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(更新: ORICON NEWS

菅田将暉&松坂桃李『言葉ではない部分で お互い何かを感じ得た素敵な瞬間』

何とも不思議で、でも人をグッと惹き付けるインパクトのあるタイトル『王様とボク』──この映画で描かれるのは、誰もが経験する若者から大人へと成長する旅立ちの瞬間。6歳の心を持つ18歳のモリオ、彼との再会で気持ちが揺れ動くミキヒコ、そんなふたりの青年を演じるのは、次世代の日本映画界を担う俳優・菅田将暉と松坂桃李。プライベートでも交流があるふたりの素顔と、映画の魅力に迫ります!

芸能人っぽくないところも似ている[松坂桃李]

──それぞれのその選択があったからこそ、今こうして共演しているわけですからね。菅田さんは『仮面ライダーW』、松坂さんは『侍戦隊シンケンジャー』、ふたりともヒーローものを経験しているという共通点がありますが、ほかに共通点は?
【松坂】 ほんとに芝居が好き、というのは共通していますね。一緒に芝居をしているだけで、改まって言葉を交わさなくても、どれだけ芝居が好きなのかは伝わってくるもので……。
【菅田】 そうそう。たとえば、「お前のことが好きだ」って言えば好きってことになるけれど、それってすごく表面的なものだと思うんです。言葉ではない部分でお互い何かを感じ得た瞬間は、ものすごく素敵な瞬間だし、それ以上の信頼はない。僕はこの映画でそんなふうに生きることができたし、それは桃李くんのおかげ。具体的にこういうエピソードっていえないけど、伝わっているってそういうものだと思うんですよね。

──すごくうらやましい関係ですね。
【菅田】 ですよね。飾らないところも似ています。最低限の礼儀はあるけれど、変に格好つけたりしない、いらないプライドはなくそうとする、そういう意識は似ていて。あと、焼肉が好きなのも似てる(笑)。
【松坂】 そうだね(笑)。変ないい方だけど、芸能人っぽくないところも似ているかも。
【菅田】 そうそう。周りから(芸能人であることを)強要されることはありますけど、そこに乗っからなければいい話で。乗っかってしまうと、おもしろくないイケメン俳優化されてしまうので、それは避けたいです(笑)。

──そのコメントでそうじゃないことはよく伝わりました(笑)。また、菅田さんにとって『王様とボク』は映画初主演作。6歳の心を持つ18歳の青年というギャップのある難役でしたね。
【菅田】 役作りについては、胸を張ってこうしましたとはいえないんですけど、撮影前に監督から『ギルバード・グレイプ』を渡されて、資料として観ました。ディカプリオが演じた少年は知能障害があるので、モリオとはまた少し違うんですが、世間の目はこうなんだなというのはつかめましたね。子どもの動きを観察するために、知人の5〜6歳の子どものところに遊びに行ったりもしました。それで、予測ができないから子どもなんだなってことに気づいたので、役作りとしては、家でたくさん引き出しを作って、現場では何も考えずにその場を生きようと心掛けていました。

逆に今の若者からしたらフレッシュ(笑)[菅田将暉]

──松坂さんは監督から「作り込まずに」と言われたそうですが、どんな準備を?
【松坂】 等身大の役を演じるときって、そもそも役作りって何なんだろうって思うんですよね。僕も引き出しを増やすというか、家でいろいろな感情を考えてはみるんです。でも、どんなに考えて作っていったとしても、作品ごとの現場の空気がありますから、そこで自分が何をどう感じるのか、体と声というフィルターを通して何を出せるのか──それが大切だと思うんですよね。

──前田監督の現場の空気感はいい空気感だったということですね?
【松坂】 監督の空気感にはかなり助けられましたね。作品の雰囲気と監督の雰囲気が合っているというか……。最初にお会いしたときの第一印象は、おシャレな人だなぁと(笑)。可愛らしさとビシッとした雰囲気の両方を持っている人。でも、その裏には、表には出さないものすごい熱を持っているんです。その熱っぽさが一番好きですね。
【菅田】 僕もそういう監督が好きですね。人間的にパワーがあって、自分の作っているものに誇りを持っていて、秘めているものがある、ほんとに素敵な人。この人に役を任せてもらえる役者になりたいなって強く思いましたから。

──そういう監督の想いが込められているであろうラストシーンも印象的で、感動がありました。観た人がそれぞれに想いを馳せる、いいシーンに仕上がっていますよね。
【菅田】 ラストシーンは演じながら泣きそうだったんですよね。監督からの指示は「モリオは何かに引き寄せられて、だんだん走っていく」ということだけだったんですけど、何だかものすごく悲しくて。でも、完成した映画を観たらすごく前向きに捉えることができました。もっと人生を楽しまくちゃって思えたんですよね。
【松坂】 僕は、純粋にきれいだなぁと思ったのと、キュッと胸が締めつけられるというか、自分の思い出をつかまれるというか。みんながあのラストシーンをどう感じるのか逆に聞いてみたいんですよね。
【菅田】 聞きたいよね。みんな違う言葉、違う感想を投げてくれると思うので、ほんとに興味深くて。
【松坂】 舞台挨拶は観る前じゃなくて観終わった後がいいですよね。みんなの反応が見たい!

── 一人ひとり感じ方が違うので、観終わった後の話も弾みますよね、きっと。最後に、恒例の質問なんですが、最近はまっていることを聞かせてください!
【菅田】 将棋ですね。舞台『ロミオとジュリエット』の楽屋で流行っていたのがきっかけなんですが、最近は携帯のゲームでもやっています。レベルゼロは攻略できたんですけど、レベル1がなかなか倒せなくて……。って、レベル2までなんですけど(笑)。
【松坂】 僕は、落語です。
【菅田】 えっ、なんで落語?
【松坂】 今の現場で、高橋克実さんと倍賞美津子さんから、落語っておもしろいんだよっていう話を聞いて。克美さんに落語のCDを貸してもらったのがきっかけ。40分ぐらいの尺でもまったく飽きないし、早口なのに聞き取れるのがすごいんですよ。声だけなのにものすごく情景を想像できるのもすごい。
【菅田】 それはすごい(演技の)技術だね。
【松坂】 そう。しかも、何回聞いても同じ場所で笑ってしまうんです。最近はまり出したばかりなので、寄席にも行ってみたいんです。

──将棋に落語、やっぱりどこか似ているところはありますね(笑)。
【松坂】 フレッシュ感ゼロですよね。
【菅田】 いや、逆に今の若者からしたらフレッシュだよ。
【松坂】 たしかに(笑)。

⇒ 前のページへ【お前とは行きたくないって断られた(笑)[菅田将暉]】
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(文:新谷里映/撮り下ろし写真:片山よしお)

映画情報

王様とボク

 12年前のあの日、ボクらは王様だった――。恋人・キエ(二階堂ふみ)と初めて結ばれた、18歳の誕生日の夜。ミキヒコ(松坂桃李)はふと、6歳の頃に不慮の事故に遭って以来、昏睡状態で眠り続けている同級生・モリオ(菅田将暉)のことを思い出す。その後、長い眠りからモリオが目を覚ましたことをニュースで知ったミキヒコは、キエと病院まで会いにいくが、12年ぶりに再会したモリオは、身体が18歳の青年に成長したものの、心は6歳当時のままだった……。

監督:前田哲
出演:菅田将暉 松坂桃李 相葉裕樹 二階堂ふみ
【映画予告編】 【OFFICIAL SITE】
2012年9月22日(土)ユナイテッド・シネマ、シネマート他全国順次ロードショー
(C)2012「王様とボク」製作委員会

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