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松岡茉優インタビュー『女優として演技だけではなく“一芸”を持ちたい』

演技派女優としてドラマ、映画で活躍しながら、バラエティやトーク番組のMCとしても活躍中の松岡茉優。最近の「バック転、バック宙をマスターしたい」発言も話題になるなか、『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』ではアニメ声優に初挑戦。多方面での活動に熱心な松岡にこの先の方向性を聞いた。「女優として一芸を持ちたい」という真意とは?

どういうふうに感情を込めたらいいのかわからなかった

――過去に洋画の吹替えをされた経験はありますが、今回初めてアニメの声優に挑戦してみてどうでしたか?
松岡茉優俳優は自分で役作りをして、衣装やメイクなどのディテールを作っていって、監督と話しながら映像にしていきます。でも、今回は出来上がった映像に声を当てるという作業だったので、本当に難しかったです。自分が作った役じゃないから、表情もリアクションも違うので、どういうふうに感情を込めたらいいのかわからなくて。以前、洋画の吹替えをしたときは生身の人間に声を当てましたが、今回はアニメなので余計に難しかったです。

――松岡さんが演じたのは、サトシたちが訪れる超カラクリ都市・アゾット王国のキミア王女。キャラクターを表現するうえで意識したことはありますか?
松岡茉優国を守るという壮大な使命を背負っている女の子なので、まっすぐで凜としていて、何があっても大きく動じない強さを出せたらいいなと思いました。凛々しいキャラクターなので、セリフは簡潔に潔く。そのうえで、子どもたちにもわかりやすいようにハッキリ話すことを心がけました。
――ポケモンはもともと好きだったそうですが、その世界観に入れてテンションが上がったシーンはありましたか?
松岡茉優サトシと初めて会話したシーンは興奮しました! サトシと話してる! 敬語で話されてる!! って(笑)。ピカチュウとサトシと一緒にいられるシーンは短かったんですけど、本当に幸せでしたね。

――ゲスト声優のなかには、『おはスタ』(テレビ東京系)で共演していた山寺宏一さんもいらっしゃいましたね。
松岡茉優アフレコの日、もう録り終わっていた山ちゃんが駆けつけてくれて、私の収録に立ち会ってくれたんです。「大丈夫、自分らしくやればいいんだよ」ってアドバイスもしていただいて。その言葉ですごく安心できて、“おはガール”の絆は今もあるんだなと実感しました。

――ポケモンファンの松岡さんからみた劇場版の見どころは?
松岡茉優とにかくサトシが輝いています! いつも輝いているんですけど、映画のなかのサトシは世界中の少年の頂にいます(笑)。カッコいいけどちょっとお茶目な、私が子どもの頃から憧れていたサトシが見られて感動しました。それと劇場版に登場する伝説のポケモン、ボルケニオンの声を市川染五郎さんが担当されたんですが、それも本当にカッコよくて。アフレコしながら聴き入ってしまって、自分のセリフに気づかなかったくらい(笑)。ボルケニオンが大きなバトルに挑む姿は興奮すること間違いなしです! 私はこの作品を、同世代の方にぜひ見てほしくて。「子どもの頃に見ていた“ポケモン”をまた見に行ってみよう」と思って、大切なものを受け取って帰っていただけたらうれしいです。

笑いのプロの聖域であるバラエティで自分がなすべきこと

――ポケモンへの熱量がすごいですね(笑)。先ほど声優は難しかったとおっしゃっていましたが、今後の女優業に役立ちそうな収穫はありましたか?
松岡茉優驚いて「ワーッ」「キャーッ」って言うとき、音響監督さんから何度も「もっと負けない感じで」って言われたんです。キミアは気高くて凛々しい役なので、女の子っぽく高い声でリアクションすると合わないんですよね。それでいろいろと模索した結果、グッとお腹に力を入れて、強い声で言うリアクションに変えました。今までそういうリアクションをしたことがなかったので、俳優としてもひとつ学ばせていただきました。

