――『しんぼる』拝見させて頂きましたが、監督第1作目の『大日本人』とは、全く異なる作品ですね。
【松本】 そうですね。まずは“密室劇”をやりたいなっていう考えが初めにありまして。あと、やるからには1本目とは全く違う作品にしたいという思いも最初からありましたね。常に今までに無かったモノをということを念頭においてますし。もし、3本目を撮る機会があれば、また全然違う作品を、とは思いますね。とにかく、あまり統一性のない作品を作りたいんですよ。
――これまで松本さんは、テレビを中心に“今までに無かった笑い”を提示されてきました。1作目にも言えますが、畑の違う映画というフィールドで、“今までに無かった作品”を生み出すのは相当苦労したのでは?
【松本】 そうですねぇ。できる事ならやらずに終わりたいというか(笑)。
――アハハハハ!できれば避けて通りたかったと(笑)。撮影中も苦労が絶えなかったですか?
【松本】 けっこう立ち止まるんですよ、ボク。「あ、今凄い良いモンが撮れてるぞ!」って思うときもあれば、「あれ?なんか変な方向に入り込んでるんじゃないかな?」っていう時もあるし…。長い期間やってれば、いろんな感情が入り混じりますよね。
――ただ、一旦“スイッチ”が入ってしまうと、止まることもなかなか難しい。
【松本】 うん、難しい。ホンマ難しいですよ。
――今回、『しんぼる』を観て最初に感じたのは、果たしてこの作品はコメディといえるのか?ということでした。
【松本】 ほうほう。
――確かに場面場面でコメディ要素が強い部分はありますが、全体的に観ると非常に哲学的で、観る側に考えさせる部分が強い。
【松本】 なるほど……うーん、何なんでしょうね。自分でもわかんないですもん(笑)。確かに“コメディ作品”という括りは出来ないかもしれんかなぁ。ようは、さっきも言ったように、ジャンルのわからんモンなんですよ。
――ラストに進むにつれ、監督・松本人志の“衝動”がどんどん加速していきますよね。いつごろ最終的な結末を考えたんですか?
【松本】 これが、けっこう本人もわかってなくて、どのあたりで最終的なオチを考えたのか。7割くらいできてからかなぁ。まぁ自転車操業みたいな感じですよ(笑)。役者さんも自分以外、出演してないんで。
――前半の白い壁に閉じ込められているシーンで大笑いしましたが、外国人に方が観ても理解しやすい笑いを意識していたのでしょうか?
【松本】 密室劇なんで、会話する相手もいないから、自然と言葉がはしょられていった。ボクも思ったんですよ。「あ、これ喋り様が無いな」って(笑)。形としてアクションのみでの笑いになってるんで、外国の人がどんな印象を持つのか興味はあります。あと、子供のお客さんの反応とかも。
――子供の反応ですか!?それは意外というか(笑)。
【松本】 いや、マーケットを広げていこうかなって(笑)。