若手俳優の登龍門でもある平成仮面ライダーシリーズ。『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)の佐藤健、『キバ』の瀬戸康史、『ディケイド』の井上正大と、ここ3作の主役はいずれも今年の新成人だ。『キバ』の加藤慶祐に『ディケイド』の村井良大と、準主役の2人もそう。 『電王』で気弱な主人公を演じコア層に絶大な人気を獲得した佐藤は、昨年のヒットドラマ『ROOKIES』(CX系)『ブラッディ・マンデイ』(TBS系)に出演し、一般層のファン獲得に成功した。1月スタートの新ドラマ『メイちゃんの執事』(CX系)では、水嶋ヒロに次ぐ男性2番手。水嶋も『仮面ライダーカブト』の主役だったが、既にそのイメージから完全に抜けており、佐藤も同様に俳優として確かなポジションを築きそう。瀬戸も『キバ』と並行してドラマ『恋空』(TBS系)でメインキャストを務め、かわいらしい外見で“オトメン(乙女チックな男子)”といわれていたが、20才になったこの1年で精悍さを増し、大人の顔を見せた。 もう1つ、登龍門的存在として知られるのが『ジュノン・スーパーボーイコンテスト』。新成人では木村了、石黒英雄、三浦翔平が出身。木村はドラマ・映画『赤い糸』(CX系)で明るいお調子者から一転、彼女にDVをふるう豹変ぶりまでを熱演し、役者として著しい成長を見せた。石黒、三浦は人気ドラマ『ごくせん』(NTV系)で共演している。その他、ドラマ『ケータイ捜査官7』(TX系)主演の窪田正孝とドラマ・映画『赤い糸』に出演中の柳下大も新成人組。 こうした世代の中で異彩を放つのが濱田岳と中尾明慶。イケメンとはいえないが、逆にそれが武器になり、濱田は『プロポーズ大作戦』(CX系)『太陽と海の教室』(CX系)でその存在感を見せ、中尾も『ROOKIES』で活躍。競争の激しいイケメン枠から外れたところでポジションを確立したのは、20代以降の役者人生に大きなプラスといえそう。名バイプレイヤーとして期待が掛かる。 ドラマ『ごくせん』や『ROOKIES』『メイちゃんの執事』、映画では『クローズZERO』('07)など“イケメン俳優大挙出演”的な作品がヒットするなか、その多くは学園モノ。新成人組も仕事では、しばらく制服を着続けることになりそう。
2008年を彩った女優といえば宮崎あおいを筆頭に上戸彩、綾瀬はるか、上野樹里、蒼井優、石原さとみら85・86年生まれの世代。87年組の長澤まさみを経て、今年は新成人組にその期待が掛かる。 中でもトップランナーといえるのが、堀北真希、新垣結衣、戸田恵梨香。月9主演も果たした堀北は写真集でセミヌードも披露し、大人路線への舵取りを着実に進め、役幅に広がりをみせる。映画『恋空』('07)の印象が強い新垣は、ドラマ『コード・ブルー』(CX系)の医師役で新境地を開き、秋公開の『BALLAD 名もなき恋のうた』での姫役も楽しみ。戸田は成人式を見据えた『京都きもの友禅』のCMに昨年から出演してきた効果で、ハタチのタレントの代表として浮かぶ。長編初主演となる映画『恋極星』(今春公開予定)、映画『アマルフィ 女神の50秒』と注目作の公開を控えている。 この3人に迫る勢いをみせるのが、NHK朝ドラ『つばさ』に主演する多部未華子。もともと映画での実績は十分で、連ドラに進出してコミカルな演技も見せたが、本来の持ち味であるナチュラルさが『つばさ』で全開されそう。同じく映画出演の多い佐津川愛美も、ドラマでの活躍が待たれる。グラビアで人気だった高部あい、近野成美の今後の女優展開にも期待したい。 透明感のあるビジュアルで人気の藤井美菜は、オーソドックスな美人女優の系譜。また、20才にして既に独自の存在感をまとうのが、黒木メイサと吉高由里子だ。黒木は大人びたエキセントリックな美形ゆえ、10代の頃も高校生役はほぼ無縁だったが、その分、年令を重ねるごとに本領がどんどん発揮されるタイプだ。主演映画『蛇にピアス』、ドラマ『太陽と海の教室』で注目された吉高は、舌っ足らずな話し方とも相俟った小悪魔っぽさが魅力。独自の路線を開拓しそう。 グラビアや学園ドラマで初々しい制服姿を披露してきた新成人組。宮崎あおいがNHK大河ドラマ『篤姫』で既存のイメージを覆したように、“脱・アイドル”を目指した作品選びは今後の活動路線の大きな鍵を握るといえそう。
(文:斉藤貴志)
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