今年10月に史上初めて八冠(竜王・名人・叡王・王座・棋王・王将・棋聖・王位)となった将棋の藤井聡太(21)が、出版にまつわるすぐれた表現活動を行った個人・団体を表彰する『第5回 野間出版文化賞』を授賞し、15日に都内で行われた贈呈式に出席した。 受賞理由は「プロデビュー以来、幾多の史上最年少記録を更新し続け、2023年10月、将棋界にある全タイトル八冠独占を達成。その活躍は出版界への影響も大きく、2020年にはスポーツ誌『Number』が創刊40年にして初の将棋特集を刊行。藤井氏が表紙を飾った同号は増刷を重ね23万部に。自身の対談本『考えて、考えて、考える』(元伊藤忠商事会長・丹羽宇一郎氏との対談)、『前人未到』(京都大学iPS細胞研究所名誉所長・山中伸弥氏との対談)のほか、監修書『藤井聡太の将棋入門』など子ども向けの将棋本や、関連書籍も多数刊行されている」となっている。 受賞のあいさつで藤井八冠は「近年では、対局が多く、動画中継されるようになったことに加えて、その中でAIによる形勢判断が表示されたことで、本当に多くの方に将棋を見て楽しんでいただけるようになりました」と広がりを感じているそう。「それによって、対局の差し手だけではなく、それぞれの対局者のバックグラウンドであったり、また対局中のお食事、あるいは和服など、本当にこのところにスポットライトが当たるようになったと感じています」という。