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　タレントの田代まさしが29日、都内で『出所後2回目、2年ぶりの記者会見イベント』を行った。「事件を引きずらないように心がけてるけど、付いて回ってくるから、それを重々受け止めていきたい。元の世界には戻れないとも考えた」と自らを戒める田代は、出所から2年を経て「前には感じられなかったことを感じられるようになった。昔とは（生活の）レベルが下がったようだけれど、大切なものが逆に見えてきた」と心境の変化を明かした。

　2005年に覚せい剤取締法違反などで懲役3年6ヶ月の実刑判決を受け、2008年6月下旬に満期出所した田代は「出所後は大変でしたよ。刑務所に長く入ってると、出てもね、世の中の生活に慣れるまで時間がかかった」と振り返る。多額の借金の返済と社会復帰のために就職活動に取り組むも「『田代は犯罪者だから』って言われて採用されなかった」と世間の風当たりは厳しく、改めて己の犯した罪の重さを痛感したという。

　会見では過去の自身の事件を引き合いに、自虐ネタ全開のトークで笑いを誘いつつ、「笑いで勝負するのは難しいね」と嘆く場面も。「言い過ぎると『田代は全然反省してない』ってなるし、どこまでお笑いにしていいかが難しい。見る人の価値観でも違ってくるから」と、集まったファンの前で素直な思いも吐露した。

　それでも「こんな僕を使ってくれる人がいたから、応えていこうと思って、今に至る」と、電撃ネットワーク・南部虎弾らの声掛けによって、インターネットやCSのテレビ番組やラジオ番組への出演、音楽活動を展開中。未だ地上波番組といった表舞台に姿をみせることはままならないが、田代は「いい方向に考えてる。人生、ゆっくり進むことによって見えてきたものがある」とサングラス越しに前を見据えた。

　7月31日（土）には、田代に向けて、歌手・鈴木雅之や小野ヤスシら各界の著名人の叱咤激励のエールが綴られたコメント集『帰ってこいマーシー』が発売される。「みんなのこの温かい気持ちや、手厳しいコメントを含めて、全部が心に染みた。リーダー（鈴木雅之）なんて、素晴らしいことを書いてくれて、初めて見た時は涙が溢れた」と、ファンをはじめ、かつての盟友からの完全復活を望む声に感謝しきりだった。