山口百恵の「いい日旅立ち」、若者にも浸透

　春は旅立ちの季節。そして行楽シーズンでもある。そこで、ORICONSTYLEが、「旅と聞いて思い出す曲」についてのアンケートを実施したところ、山口百恵の【いい日旅立ち】が、総合、男女別で1位、世代別に見ても1位か2位になるなど、世代を超えて幅広く認知されていることが分かった。

　まず、多かったのが「CMのイメージが印象的」（東京都/40代/女性）、「旅＝京都＝JR＝国鉄＝CM＝いい日旅立ち」（沖縄県/40代/男性）などCMの影響をあげる声。【いい日旅立ち】は、1978年から1984年まで当時は国鉄だったJRが行った旅行宣伝キャンペーンのテーマソング。タイトルもキャッチコピーとして使用され、全国に深く浸透した。現在も新幹線の車内放送などに使用されているほか、“旅ソング”の定番としてテレビの旅番組や日常で耳にする機会も多い。

　もちろん、それだけが理由ではなく、「つい口ずさんでしまうメロディー」（北海道/40代/男性）、「しっとりとしたいい曲だから」（奈良県/30代/男性）「昭和を代表する名曲」（鹿児島県/30代/男性）と、曲自体の評価も高い。

　この曲をリアルタイムで聴いたことがない若い世代からも、「古臭くなく、かつ、いまどきの歌以上に趣がある曲だから」（岐阜県/20代社会人/女性）と支持されている。また同曲は、作詞・作曲者である谷村新司が1986年にリリースしたバージョンもこのランキングの9位に入るほどの人気ぶりだ。

　2位はチューリップの【心の旅】。「若い時に聴いて心に残っている」（福岡県/40代/女性）、「母が時々口ずさんでいるから」（福岡県/中・高校生/男性）と、時代を超えて歌い継がれ、愛されていることがわかる。　

　一方、若い世代に人気だったのが、3位ケツメイシの【旅人】と4位Mr.Childrenの【終わりなき旅】。「PVや歌詞がまさに旅って感じ」（広島県/20代社会人/女性）と、理由も現代的だ。また、7位の奥田民生の【さすらい】は、「『男の旅』という感じ」（埼玉県/20代社会人/男性）、「世界中をさすらう旅をしてみたいので」（北海道/30代/男性）と、男性に人気が高かった。

　【旅人】【心の旅】【終わりなき旅】など、“旅”と付くタイトルの曲が軒並み上位にランクインしたのは順当だが、注目すべきは、上位10曲のうち5曲が昭和の懐メロだったこと。名曲と旅の思い出は、いつまでも色褪せないものらしい。

（2007年3月8日〜3月12日、自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員の、中・高校生、専門・大学生、20代社会人、30代、40代の男女、各100人、合計1,000人にインターネット調査したもの）

( 04月04日 21時00分 )