モデル、タレントとしてエンタメシーンで大活躍中の佐々木希。本格的な女優業への初挑戦になる今回の『天使の恋』での映画主演だが、最初に話を受けたときは、「自信はないですし不安で・・・。できないですって断ろうと思いました」。そんなところからのスタートだった今作では、映画が完成し、こうしてインタビューを受けるまでに、さまざまな葛藤や苦悩があったようだ。 「最初は、(演技の仕事を)やりたいかどうかすらわからなかったんです。これまでモデルとしてお仕事をしてきたので、正直、不安もあってなかなかその外に踏み出せなくて。今回、主演というお話をいただいてから、1週間くらい関係者の方々と話し合いをして、最終的に寒竹(ゆり)監督とお話をさせていただいたら、すごく熱い気持ちが伝わってきて、やってみようと思いました」 決心をすると、演技の経験もほとんどないなか、1からのスタート。撮影に入る前の1ヶ月半は、ほかの仕事も押し寄せる多忙なスケジュールのなかで、寒竹監督のレッスンが毎日毎日行われた。そのなかでは、厳しい演技指導に涙に暮れる日も・・・。 「わからないことばかりだったので、監督に1つひとつ教えていただいて。けっこうコツをつかむまでが大変で、つらいこともたくさんありました。(泣いたこと?)ありましたよ。つらいというよりも、できない自分への悔しさで・・・。ちょっとトイレに行ってきますっていって、トイレで泣いていました(笑)。でも、この1ヶ月半のレッスンは、いま思うとホントに大事な時間だったなと思います」 ファッション界でトップの座に立つモデルのひとりである佐々木。そこへの過程では熾烈な競争のなかに身を置き、さまざまな思いを抱えてきたことだろう。それを乗り越えてきた佐々木は「演技とはまったく違うジャンルだし、演技はいまだにわからない部分がたくさんあります」としながらも、その表情には、控えめな語り口のなかに、主演という大役を終えて身に付けた自信を漂わせる。現場で苦労したことを聞いてみると、意外に余裕のある答えが・・・。 「寝る時間がなかったこととか(笑)。撮影以外のお仕事もあったのでけっこうハードスケジュールで・・・。気持ちの切り替えも大変でした。撮影自体は、監督のレッスンのおかげで万全の状態で臨めたと思います。いままでやってきたことをスムーズに出せました」 佐々木に白羽の矢を立て、当初出演を悩んでいた彼女を口説き落とした寒竹監督(27)は、これまでにCMやミュージックビデオなどを手かげてきている。今回が初の長編作品となるが、岩井俊二に師事し、熊澤尚人の助手などを務めてきた、その流れを汲む寒竹の長編第1作への注目度は高い。そんななか、理央(佐々木希)と光輝(谷原章介)の切なく儚い思いを、独特の明るさ、光のある瑞々しい映像美で描き出し、見事にその期待に応える手腕を発揮している。とくに、ストーリーがふたりの物語に入ってからの、佐々木が演じる理央のかわいらしさを自然な姿のなかで最大限に引き出す、繊細できめ細かな演出は(映画館でのデートや図書館でのシーンなど・・・)、この先の寒竹監督のオリジナル作品への期待を抱かせる。 「恋愛したら真っ直ぐというところはけっこう共感しますけど、あそこまで積極的にはなかなか恥ずかしくてできないです(笑)。でも、前へ前へという気持ちはありますね。私も10代のころは、その年齢ならではの悩みは抱えていましたし・・・。人になかなか自分の悩みをみせることができないこととか。でも、援助交際はさすがにわからないですね。経験したことがないので」
今回の高校生役で久しぶりに着たという学生服について聞いてみると・・・。 「もう、恥ずかしいです。21才ですよ、いいんですか?って思って(笑)。照れくさいです。10代のころは、モデルのお仕事で制服を着る機会もありましたけど、最近はぜんぜんないですね(笑)。女子高生を演じるということでは、テンションを上げめにしたり、自分の学生時代を思い出したりしながら、いかに若くみせるかを考えていました」 これまでお芝居の世界にはあまり関心をもっていなかった佐々木。完成した作品を観て、自身の演技への反省がいろいろあるとするが、今回の大役を終えたいま、そこへの気持ちにも変化が表れている。 「映画の世界に入ってみて、モデルのお仕事とは違うことがたくさんあって、新しいことをいろいろ学ばせていただきました。いままで演技に対して抵抗があったんですけど、それがなくなってきて、もし機会があれば、またやってみたいという気持ちがあります。つらいこともたくさんありましたけど、それはプラスに考えようと思っています」 つらかったときを乗り切ったのは“気合”だったという。その撮影をいま振り返ると「新鮮で楽しかったです」と笑顔をみせ、まだその余韻が残っている様子。この先やってみたい役については「まだわからないです」。きっとまた別の作品でスクリーンに映る佐々木の姿をみかける日が、すぐにくることだろう。 (インタビュー写真:逢坂 聡)
佐々木希
P R
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