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(更新: ORICON NEWS

小松菜奈『これはもう運命かも!伸び伸びとして不思議感を――』

CMやミュージックビデオなどに出演し、その清涼感と不思議な存在感から瞬く間に注目度を急上昇させている新鋭女優・小松菜奈が、本格的な演技に初めて挑んだのは――ポップでカラフルな世界観に包まれた、超過激なバイオレンスが渦巻く衝撃作『渇き。』。妖しい輝きを身にまとい、やわらかくも尖った独特の魅力を放つ小松菜奈の素顔に迫る☆

友だちに「すごい!」って思ってもらえる(笑)

──バイオレンスなのにポップで、映画を観た誰もがさまざまな衝撃、大きな衝撃を受ける作品ですね。
小松そうですよね(笑)、私も観て呆然としちゃいました。

──撮影現場を知っていても?
小松ぜんぜん違いますね。想像していたよりもすごくて、みんな大変だったんだなぁって……。

──その“大変”の中心にいたのが小松さんじゃないですか(笑)。
小松撮影中は自分のことで精いっぱいだったので(苦笑)。

──本格的演技が初めてとは思えないすばらしい演技でした。ヒロインという大役、不安やプレッシャーは?
小松もう、そのふたつ──不安とプレッシャーしかなかったですね。でも、すごく嬉しいことでもあって。中島哲也監督の映画に出られることはもちろん、オーディションを受けられること自体が嬉しかったし、加奈子役をいただけたこともすごく嬉しかったです。ただ、ここまでの長編映画に出ることは初めて。難しい役なので不安なことだらけで、演者の方々はすごい方ばかりで、しかも濃いキャラばかり。そのなかで加奈子の演技が負けてしまってはダメなので、加奈子をしっかり出せなかったらどうしよう、という心配は強かったです。

──しっかりド真ん中で存在感を放っていました。そもそもオーディションを受けようと思ったきっかけは?
小松ずっとモデルをやっていたので、CMやミュージックビデオのお仕事をさせていただく機会があって、そのときに「演技って楽しそうだな」と、興味を持つようになったんです。それからは、映画を観ても「自分も映画に出てみたいなぁ」と思ったりしていました。できるなら、現役高校生のうちに高校生役を演じてみたいなと。今回の加奈子役は高校生で同い年、夢が叶いました!

──高校生のうちに高校生役をやりたいという背景には何が?
小松モデルの仕事をしていると、学校を休んだり、途中で授業を抜けたりする日もあって。学校の男の子たちから「ほんとにモデルやってるのかよ?」っていう感じに言われていたんですね。男の子は女性誌を見ないから伝わらないのは分かるんですけど、なんか悔しくて(笑)。だから、映画に出たら気づいてもらえるし、きっと「すごい!」って思ってもらえるだろうなと。もちろん、ほんとの高校生だからこそできることもあるだろう、というのもありますけど。

普通の女子高生にならないように…

──小松さん、負けず嫌いな性格ですね?
小松そうなんです、すごく(笑)。

──その性格は、今回の撮影現場でどんなふうに役立ちましたか?
小松演技がぜんぜんできなくて何テイクも重ねて「悔しい」って思うのもそうですけど、加奈子は(キャラクターとしても)一番上に立っていなきゃならないので、悔しくて出てしまうつらい顔も寂しい顔も見せられないんです。だから、どんなに悔しくてもその感情を出さずにがんばろうって。それを出したら普通の女子高生になってしまって、それは加奈子じゃないから……。

──自分自身との戦いだったんですね。そういう経験をしたいま、お芝居への興味や楽しさはどう変化した?
小松最初は、演じることは自分に向いていないんじゃないかって思ったりしたんです。でも、撮影の本番になると、自分でも意外だったんですけど、のびのびとできたり、リラックスできたりしたんです。撮られることは嫌いじゃないし、演じる楽しさにも気づけました。