――松岡さんは作品ごとにガラッと雰囲気を変える女優さんという印象ですが、役によって声のトーンを変えることは強く意識されますか?
松岡茉優私は技術的なことを考えてお芝居することがほとんどないので、声のトーンについてはあまり意識していないです。役を作って、結果としてこういう声になりましたっていうのが後からついてくるものだと思っています。ただ、今回声だけでアプローチするという体験をしたので、今後は俳優業でも意識が変わってくるかもしれないです。
――最近は女優業だけでなく、バラエティでも大活躍されていますよね。
松岡茉優バラエティはすごく楽しいです! でも、自分としてはあくまでもバラエティのプロの方々の聖域に立ち入らせていただいているだけだと思っています。自分がなすべきことは、みなさんの邪魔をしないことと、絶対に流れを止めないこと。あとは、俳優として出演する作品の宣伝ができれば合格点かなと思っています(笑)。

――MCのお仕事も増えていますよね。レギュラー番組に加え、この夏は『FNS27時間テレビフェスティバル!』(フジテレビ系)でMCのひとりに抜擢されました。女優としてそこから得るものはありますか。
松岡茉優レギュラー番組ではナインティナインさんやおぎやはぎさんとご一緒させていただいていますが、生で芸人さんの返しや話のテンポを見られるのはすごく勉強になります。お芝居にもリズムがあったほうがいいと思うので。私はずっと日常的にテレビに触れてきていて、テレビが大好きなんです。だから、テレビが元気になるお手伝いがちょっとでもできたらっていう想いもあります。

“テレビの住人”感が出る3分番組のナレーションをやりたい

――いろいろなことにチャレンジしていますが、さらに何かやりたいことってありますか?
松岡茉優また声優に挑戦したいですし、ナレーションの仕事にもすごく興味があります。ずっと夢見ているのは、テレビの番組と番組の間にある3分くらいの番組のナレーションをやることです。“いつもここにいます”みたいな、テレビの住人感が出るなあと思って。私は“テレビっ子”なので、そういう立場になってみたいんです(笑)。

――最近は『その「おこだわり」、私にもくれよ!!』(テレビ東京系)でモーニング娘。さんと一緒に踊ったとき、腹筋が割れていたことが話題になりましたよね。「バック転、バック宙をマスターしたい」という発言もされていましたが、肉体派を目指していたりも……?
松岡茉優いえいえ! 腹筋はモー娘。と同じステージに立つという意思表示のために割ると決めたものなので、あのときだけです。もう割れてません(笑)。バック転、バック宙も、バラエティに出たときや、監督さんに「何かやってみろ」と言われたときに、一芸としてできたらと思っているだけなんです。私と同世代はみんなお芝居がうまいだけじゃなくて、女優でももうひとつ得意なことを持っているんですよ。それで自分も何かできたらと思って、武田梨奈ちゃんにスタジオと先生を紹介してもらいました。なかなか行けるタイミングがないんですが、今年中に絶対できるようになります! そのプラスαがあって、さらに本業の俳優業を太い柱にして充実させます。

――ここ最近多い少女漫画の実写映画のヒロイン役はまだありませんね。
松岡茉優少女漫画キャラクターの目の大きさ知ってます? 私じゃないです。見た目の麗しい方でないと(笑)。私はきっと少年漫画のほうです!
(文:加藤 恵/写真:逢坂 聡)

ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」

 旅をするサトシたちの前に、空から突然幻のポケモン・ボルケニオンが降ってきた。人里離れたネーベル高原で暮らすボルケニオンは、実は人間嫌い。サトシたちをよそに急いで立ち去ろうとするが、なぜかサトシと不思議な鎖に繋がれ、離れられなくなってしまう。
 ボルケニオンは、ネーベル高原から連れ去られたソウルハートという未知なる力が宿るマギアナを取り戻そうと、アゾット王国を目指す。鎖で繋がれたサトシと何度もぶつかりながら、ふたりは次第に最強の信頼関係で結ばれていく。そんなふたりはマギアナを取り戻すことはできるのか……。

監督:湯山邦彦
声の出演:市川染五郎 中川翔子 松岡茉優 あばれる君 山寺宏一
7月16日公開
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
(C)Pokemon (C)2016 ピカチュウプロジェクト
【公式サイト】(外部サイト)

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