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映画『TAJOMARU』主演・小栗旬インタビュー

小栗 旬


 『花より男子 ファイナル』『クローズZERO』シリーズ・・・、主演作が途切れることなく立て続けに大ヒットしている小栗旬。2010年は26才にして初監督を務めた映画が公開される。そんな小栗の最新主演作は、芥川龍之介の『藪の中』を原作にする時代劇『TAJOMARU』。まさにいま“時代を駆ける”小栗にぶしつけを承知で本音に迫った。


小栗旬(C)石川拓也 

小栗旬(C)石川拓也 

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◆“TAJOMARU”と小栗旬の共通点


(C)石川拓也

――絶対に女を捨てない?

【小栗】 そういうふうにしているつもりですけど(笑)。でも(劇中で演じる)直光のように、ここまでひとりの人を愛せるかといわれたら正直わからないですね。


――おのれを曲げない?

【小栗】 努力しております(笑)。僕らの仕事は、ある意味で妥協の連続のようなところもありますけど、極力そうしたくないと思って生きていますし、自分を殺してまで演技を続けなければならないなら、無理してこの世界に居座っていたいとも思いません。


――どこまでも自由に生きる?

【小栗】 まあ、自由にやらせてもらっていると思いますよ(笑)。(信念は?)自分自身を貫くことですね。映画での表現は、その人の生き様をみせるしかないと思うんですよ。自分がどういう人生を生きているかということを、自分という道具を通して人にぶつけるものだと思います。僕は頭で考えるタイプの俳優で、すごく理屈は考えるんですけど、最終的には理屈じゃないと感じているところもあります。


◆カツラも飛ぶ激しい撮影・・・


藪の中で大盗賊・多襄丸(松方弘樹)と遭遇したシーン (C)2009「TAJOMARU」製作委員会

――今回の撮影中にカツラが飛んだと聞きました。

【小栗】 松方(弘樹)さんと(柴本)幸ちゃんとのシーンの撮影中に、ドーンってカツラが飛んで(笑)。僕のほうの映像は何があっても使えるワケないじゃないですか。でも、目の前でふたりが一生懸命演じていましたから、迷惑かけちゃいけないと思って、ずっと下を向いて笑っていました・・・。いつになったらカットがかかるんだろうと思っていたら、そのままシーンが進んで、助監督が「カット、OK」って。ビックリしましたね、OKなんだって(笑)。


――時代劇は難しい?

【小栗】 時代考証をすごく気にする人もいますけど、実際には誰もみたことのない世界であって、それを演じるのはとてもファンタジーだなと感じています。いまのリアルを切り取るのとやれることが全然違います。そこが時代劇のおもしろいところだと思うんですよね。そんな世界を作るのはとても夢があります。


――今作で役者人生が終わってもいいとおっしゃっていたとか。

【小栗】 僕はけっこう頭で考えるタイプで、没頭したくても自分でブレーキをかけてしまう瞬間があって、爆発的な集中力とエネルギーをもっている俳優さんにずっと憧れていました。同世代でいえば、山田孝之さんとかそういうタイプで、自分もそうなりたいと思っていたんですけど、それに近づけたんじゃないかなと思った瞬間があって。スタートがかかってから体を動かしたのは覚えているんですけど、気が着いたら終わっていたことがありました。本当に役に没頭できて、自分のなかでいままで超えられなかった壁を少し飛べたのかなって思えた瞬間でしたね。役者としては最近集中できていない自分を感じていたので、今回のそこまで集中できる環境をいただいたことは幸せなことだと思いました。


◆映画監督、制作者側に立つことへの思い


(C)石川拓也

――多くのオファーの中から出演作を選ぶときの基準は?

【小栗】 台本を読むと、この役をほかの人にやられたくないと思ってしまって。それで結局忙しくなって自分の首を絞めていっているんですけど、最近はブレーキをかけて、ちゃんと作品や役柄を見極められる目をつけていきたいなと。仕事の話があると全部やりたくなってしまうんですけど(笑)、そうするとかなりしんどくなるので、一本一本をより大事にやっていける環境にしたいと思っています。


――活躍の場にはこだわらない?

