ORICON NEWS

東出昌大&NICO Touches the Walls、マニアで変態な一面とは

サスペンスの帝王・船越英一郎の怪演を絶賛

――曲作りで特にインスパイアされた場面は?
光村龍哉 ピンときたのは最初に東出昌大さんが窪田さん演じる土志田に声を掛けるシーンです。「一緒に戦おう」っていうあのセリフを聞いて、<正解がなくても戦うだけ>っていう歌詞が出てきた。その瞬間、音楽で日常をサバイブしていく自分たちの気持ちとリンクしたというか。映画は過剰に描かれている部分はあるけど、これは僕らだけではなく、いろんな人たちの日常だなって思ったんですよね。
東出昌大 そこまで観てくださってありがたいです。
最後、「ストラト」が流れた瞬間、全部持っていかれますからね。
光村龍哉 いやいや、そんなことないですよ(笑)。
東出昌大 僕はそれが嬉しかったんです。ラストにこの曲が流れることで、いい意味で考えることを停止させてくれるというか。本編では物ごとの陰と陽が描かれているけど、それをこの曲がすべて陽へ持っていってくれる。そこで映画が締まるし、救われるんですよね。

――確かに曲を聴いた瞬間、混沌とした物語の着地点を見つけた気がします。
東出昌大 あと僕は<聞き逃してた小さな言葉 それを信じる>っていうフレーズも印象に残っていて。この歌詞を聴いたとき、中津の中にもずっと“小さな自分の声”が流れていたんじゃないかなって思ったんです。ヘタレなのは誰のせいでもなく全部、自分がダメだからってわかっているけど、そこに向き合うのってめちゃくちゃ怖いじゃないですか。でもそこで勇気を出した中津の気持ちが、<それを信じる>って言葉によってより響いてくるなと。
光村龍哉 嬉しいですねぇ。実際は何でもかんでも信じるってすごく難しいことだと思うんだけど、信じることをやめたら疑うしかないわけで、だったら僕は信じる人生を選びたい。そういう気持ちをこのフレーズに込めているし、他の部分も、日常の中で悲しいとか悔しいとかって感じる瞬間と、そのなかにある真実を意識できる自分の直観を信じて表現する生活がしたいってことを書いたんです。それは僕らの音楽を聴いてくれる人たちとの唯一のコミュニケーション手段でもあるので、嘘がないように作りました。

――そういう嘘のなさが劇中の登場人物たちと重なるから、救われるんでしょうね。“ヘタレ”でも信じて生きていれば、明るい未来が待っているっていうリアルな希望が持てる。
光村龍哉 だから僕としては一番ヘタレな中津役の東出昌大くんがいつ戦いに参加してカッコよくなるんだろう? って期待していて。最後までヤキモキしながら観ていました。
東出昌大 すいません、ずっとヘタレで(笑)。

――そんな中津を含め、この映画にはいろいろな“ヒーロー”が出てきますが、誰が一番カッコいいと思いました?
東出昌大 やっぱりハンマー通り魔の日下を演じた(片岡)鶴太郎さんかな。鶴太郎さんは役だけじゃなく、ご本人も後輩に気を配って優しい言葉を掛けてくださる方なんですよ。劇中と同じように、現場でも父のような鶴太郎さんがいたことでみんなが一体になれたところはありますね。
光村龍哉 僕は小松さんがカッコよくて、ズルいなって思った(笑)。キモになるところできっちりキメてくる頭の切れ方がすごいなと。
古村大介 あとちょっと系統が違うけど、(南海キャンディーズの)しずちゃんもすごいと思いました。しずちゃんはやっぱりどこまでもしずちゃんなんだなって。
東出昌大 あ〜、それは僕も思いました(笑)。

――あと船越英一郎さんの怪演も強烈なインパクトがありました。あのサスペンスの帝王ここまで振り切っているっていう、その徹底ぶりがある意味、カッコいいなと。
東出昌大 船越さんは現場でものすごく楽しんでいらっしゃいました。例えばビルの屋上で踊るシーンがあるんだけど、4メートル四方ぐらいの足場の上で安全策をしないで撮ったんですね。そのとき、スタッフがカメラを構えながら「ここでお芝居できますか?」って船越さんに聞いたら、「俺が何回、断崖絶壁の上で芝居したと思っているんだ!」って。
NICO Touches the Walls さすが帝王!(笑)。
東出昌大 その言葉でスタッフさんも喜んでいました(笑)。

NICO Touches the Walls「ストラト」ミュージックビデオ

NICO Touches the Walls オフィシャルサイト(外部サイト)
東出昌大 オフィシャルサイト(外部サイト)

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索