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ルパンや逆転裁判まで “実写化の元祖”宝塚が腐女子を取り込む施策
“夢のような空間”で女性ファンを熱狂 格式高い伝統の宝塚
これだけの決まり事を持ち、固定した熱狂的なファンもついている宝塚だが、やはり“女性向け”といった感は否めない。
「確かに宝塚の代表作『ベルサイユのばら』は少女マンガだし、『源氏物語』や『ロミオとジュリエット』もそれぞれ日本、世界を代表する古典文学、『風と共に去りぬ』はハリウッドが生んだ大ロマンス映画です。国内外の格式高い大恋愛作品を、原作の世界観のままに忠実に舞台で実写化して、“夢のような空間”を創り出してしまう。まさに宝塚の真骨頂で、そこにこそ日本の乙女たちが心をときめかせ、熱狂的なファンになる魅力があるわけです」(女性誌記者)
美しい世界観作りだすタカラジェンヌ リスキーな実写化も“お手のもの”
「宝塚の舞台では、遠くから見ているお客さんでもわかりやすいように“厚化粧”だし、演じるジェンヌたちもキャラになりきるのは“お手のもの”。安易な実写化ドラマにありがちな“中半端さ”はいっさいありません。むしろ普通の俳優さんたちが演じるよりキャラへの違和感は少ないんじゃないですか」(前出・記者)
『おそ松さん』ヒットからみる “腐女子”と“ヅカファン”の共通点
「『おそ松さん』のヒットは、かねてより“腐女子”と呼ばれていた女性のオタク層が多数派となって、一般化した現象です。言ってみれば、女性のオタク文化が普通に受け入れられはじめたんですね。『おそ松さん』にしたって超人気漫画の古典作品。アニメにしろヅカファンにしろ、ひとつのものを徹底的に楽しむメンタリティは共通しています。自分の好きな世界のためには手間と時間と金を惜しまない、という意味でも、アニメやゲームオタクとヅカファンは共通点があるかもしれません」(前出・記者)
とすれば、オタクの女性層が宝塚の世界に接近することもあり得るし、ヅカファンがBL(ボーイズラブ)やTL(ティーンズラブ)の世界に近づくこともあり得るというわけだ。そもそも宝塚自体にそうした“傾向”があると言ってもいいだろうし、今後はさらに“踏み込んだ”実写化に挑戦する可能性も高いのではないだろうか。そして、実写化の“出来栄え”に一喜一憂してきたアニメやゲームファンも、逆に宝塚の舞台で繰り広げられる“世界”に魅了され、新たなヅカファンとして取り込まれていくかもしれない。日本の伝統的文化・宝塚と、クールジャパン的な日本のサブカルチャーのクロスオーバーが、これからどのような化学変化を起こしていくのか、注目したいところである。