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2016年は“アラフォー”から“アラフィフ”へ バラエティへと活躍の場を広げるベテラン俳優たち
幅が広がったアラフォーのバイプレイヤーブーム
木下と同じく『痛快TV スカッとジャパン』で人気に火が付いたのは、津田寛治(50)。彼は昨年、『食の軍師』(TOKYO MX)で初めて連ドラ初主演を果たしたほか、各局のドラマにも引っ張りだこで、2016年には、スペシャルドラマ『検事の死命』(テレビ朝日系)や、連ドラ『フラジャイル』(フジテレビ系)にも初めての医師役で出演することが決まっている。
また、2015年も後半に入ってから、比較的ここ最近で話題に上るアラフィフ俳優といえば、NHKの朝ドラ『あさが来た』の炭鉱の親分・治郎作を演じる山崎銀之丞(53)や、加野屋の中番頭・亀介を演じる三宅弘城(47)、もうすぐアラフィフの大番頭・山内圭哉(44)も挙げられるだろう。
アラフィフ俳優がこうして注目される背景には何があるだろうか。ひとつには、安田顕や戸次重幸などが牽引してきた、大人の味のあるカッコよさがにじみ出るアラフォーのバイプレイヤーブームというのが50代にまで幅を広げてきたことがある。
深夜ドラマの拡大で脇役からメインキャストへ
ドラマの枠でいえば、深夜ドラマのほかに、池井戸潤が原作のドラマが軒並みヒットしていることもアラフィフブームに関係があるだろう。池井戸作品は、銀行や町工場など、社会人が働く現場を描いた作品が多く、自ずと部長、社長役などでアラフィフの役者が必要とされる。そんな社会派ドラマ人気の潮流もあり、現在はアラフォーの中間管理職だけでなく、部長、社長クラスが演じられるアラフィフ俳優への需要が高まっているのではないだろうか。
実際、以前から知名度の高い阿部寛(51)や吉川晃司(50)が『下町ロケット』(TBS系)で、上川隆也(50)が『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)で、遠藤憲一(54)が『民王』(テレビ朝日系)でと、2015年は池井戸作品でアラフィフ俳優の活躍が目立った一年であった。
また、20代、30代であろうが、40代、50代であろうが、ドラマで気になる役を演じ、ブレイクした俳優は、年齢に限らず視聴者にはフレッシュな人として認識される。しかも、それまでバイプレイヤーや演劇人として長年、活動をしてきた俳優は、実力や個性を磨いてきた歴史があるわけで、一度ブレイクしても、その輝きが一時的に消費されるものでもない。そこからあふれる人間的な魅力に引き込まれる人が多いのは、当然といえば当然だろう。
2015年のアラフィフ俳優のムーブメントはこのようにして起こったと思われるが、2016年は、よりその勢いが増していきそうだ。この先、どんな顔が人気になるのか引き続き注目したい。