──いいですね。先ほど、中島監督の映画に出られることが嬉しかったとありましたが、中島監督作品との出会いは?
小松『告白』を観たのがきっかけでした。内容も含めていろんな“初めて”の感覚が詰まっていて、中島監督の他の作品も観てみたいと思ったんです。お母さんが『嫌われ松子の一生』が好きだったので、まずはそのDVDを借りて、それから中島監督の全作品を観ました。で、この方の作品に出られたらいいなと思っていたところに『渇き。』のオーディションのタイミング。これはもう「運命かも!」って、勝手に(笑)。

──運命、でしたね。とはいえ、過激な描写や暴力的な描写に抵抗はなかったんですか?
小松たしかに、すごい役柄だし(苦笑)、ちゃんと上手く演じられるかなという撮影への不安はありましたけど、中島監督の作品に自分が残ると思ったらすごく嬉しくて、自分はスクリーンにどんなふうに映るんだろうという期待感の方が大きかったです。演じることは難しいけれど、撮影中は楽しめている自分もいました。

ずっと心に留めていたものがすうっと流れた

──楽しめたということは、加奈子のキャラクターをしっかり理解できたことにも繋がるんでしょうね。また、加奈子は男も女もとりこにしてしまう不思議な魅力の持ち主。気をつけたのはどんなこと?
小松そうですね……。なんで加奈子はこういうことをするんだろうって考える部分もたくさんあって、加奈子にももちろん感情はあるけれど、それを表に出さないのが加奈子なんですよね。題名の「渇き」のとおり、加奈子の心は渇ききっているような感じなのかな、とかいろいろ考えました。中島監督と加奈子について話していくなかで得たのは、加奈子はこういう女の子ときっちり決めつけるのではなくて、伸び伸びと演技した方が加奈子らしさ、不思議感が出るんじゃないかということでした。

──中島監督ともいい関係が築けたんですね。そんな中島組の撮影をふり返ってみて思い出すのはどんなこと?
小松クランクアップは中谷美紀さんとのシーン、(加奈子にとっての)ラストシーンだったんです。大変なこともあったけれど、このシーンで撮影が終わっちゃうんだな、終わりってあるんだなって思って……。そういう寂しさもありました。そして、クランクアップした瞬間、加奈子を演じるためにずっと心に留めていたものが、すうっと流れて通るようになったというか、ものすごく終わった感がありました。

──いい達成感ですね。この映画によって小松さんの本格的な女優人生がスタートしたわけですが、『渇き。』と出会う前と後、どんな変化がありましたか?
小松女優さんってどういう仕事なんだろう、映画ってどんなふうに撮影するんだろう、っていう興味は大きかったんですが、経験したことがなくて分からないからこそ、軽く考えていたところもあったんです。実際は、想像していたものとぜんぜん違いました。自分ではない別のキャラクターを演じるのってすごく難しいし、今回は共演者の方々も、みなさんが演じる役も個性が強いので、負けないように加奈子を演じたい、加奈子をもっと知りたいと思いました。大変だけど、女優という仕事って楽しいな、そう思えた現場でした。今回の加奈子は不思議な女の子だったので、次はそれとは違う役、いろんな役をやってみたいです。(文:新谷里映/撮り下ろし写真:逢坂聡)

<小松菜奈の『渇き。』キスシーン特別映像>

渇き。

 元刑事のロクデナシ親父・藤島(役所広司)に離婚した元妻から連絡が入った。成績優秀なうえ、容姿端麗、学園のカリスマでもある女子高生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪したという。自分のせいで全てを失った男が、再び“家族”を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追うことに。娘の交友関係をたどって行く先々で、語られる「知らない加奈子像」に戸惑う藤島。想像を超えて肥大し、踏み入れるほどに見失う娘の正体。やがて藤島の激情は、果てしない暴走をはじめる……。

監督:中島哲也
出演者:役所広司 小松菜奈 妻夫木聡 清水尋也 二階堂ふみ 橋本愛
【映画予告編】 【公式サイト】
2014年6月27日(金)全国公開
(C)2014「渇き。」製作委員会

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映画『渇き。』公式サイト

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