”の称号がピッタリです。本人も自分のセールスポイントがわかっているからこそ、ヘタに殊勝になったりしません。そこがウケているわけですし、制作側も起用したくなる理由でしょう」(バラエティ番組制作会社スタッフ)

“キャラ付け”が最大のポイントのバラエティで、世間とのズレは有利

 一方の遼河はるひも、宝塚月組男役の先輩・天海祐希を彷彿とさせるような、凛とした“デキる女”系の美人。しかし所属する事務所は、おぎやはぎやオアシズなどが所属するバリバリお笑い系の人力舎。遼河は退団時からバラエティ番組への進出を意識していたといわれ、番組では美人ながらもお高く留まらず、食レポで大きなリアクションを元気よくこなすなど、そのきっぷのいい“姉御キャラ”で人気を博している。

 「でも『ウチくる!?』では、交流のあるドランクドラゴンの塚地(武雅)さんから、“カメラが回ってる時は自らお酒を作るなど甲斐甲斐しさを見せるが、カメラが止まるとそのままスタッフにグラスを丸投げ。イイ女風を演じ過ぎ”と評され、ニッチェの近藤(くみこ)さんには、“イケメンがいいとか、自分より背が高くないとダメとか(遼河は身長173p)言ってるうちは結婚できない”とボロクソに言われてました(笑)。本人も“考えすぎて重い女”を自覚しているなどと告白して、いわゆる“負け犬キャラ”も演じられる。反面、『スッキリ!!』(日本テレビ系)では、コメンテーターとして話題に合わせた適格なコメントもするし、“硬軟”使い分けられるところが、遼河さんのセールスポイントでしょう」(前出のスタッフ)

 キャラは微妙に異なるふたりだが、バラエティ番組では同じように重宝され、活躍しているのはなぜなのだろうか?「それは、やっぱり“元・宝塚”の肩書きが大きいでしょう。宝塚は、われわれ一般社会から見ればまだまだ遠く離れた、神秘のヴェールに包まれている“女の園”の世界なんです。だからこそ人気もある。今のバラエティ業界は、“キャラ付け”が最大のポイント。オネエ、ハーフ、不思議系……見た目にわかりやすく、勢いのあるキャラは一番ほしいところ。叶姉妹のような、妙に“お金の匂い”のする“妖しいセレブ枠”に近いものもあります。それだけ元・タカラジェンヌは視聴者の興味もそそるし、最初から有利なんですね。しかも、紫吹さんの宝塚ならではの“世間知らずっぷり”、遼河さんのさすが男役といった“サバサバ感”など、世間とズレまくった言動は超貴重です。視聴者の期待も裏切らないし、制作側も余計なキャラ作りに苦労しなくていいから楽なんですよ」(前出のスタッフ)

 いわば“元・宝塚”は、タレントも制作側も視聴者もウインウインの関係にしてくれる、魔法の肩書きなのである。歌も踊りも演技もできる元・タカラジェンヌの才能は、何も女優業だけに発揮しなければならないものではない。もっと積極的にバラエティの世界に参入して、その浮世離れした私生活の一端を披露したり、摩訶不思議な言動でわれわれを楽しませてくれる“元・宝塚タレント”は、今後も需要が増し、増え続けて行くだろう。

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