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改編率45%! なにわの老舗ラジオ局が大胆な打開策に“待ったなし”

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 大阪・ABCラジオの『2009年夏の改編記者会見』が19日、大阪市内の同局で行われ1991年より放送された平日夜の人気音楽番組『ミュージックパラダイス』(月〜金 後10:00)の大幅縮小をはじめ、番組の打ち切りや放送時間の変更など、全番組のほぼ半数にあたる約45%もの改編を発表した。昨夏以降の未曾有の不況が、例外なくラジオ局の運営にも直撃しており、ローカルメディア色の強いラジオの良さが失われかねない非常事態が露呈した形となった。

 今回の大幅な改編について、同局編成部は「ここ数年は春と秋、それぞれで20〜30%台の改編率だったが、夜帯の番組では、長年続けてきた番組のリスナーを大切にしつつ、より若い世代のラジオファンを増やす施策として(キー局の)ネット番組を放送する形となりました」と説明。不況とは別に、インターネットをはじめとするメディアを取り巻く環境の変化などからラジオの広告収入が激減している点についても「他局と状況は一緒」としながらも「制作費が(自社制作番組打ち切りの)原因ではない」とした。

 だが、この大胆な改編には多方面から厳しい現実と嘆きが届く。ある在阪ラジオ関係者は「ここ数年、制作費の予算が半分に減らされたという話をよく聞く。それを踏まえると、身丈に合った形で番組を放送するのは今の状況を考えると仕方の無いこと」と語る。

 別のラジオ編成マンも、ラジオ界では異例とも言えるこの時期の改編に「10〜20代のラジオ離れが加速している分、若者向け番組への対応は迅速になっているのかもしれませんね」と分析した。

 ABCラジオでは今回、新たに携帯などモバイルメディアを駆使したコーナーに比重を置いた音楽番組『ミューパラ アグレッシブ』(毎週金曜 後9:12)を新たにスタートさせて、さらに平日の午前帯にはローカル情報番組で長年メイン司会者を務めた三代澤康司の『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』(毎週月〜金 前9:00)を新番組としてオンエアする。

 今回の改編はラジオ在京キー局の関係者の間でも「ここで一度パワーを溜めて、再び自社制作枠を増やせるように思い切った戦略をとった」と称賛する声もあるが、その一方で「確実にキー局でも大なたを振るって既存の番組を大幅にリストラする時期が、確実に近づいている」と、警戒心を強めている関係者も多いという。不況が叫ばれて久しいが、ラジオメディアがどのような路線でこの状況を耐えしのぎ、そして再び浮上するのか……今後の行方に注目が集まる。

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