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山崎賢人インタビュー『俳優として現場で作っているときの感覚が好き』
10年後との対比に号泣してしまった
山崎すごく悩んだセリフが「俺の気持ちは気づいてもいいよ」。その言葉の意味をずっと考え込んでしまって。本当は、菜穂のことを好きだし、好きって言いたいけど、須和(竜星涼)が菜穂を好きだってことも知っているし。たぶん転校してきて、みんなが声をかけてくれて仲良くなれて、友だちができた喜びを崩したくないっていう想いが大きかったんです。もし自分が菜穂に告白して何かが変わって、いまの時間が壊れてしまったら……というのもあって、言えなかったりもするし。お母さんのことがあって、菜穂をまた傷つけてしまうのではないか? という恐怖心もあって。好きとは言えないから、あの言い方になったんだと思いました。
――難しいシーンが多かったと思いますが、橋本光二郎監督の演出はいかがでしたか?
山崎翔の心情になってくれて、たとえ話とか、体験談もたくさん聞かせてくれました。翔に似た感情を、言葉を選んで伝えてくださる繊細な監督です。すごくやさしい目をしていました。
――完成作は、どうご覧になりましたか?
山崎台本を読んで知ってはいたんですけど、10年後との対比を映像で観ると、鳥肌が立ちました。自分は10年前のいましか生きていなかったので、10年後の翔以外のみんなが翔のことを思ってくれていることに、翔目線で観てしまって、号泣しました(苦笑)。本当に温かい映画だなと思いました。
現場でしかわからないことが多い
山崎オレンジジュースは、ごはんをおごるみたいな感じですからね。ヘアピンもあげたりしているじゃないですか! ヘアピンとか、翔らしくていいですね。翔、あれを買うのに、たぶんバイトとかしたんだろうなとか、貯金を崩したんだろうなとか、考えるとまた感情がよみがえってきます(笑)。あ、本編ではカットされたんだった! でも菜穂が(翔にもらったヘアピンを)つけているシーンはありました。
――小さなエピソードにも、いろいろな想像力を膨らませるんですね! みずみずしい演技の秘訣の一端を、垣間見た気がします。いま、お芝居のどんな時間が好きですか?
山崎現場で作っているときですね。やっぱり現場でしかわからないことが多いので。現場がいちばん楽しいです。今回は、一つひとつのシーンをつなげていく感じで、『orange』の世界ができあがっていくことが本当に楽しかったです。
――大活躍の2015年でしたが、来年はどんなことに挑戦したいですか?
山崎コメディ(笑)。福田雄一さんや、一度ご一緒したことがあるんですけど(山崎のデビュー作となったドラマ『熱海の捜査官』を演出した)三木聡さんの作品が好きです。機会があったらぜひご一緒させていただきたいです。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:逢坂 聡)
orange-オレンジ-
脚本:橋本光二郎
出演:土屋太鳳 山崎賢人 竜星涼 山崎紘菜 桜田通
12月12日(土)公開
(C)2015「orange」製作委員会
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