『レッドクリフ PartII −未来への最終決戦−』(4月10日公開)のプロモーションで来日し、インタビューに応じたトニーの第一声は「この仕事はとにかく難しかった」。アジア映画史上最高の100億円という製作費やスタッフ、キャストの人数など、ハリウッド大作をも凌駕する製作規模となる同作。その撮影前の状況を、穏やかな口調で感慨深げに語る。
「実は撮影に入る前は、(映画の完成は)不可能ではないかと思っていました。でも可能になった。完成してから振り返ってみると、皆で力をあわせればどんな困難なことでも実現できるということに気付きました。僕にとっても貴重な経験になり、とても印象深かったです」
これまでの出演作では、常にその役作りを事前に十分に行い、撮影に挑んでいるトニー。しかし、今回は違った。もともと孔明役を演じるはずだったトニーは、別の映画の撮影で体調を崩し降板。その後、周瑜役のチョウ・ユンファがクランクイン当日に降板というアクシデントがあり、トニーはウー監督の窮地を救うべく自ら申し出て、その代役としての出演が急遽決まった。
「ウー監督とは長い付き合いですし、周瑜役の突然の降板というニュースを聞いて映画に携わるものとしてつらかった。僕にできることをしたいと思ったんです。だから、今回はこれまでと違って、準備に十分な時間をかけることができなかったので、撮影しながらその人物像や役柄を発見していきました。役作りにはいろいろなやり方がありますから、今回はそれがいい結果につながったと思います」
周瑜は、三国志に登場する数多くの英雄のなかでも、もっともカリスマ的な存在。その役を演じるトニーも、『インファナル・アフェア』(2002年)でのマフィアに潜入する警察役での好演が広く知られるところだが、ほかにも『恋する惑星』(1994年)『ブエノスアイレス』(1997年)『HERO』(2002年)『ラスト、コーション』(2007年)などで国際的な高い評価を受けている。アジアを代表するカリスマ的な実力派俳優だ。周瑜とトニー、このふたりの人物像には共通するところがあるのだろうか。
「あまり考えたことないですね。でも、演じているからどこか似ているはずで、きっと共通点はあると思います。演じていて思ったのは、彼は思ったことをあまり口にしないで心のなかに秘めます。武将にはそういう部分が大事。不安などみせないですよね。そういうところは似ているかもしれないです」
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