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(更新: ORICON NEWS

大ヒット『おやすみ、ロジャー』 “眠り“の秘密を徹底解剖

 「読み聞かせると、子どもが必ず眠る」と話題になり、テレビをはじめ、各種メディアからこぞって取り上げられ、大ヒットを記録中の絵本『おやすみ、ロジャー』の著者カール=ヨハン・エリーン氏が来日。ORICON STYLE編集部に、同書が大人の上質な睡眠にも効果的であることを語ってくれた。

今、一番売れている絵本『おやすみ、ロジャー』とは?

 心理学のテクニックを凝縮し、従来の絵本とは異なるアプローチで作られた寝かしつけの絵本。1万部売れたらヒットと言われる絵本ジャンルにおいて異例のスピードで売れており、3月7日現在飛鳥新社の発行部数は75万部を突破。

 「世界中でベストセラーになっていることを大変うれしく思います。売れていることよりも、この本が世界の多くの方の手助けになっているという事実を何よりうれしく思います。これまでの英語圏各国では、この本の情報を親同士で共有していくという現象が起こっていました」と著者のエリーン氏。日本でも同様に、読者がSNSで「本当に子どもが寝た」と投稿して話題になり、多数のテレビ番組が「本当に寝るのか?」と寝かしつけ実験とともに紹介。クチコミとメディアの紹介による相乗効果でさらに販売が加速中。

 42言語に翻訳され(母国スウェーデン語合わせると43言語)、各国でベストセラーになっている同書。その中でも、日本での販売は特に多いのだとか。日本は幼児の就寝時間が22 時を過ぎてしまう家庭が4 割以上と、欧米諸国にくらべて圧倒的に遅いというデータもあり、日本人の女性は世界一睡眠時間が短いと言っても過言ではない。日本での大ヒットは、それだけ親が子どもの寝かしつけに悩んでいる表れだ。

大人にも効く! 眠りに誘う秘密とは…?

 「実は、『おやすみ、ロジャー』は、年齢制限を設けていません。物語が始まる前に注意書きを入れています。パワフルな導眠効果があるので、車の運転中にドライバーの横で読むのを禁止すると書いています。これはジョークや演出ではありません。真面目な警告メッセージです」(エリーン氏)
これは著者公認の、“大人にも有効であること”の裏付けだ。では本書のメソッドが具体的にどのように大人の眠りに効くのかを探ってみた。

その1
文章の構成が、聞く側に「選択」を促す表現になっている。 独特の言い回しで、聞き手に睡眠をとることを意識させる。

その2
聞き手の名前が物語に登場。子うさぎのロジャーが、聞き手と共に眠るために試行錯誤をする物語に主人公として自分が登場することで、想像の力で脳を睡眠モードへ導く

その3
くりかえし、自己暗示等、心と体をリラックス状態へ導く「自律訓練法」のメソッドを物語に取り込んでいる。

大人にも効果抜群  実はメンタルトレーニング&リラックス指南書だった

 「眠らせる効果が注目されていますが、もう一つ大切なポイントがあります。それは、自分の行動を自分で決める生活を送る、ということ。子どもにとって、自分の行動を決めることは自信につながります。“眠る”という選択肢を思い出してほしいですね」(エリーン氏)。

 夜が来たから仕方なく寝るのではなく、能動的に睡眠をしてほしいということだ。これは子どもだけでなく、大人の睡眠にも非常に大切なこと。布団の中でスマホをいじり、いつの間にか寝ていたというのは良い睡眠とは言い難い。大人にこそ安定した睡眠とその時間を確保するための習慣付けに利用してほしい。そして実際に眠りにつく際には、スムースに脳を眠るモードに移行し、上質な睡眠をとることができる。『おやすみ、ロジャー』は、「子どもを寝かしつける本」だけでなく、大人にも効果的な、リラックスして能動的に上質な睡眠を楽しむためのメンタルトレーニング本でもあった。

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