本格的な梅雨入りを迎え、毎日しとしと降る雨にわずらわしさを感じる人も多いのでは? しかし、現実の世界とは一転、ジーン・ケリーの『雨に唄えば』をはじめオードリー・ヘップバーン主演の『ティファニーで朝食を』のラストシーンなど、映画ではこの“雨”を効果的に使うことで名シーンを演出している。雨がもたらす心理的効果と映画の関係とは。 降りしきる雨の中、傘もささずにキスをする二人。街でそんな光景に実際に出くわすことは滅多にないが、映像として盛り込むことでどのような効果が生まれるのだろう。『雨降りの心理学―雨が心を動かすとき―』(燃焼社/2010年刊)の著者であり、現在、聖学院大学で准教授として研究を続ける藤掛明氏に話をうかがった。
2012/06/16