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デビュー15年経た倖田來未、恐れることなく挑戦したい!

 昨年デビュー15周年を盛大に迎えた倖田來未が、2016年第1弾としてニューアルバム『WINTER of LOVE』をリリース。今作は2004年9月にリリースされた13枚目のシングル「奇跡」以降のシングル曲からの選曲された全17曲を収録。「you」や「愛のうた」などの彼女の代表曲に加え、新曲2曲を収録。“ボーカリスト”倖田來未としての側面に焦点を当てた、冬のバラードコレクションについて、そして、彼女が感じる“愛”について話を聞きました。

歌って踊るセクシーな倖田來未……自分の思い描いていた理想像とは違った

  • 倖田來未のアルバム『WINTER of LOVE』【CD+DVD】

    倖田來未のアルバム『WINTER of LOVE』【CD+DVD】

――『WINTER of LOVE』は、バラード曲のみを収録した冬のバラードコレクションアルバムですが、その経緯から教えて下さい。
倖田來未 個人的にはバラードが好きで、オーディションでは、岡本真夜さんの「alone」と高橋真梨子さんの「For You」を歌いました。でも、デビュー当初はなかなかバラードを発売させてもらえず、それまで踊ったことのなかった私に、歌って踊るセクシーな倖田來未をスタッフから提案されたんですよね。自分の思い描いていた理想像とは違ったんですが、期待に応えたいっていう一心でやり続けるなかで、「奇跡」で初めてバラード曲が発売できました。それからは、ダンスナンバーだけでなく、バラード曲も支持していただけるようになって。それが自信につながり、いつか大好きなバラードだけを収録した作品が出せたらいいなと思うようになって。今回念願かなってバラードアルバムを発売することができました。

――新曲も収録されていますが、15周年記念ライブでも披露され、ファンとの絆の深さを改めて痛感した2曲ですね。
倖田 「On And On」は、2年前から温めていた、ファンのみなさんのことを思って書いた曲です。私がファンのみなさんに辛いとき、悲しいときに支えてもらったように、どんな時でもみなさんを私が支えていくからねっていう思いを込めて歌詞を書かせていただきました。

――また「On And On」のミュージックビデオは、スマートフォンを縦にしたままでもフル画面で映像が観れる縦動画バージョンも制作され、話題となっていますが。
倖田 家族や恋人と離れ離れになったときって、テレビ電話をするじゃないですか。このミュージックビデオでは、私とテレビ電話してるような気持ちで観てもらえたら嬉しいですね。

――そして、もう1曲の「NO ME WITHOUT YOU」は、ライブの冒頭に披露され、いきなり驚かされました。
倖田 みんなが知らない新曲を1曲目に持ってくるのは、ものすごく勇気がいりました。ちゃんと聴かせなきゃいけないというプレッシャーもありましたし。今ではアンコールというものが当たり前になっていますが、私のライブでは、ファンのみなさんが自発的に私の曲を歌ってくれるという幸せな状況にあります。でも、この状況がいつまで続くのか、倖田來未はいつまで続けられるのか、不安や焦りがあって……いつかみんなから「アンコール」って言ってもらえない日がくるのかもしれない、この気持ちを忘れたらいけないなって思いながら歌詞を書きました。こんな私だけど、愛してね、ずっと歌い続けるからっていう、ファンの人たちに向けたメッセージとともに、今後へ向けた決意表明です。

紆余曲折あった15年で人の心の痛みを知り、人生観を綴った歌詞が書けるようになった

  • アルバム『WINTER of LOVE』【CDのみ】

    アルバム『WINTER of LOVE』【CDのみ】

――ターニングポイントといえるものであったり、とくに思い入れの強い楽曲をあげるとしたら?
倖田 どの曲もそうなんですが、やっぱり「hands」かな。どうしてもバラードにしたいと自分の意見を通して、歌詞も書かせていただきました。正直、当時は全然結果が出せていない自分だったので、意見を言うことに対してものすごく勇気がいりました。でも、曲げずに主張させてもらって、それをスタッフの人にも受け入れてもらうことができて。自分を信じてくれたスタッフがいたからこそ、こうして15年も歌わせていただくことができるんだなって、改めて今作を作ったことで、感謝の思いが強くなりましたね。そして、この15年の中では、紆余曲折いろいろなことがありましたが、そのなかで人の心の痛みを知る機会もあり、それによって人への愛であったり、人生観を綴った歌詞が書けるようになりました。

――それは結婚を経験したことも大きかったのでは?
倖田 それもあると思います。これまでと違う、新しいことをやると批判を受けることもある。出る杭は打たれるというか。常に新しいものにチャレンジして大丈夫かな? っていう危機感もないわけではないのですが、スタッフが倖田さんやりましょうよ! って後押ししてくれるから、よし、やるぞって思えるし。人に嫌われたくないっていう想いももちろんあるけど、変わらないことをやり続けるより、新しいことにチャレンジしていくのが自分には合ってるのかも。

――先駆者ってそういうものですよね。
倖田 やるからには誰もやっていないことを表現したいですし、倖田來未としてこれからも恐れることなく、挑戦し続けていきたいなって思います。

――最後に、愛を歌ったアルバムということで、倖田さんにとっての“愛”とは?
倖田 子供が生まれてから、無償の愛というものを感じるようになったんです。昔はギブアンドテイクって言ってましたが、何も見返りがなくても、ただニコっと笑ってくれるだけで嬉しかったりします。そういう意味では、見返りがないものでも愛を注ぐことが本当の愛、究極の愛なのかなって気がします。歌詞を書いたり、生活をしている中で実感するのが、結婚してからいろんな欲がなくなっていきました。なんでなんだろう? って考えたときに、あ〜私は愛されてるんだなって。愛に満たされると、欲ってなくなるんだなって。それまで買い物などの欲が強かったし、美容にも気を使っていました。結婚して子供が生まれてから、化粧水をつけるぐらいなのですが、それで十分なんです。何かをする時間があったら、家族と一緒にいたいなと思っていて。それでも周りの人から、最近きれいになったねって言われる頻度が増えて嬉しいですね。

――まさに会うたびにどんどん磨きがかけられているなと。
倖田 きっと内面からくる安心感であったり、安らぎであったり……家族からの愛はもちろん、ライブで感じたファンの方やスタッフからの日々の愛というものが、外見に反映されているんだと思います。

――内面の充実が外見の美しさにもつながっていると。今年は、全国47都市を約1年近くかけて回る全国ホールツアーを行うそうですね。
倖田 16年目にして初めての挑戦です。何よりライブが好きだし、今回は初のベストシングルコレクションツアーになるので、まだ倖田來未のライブに足を運んだことがないという方にもぜひ楽しみにしていてほしいと思います。

(文:星野彩乃)

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