【小栗】 基本的に舞台が好きなので、演劇を主にしてやっていきたいというのが自分のなかにあります。映画は、子供のころから大好きだったので、一生のうちに一本、すごい映画に出演したいと思っています。でも自分の作品の評価がどうなるかって、もっともっと未来にならないとわからないですからね(笑)。ドラマに関しては、一歩踏み出す勇気がなくなってきてはいますね。皆さんがみたいと思うドラマを作るためには、僕ら作り手がもっともっと人生をかけないといけないと思うんですよ。


――俳優より監督をやりたい?

【小栗】 ・・・わからないですね。ただ、昔からなんですけど、たまたまいま注目されているだけであって、自分をあんまりおもしろい芝居ができるタイプだとは思っていないんですよ。だから、もっとおもしろいお芝居ができる俳優さんたちにおもしろい環境を提供して、それを撮るのが自分だったら最高っていう考えがあって。40〜50才になったときに、あの監督の作品に出たいって思われるようになりたいという思いが、けっこういまは強いかもしれないですね。そのための勉強をしている感じです。今回初めて撮った映画も、大きなことになってしまったんですけど、できれば本当は小さなところでやりたいと思っていて。やってみなければわからないことのほうが多いので、少しずつやってみて感じて、将来的にそういうことをすべてクリアできるようにしたいなと思うんです。


小栗旬

1982年12月26日、東京都出身。小学6年からエキストラを始め、1998年のドラマ『GTO』で連続ドラマ初レギュラー出演。その後、ドラマ『ごくせん』(2002年)、『救命病棟24時』(05年)、映画『キサラギ』(07年)などで注目を集め、『花より男子 ファイナル』(08年)、『クローズZERO』(07年)、『クローズZERO II』(08年)で人気を不動のものに。蜷川幸雄演出の舞台『カリギュラ』(07年)、『ムサシ』(09年)では確かな演技力で表現者として多くの可能性を示した。映画『SURELY SOMEDAY』(仮)で監督に初挑戦。


>>桜丸役で時代劇初挑戦の田中圭インタビューはこちら
『TAJOMARU』

(C)2009「TAJOMARU」製作委員会

【ストーリー】
戦乱の世が近づく室町末期。次期管領職を約束された名門・畠山家の長男・信綱(池内博之)と、次男・直光(小栗旬)の仲を引き裂いたのは、大納言が遺した金塊をねらう八代将軍・足利義政(萩原健一)の一言だった。このままでは、畠山家の家督も管領職も、弟に持っていかれてしまうと焦った信綱は、阿古姫を襲い、力ずくで自分のものにしてしまう。それを知った直光は、すぐさま阿古姫を取り戻すが、兄を敵に回し、追っ手を放たれる身に。直光は「死ぬときは二人一緒」と、阿古姫を連れて逃げる。付き従ったのはわずかな家来のみ。幼少時代からの忠臣・景時(近藤正臣)と、幼い頃、屋敷に盗みに入って捕らえられ、直光に助けられて以来、畠山家の家臣として兄弟同然に育ってきた桜丸(田中圭)。しかし翌日には、景時は何者かによって無残に切り殺され、桜丸も行方知れずになっていた。

何不自由ない家柄に生まれながら、大盗賊「多襄丸」を名乗ることになった男。血肉を分けた兄、弟のようにかわいがってきた家臣、そして心の底から愛した女・・・。誰よりも信じていた者たちのまさかの裏切りによって一変した人生。どんでん返しに次ぐどんでん返し。ひっくり返る信頼と裏切り。見えない真実に翻弄される多襄丸が、最後にたどり着く場所とは?

監督:中野裕之
脚本:市川森一 水島力也
原案:『藪の中』芥川龍之介
出演:小栗旬 柴本幸 田中圭 やべきょうすけ池内博之 本田博太郎
松方弘樹 近藤正臣 萩原健一

公式サイト



関連写真

  • 小栗旬(C)石川拓也 
  • 小栗旬(C)石川拓也 
  • 小栗旬(C)石川拓也 
  • 映画『TAJOMARU』9月12日全国公開(C)2009「TAJOMARU」製作委員会 

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