歌舞伎俳優の中村勘九郎（41）、中村七之助（39）が16日、大阪市内で行われた『姫路城世界遺産登録30周年記念 平成中村座 姫路城公演』（5月3日〜27日、兵庫県・姫路城三の丸広場内特設劇場）の取材会に出席した。

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　江戸時代の芝居小屋を模した『平成中村座』が関西に来るのは、2002年の扇町公園、2010年と15年の大阪城・西の丸庭園での公演以来。世界遺産登録30周年を迎えた国宝・姫路城で初開催となる。コロナ禍にメドがつき、勘九郎は「飲食もお酒も、大向こうも大丈夫」、七之助は「立ち見も復活させていいんじゃないか」と期待を語った。

　『平成中村座』は、勘九郎と七之助兄弟の父、十八代目中村勘三郎さんが誕生させたもの。2012年12月に勘三郎さんが57歳で死去後、兄弟らで大切に受け継いできた。そうしたなか、夢だったというのが姫路城での公演だ。

　父の死去からの約10年を振り返り、勘九郎は「皆さまの想像以上に喪失感があった」と明かし、周囲のサポートに感謝を込め「良いものをつくり続けなければいけない」としみじみ。七之助は「10年間突っ走った。その結果『平成中村座』が姫路に来ることになった。自信を持って父に顔向けできる」と力を込めた。

　姫路城公演では、第一部で「播州皿屋敷」「鰯賣戀曳網」、第二部で「棒しばり」「天守物語」を披露。「播州皿屋敷」と「天守物語」は姫路城ゆかりの演目。特に「『天守物語』といえば玉三郎のおじさまという作品」（勘九郎）だが、その坂東玉三郎（72）が演出を引き受けた。天守夫人富姫役の七之助は「ありえないことが起きた。姫路城のパワーを借りてやらせていただきた」と意気込んだ。