――初共演ですね。撮影に入る前と後でお互いの印象は変わりましたか?
【マイコ】 テレビで拝見していて、すごくさわやかな方だなと思っていたんですよ。実際にお会いしてみると、誠実で明るくて、現場を盛り上げてリードしている印象がありました。もうプロだなと。現場での姿勢とかホントに勉強になりました。
【小池】 そんなことないですよ(笑)。(マイコさんは)初めはおとなしい方かと思っていたんですけど、話をしていくうちに、徐々にこりゃ違うぞと。なんか普通じゃないっていう印象が強くなって(笑)。例えばガンダム事件。撮影現場にガンダムのマンガが全巻置いてあって、僕ら1巻から読み始めたんですけど、ある時点で、8巻がないぞ、誰がもってんだって騒ぎになったんです。そうしたら「私もっていました〜」って。犯人だったんですよ。なぜかマイコさんは8巻から読み始めていて・・・。
――なぜですか?
【マイコ】 私の記憶がたしかならば、1巻がなかったからです。
【小池】 (笑)じゃあ、2巻からでしょ。
――お互いの直してほしいところや気になったことは?
【マイコ】 ないですよ、まったく。ホントにすばらしい方です。現場でも小池さんの周りにいる方ってみんな笑顔で、それってすごいことだと思います。
――小池さんは?
【小池】 そうですね。ちょっと思ったのは、(撮影用の)現場バッグがかぶったことですかね(笑)。まったく同じメーカーのバッグを、ふたりでお揃いでもってきていて。僕は、この映画から新しいバッグにしたんですけど、そうしたらまったくのドンかぶりで、色違いだけだったんですよ。
【マイコ】 私も同じく、この映画用に気合を入れて新調したバッグなんです。
【小池】 それで、周りになんかヘンな誤解を生むんじゃないかなっていうことだけが・・・。
【マイコ】 (笑)すみませんでした!
【小池】 (笑)いえ、おもしろかったです。すごい偶然ですよね。

――マイコさん演じる中西さんは恋愛一直線。『山形スクリーム』(2009年)で演じた女性教師も近い部分はありますね。
【マイコ】 そこは、自分にはない部分だったりするので、演じていておもしろいですね。日常ではできないことなので(笑)。中西さんは、ひとつのことにしか集中できなくて、ある意味、起用じゃないところとかは自分に似ているかなと思います。“変わりたい”という気持ちをもっているところは共感できますね。それは、誰しもがどこかにもっているものかもしれませんが・・・。
――中西さんは、失恋してちょっとおかしな行動をとったり・・・。そこも共感!?
【マイコ】 私は、ああいうふうにはならないですね(笑)。でも、こういう方もいるんだな〜って。
【小池】 ちょっと似たとこは・・・。
【マイコ】 あるんですか?自分ではぜんぜん自覚していないんですけど。
――撮影で一番苦労したことは?
【小池】 セットでの撮影は、ずっと会社の場面になるので、朝から夜のシーンまで1日中そのなかで撮っていて、疲れている芝居を続けていると本当に自分が疲れている気がしてきたりして。みんながどよ〜んとした空気になってくるんですけど、そのへんが、後半になってくるとけっこうきつかったですね。いい意味でいえば、リアルな疲れ感が出たのかなって思いますけど。
【マイコ】 私も同じで、朝方までの撮影が何度かあって、やっぱり疲れが出てくるんですけど、それはいい方向にお芝居に利用して。デスマ(※)もリアルにみえたんじゃないかと思います。あと、現場初日が病院での撮影で、環境も慣れていないし、時間にも限りがあるし、後半の重要なシーンなので、緊張の連続でしたね。
【小池】 そんなふうにはまったくみえなかったのが、すごいところ(笑)。
【マイコ】 いえいえ、けっこういっぱいいっぱいでした。

――緊張を和らげるためになにかした?
【マイコ】 小池さんと話をして。趣味はなに?とか普通のことを(笑)。
――マイコさんは、小池さんが緊張している姿をみた?
【マイコ】 小池さんから緊張なんて、ぜんぜん感じないんですけど。でもやっぱりマ男さんの思いを吐き出すシーンでは、気持ちをすごく高めているんだなっていうのは、感じましたね。集中されているんだなって。
【小池】 僕自身は、いつも緊張していますけど・・・(笑)。
――緊張を和らげるためのプライベートでの気分転換は?
【小池】 自転車が好きでいつも乗っているんですけど、最近だと、部屋の匂いをよくして、癒しの空間にしたいなと。たまたま立ち寄った店に、すごいいい匂いのする芳香スプレーがあって。毎朝起きて、部屋のなかをシュッシュッとやって、いい匂いにするのが最近ものすごく好きです。バニラっぽい感じのあまい香りです。清々しい気分になります(笑)。
【マイコ】 最近、韓国料理にハマっていまして、インターネットで探したり、友人たちから情報収集をしたりして、食べに行っています。(辛いもの好き?)ずっと苦手だったんですけど、なぜか急に食べられるようになりまして(笑)。辛いものがおいしい料理屋をいろいろ探しています。
――最後に今作への思いを。
【小池】 話をいただいたときは、タイトルがすごいのでどんな映画なんだろうって思っていたんですけど・・・。台本を読んでみると、そんなに重い話ではなくて、明るくて笑えるエピソードだったり、泣ける要素がすごくつまった映画だなと思いました。会社内だけで話が進んでいくだけではなくて、CGを使うようないろいろなシーンがあったり、賑やかに楽しめる映画じゃないかな。
【マイコ】 まずタイトルが長いなと(笑)。ストーリーを読んで思ったのが、会社を舞台にした映画ではあるんですけど、ブラック会社っていうあまり一般的になじみがないものをテーマにするところがすごくおもしろいなって。私も楽しみながら台本を読みました。笑える部分がすごくあって、私はマ男さんにいろいろ共感できる部分があったのでハマりました(笑)。
――マ男みたいなタイプの男性は?
【マイコ】 一生懸命になにかに取り組む方ってすごく魅力的だと思います。
※デスマ:デスマーチの略。不眠不休の過酷な残業が続くこと。
(写真:原田宗孝)