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木村カエラ『心のリズムがシンクロした瞬間……“歴代最高潮”の『Synchronicity』ツアーをレポート』

 最新アルバム『Sync』を携え、1月下旬からスタートしたホールツアー『木村カエラ LIVE Synchronicity TOUR 2013』。“互いの心のリズムをシンクロさせたい”というカエラの願い通り、パワフルな歌声と映像を駆使したパフォーマンスで、会場には笑顔と幸福感が満ち溢れた。単独では約5年ぶりという、NHKホール公演の模様をお届けする。

映像を駆使したユニークなパフォーマンス

 今回のツアーは、“Synchronicity=意味のある偶然の一致”をテーマに回ってきたという。それはお客さんと、スタッフ&バンドメンバーと。大好きなライブ空間でみんなと心のリズムをシンクロさせたい。そんな木村カエラの気持ちが全編に散りばめられた3月27日、NHKホール。

 胸に“Sync”の文字を刻んだ、スーパーマン風“スーパーカエラ”のアニメーションに続き、カエラ本人が登場。「HERO」を歌うカエラの背中にマントがはためいたり、“Welcome”の文字が浮かび上がったり、ステージ背面をフルに使ったプロジェクションマッピングを駆使してアルバム『Sync』の世界を彩っていく。今回の衣装は、たっぷり大きめな真っ白のトップスに黒のボトムといったシンプルスタイル。それは映像と一体化するためでもあったのだと思うけど、トップスの下にチラリとのぞく黄色いシャツと黄色いヘアに、ただならぬファッションセンスを感じてしまう。会場を見渡すと、お客さんも音楽とオシャレが大好きな人たちが集まっている!

 「リルラリルハ」では(ステージ背面に)マーガレットの花模様が映し出され、その前で軽やかに跳ねて踊るカエラは春の妖精のよう。「so i」では浮遊感のある音と幾何学(きかがく)的模様の映像で、不思議な気分を体験。「Cherry Blossom」では桜色のライトのなか、桜の花びらがヒラヒラと舞った。「いまちょうど桜が咲いているけど、この曲の歌詞を作っているときにはもう(今回の)NHKホールの日にちが決まっていたから、この日をすごく楽しみに歌詞を書いたの」そんなカエラの気持ちに感動。会場からは喜びの拍手!

 残すところ、あと2公演となった今回のツアーをバンドメンバーとともに振り返ったMCは、楽しいエピソードばかりで笑いが絶えなかった。バンドのグルーブ感は、密なコミュニケーションから生まれたものなのだなと実感。「このメンバーでツアーを回ることができて本当によかった。すごく安心できて緊張もできて、刺激をもらいながら自分も成長できて。なにがあってもくじけずに一緒にがんばれるパワーをくれるみんなだと思いました」

 NHKホールでのワンマンライブは約5年ぶりだという。5年前にも来てくれた人がたくさんいることを知って「一緒に歳をとってるんだね〜(笑)」としみじみするカエラ。「何事も平凡でいようってことを求めずに、もっと刺激のあることを自分から望んでいたら、どんどん人は成長していくのかな? ってことを思いながらこのツアーを回っていました。勉強になったし、またここ(NHKホールのステージ)に立てて嬉しいなと思っています。これからもいろんなことに挑戦しないとな〜って思います」ひと言ひとことを、とても丁寧に伝えてくれるカエラを、温かい拍手が包み込んだ。

今までのツアーのなかで一番熱かった!

 中盤は「歌と映像がシンクロして行くのを楽しんで聴いて」という、楽曲のなかでも特に世界観のある曲たちを披露。「sorry」は、コーラスの“やまちゃん”と向かい合って一緒に歌う。ドラムと鍵盤の軽快なリズムの上に乗って、滑っていくような感覚だった。「ワニと小鳥」は背景にワニと黄色い小鳥の絵が浮かび、まるで絵本を見ながら歌を読み聴かせられているかのよう。アウトロ(曲の終わり)でワニはそのままブクブクと水中に潜り、そのまま「dolphin」にバトンタッチ。青いライトでホール全体が海の底のよう。大きなうねりのサウンドのなかで感情のうねりのままに歌いあげるカエラ。そしてステージは、セピア色のモノクロワールドへ。「WONDER Volt」の奇妙で切ない物語を体現してみせた。これはもうトータルアートの世界!

 そして後半戦! 「もう激しい曲しか残っていません(笑)」と、カエラがコール&レスポンスで煽りステージはロックバンドに、会場はライブハウスにスイッチ! 激しいナンバーが立て続き、カエラはシャウト、お客さんは力強く腕を突き上げ、そしてカエラとともに歌う! 今回のツアーは、どの会場でもお客さんが一緒に歌ってくれているのがすごく印象的だったという。この日もすごい大歓声と大合唱が響いていた。なんというか、海外アーティストのライブ会場にいるような錯覚に陥ってしまった。

 「やっぱパワーがすごいね! 今までのツアーのなかで一番熱かったぁ!」興奮冷めやらぬなか、本編のラストナンバーへ。「最後の曲は私にとって、とっても大切な曲。日々いろんな色にまみれて生活をしていると思うけど、私の歌を聴いてくれるときに、みんなの心が少しでも真っ白になって、前を向いて歩き出してくれたらいいなぁという願いがこもった歌です」と披露した「Sun shower」は、やさしく穏やかで、心を洗ってくれたようだった。

 アンコールでは、スタイリストさんに作ってもらったという、アルバムカラー(赤・黄・青)のさまざまな素材の布をつなぎ合わせたマキシスカートにツアーTシャツというスタイルで。「Butterfly」で最高にハッピーな気分を届け、「Super girl」で再び弾け、最後は“みんなの笑顔が見たい!”という思いが込められた「Magic Music」を披露、会場中が笑顔で溢れた。カエラの願い通り、私たちは癒され、笑顔になり、パワーをもらった。みんな“カエラのことが大好き!”という気持ちが、ライブが始まる前よりも、すごくすご〜く増えたと思う。そして、“明日からまたがんばろう!”という気持ちで帰り道を歩いた人が、きっとたくさんいたのだろう。
(文:三沢千晶)

木村カエラ 約5年ぶりホールツアーをWOWOWで楽しもう!

 WOWOWでは、木村カエラの最新ホールツアー『木村カエラLIVE Synchronicity TOUR 2013』から、3月27日に行われた東京・NHKホール公演の模様をオンエア! 約4年8ヶ月ぶりとなるホールツアーでは、その空間を活かした“魅せる”演出や“溶け込む”アプローチで、さらに新しい側面を打ち出した彼女。「こんなカエラ見たことない!」と思える“出会い”が、彼女と観客の一体感となって弾ける!

【番組情報】
『木村カエラLIVE Synchronicity TOUR 2013』
5月5日(日・祝)後 9:00〜  WOWOWライブにて放送!


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