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93世代俳優の台頭 脇役から認められていくスターたち
◆少女漫画原作ドラマからのブレイクが多かった80世代
小栗旬と生田斗真は、2007年の『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系)で、また小出恵介、瑛太、向井理は、2006年の『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)で、生田と成宮、向井は2008年の『ハチミツとクローバー』(フジテレビ系)でそれぞれ共演している。
80年代前半生まれの俳優のなかで、ほかの俳優たちとちょっと経歴が違うのは、藤原竜也と綾野剛である。藤原は、少女漫画原作の作品ではないが、映画『デスノート』シリーズや『カイジ 人生逆転ゲーム』などの青年漫画原作の作品に出演して同年代の俳優とはまた違ったキャリアを築いた。また、綾野剛も映画『GANTS』『闇金ウシジマくん Part2』『ルパン三世』など、青年漫画原作の作品に出演することはあっても、少女漫画原作のイケメン群像劇には出演していない。
このように例外はあるものの、この世代の俳優の多くは、2000年代後半の少女漫画原作の作品で、漫画のなかのキャラクターとともに人気を獲得した。
◆脇役からじわじわと人気を得ていく93世代俳優
そんななか、もっとも少女漫画とともに歩んでいるのが福士蒼汰だろう。2014年のドラマ『きょうは会社休みます。』(日本テレビ系)や、映画『好きっていいなよ。』(2014年)、『ストロボ・エッジ』(2015年)などに出演。これは、現在の映画やドラマが、原作ものであることが定着していることも意味している。しかし、福士の知名度をアップさせたのは2013年に出演した『あまちゃん』の存在が大きいだろう。つまり、福士が出演した少女漫画原作の作品は、ブレイクのきっかけを与えたものではない。
また、ジャニーズのHey! Say! JUMPのメンバー・中島裕翔は、小説原作ものやオリジナル作品には出演していても、漫画原作ものには出演していない。彼はドラマ『半沢直樹』(TBS系)や『デート〜恋とはどんなものかしら〜』(フジテレビ系)などで、実年齢よりも上のサラリーマン役を好演して俳優としての評価を得ており、そこからさらに知名度を上げた。2016年には、NEWSのカトウシゲアキ原作の小説を実写映画化する『ピンクとグレー』に出演するが、この作品で中島と共演する菅田将暉もまた、漫画原作ものにも何本か出演しているものの、注目を浴びたのは『共食い』(2013年)や『そこのみにて光輝く』など小説原作のシリアスな作品だった。
93世代俳優たちは、まだまだこれから世代の特徴を強めていくことになるとは思う。少女漫画原作の群像劇に出演してそのイケメン性で注目されるというよりは、小説原作などの作品で、幅広い世代の出演者の中のひとりとして出演して、演技で認められることで人気を徐々に拡大していく傾向が大きくなっているのではないだろうか。