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あの任侠漫画家が一念発起で“萌え”を追究 「何枚も描く!それで見えてくるものがある」

硬派な画風と細部まで分析された渾身の美少女画の比較

硬派な画風と細部まで分析された渾身の美少女画の比較

『代紋TAKE2』『三億円事件奇譚 モンタージュ』など、いわゆる極道や反社系キャラがふんだんに登場する硬派な作風で知られるベテラン漫画家・渡辺潤先生。2019年現在で50歳、失礼ながら立派な「オッさん」作家がいま、なぜか熱心に「萌え」を研究しているとTwitterで話題だ。いったいなにが起きているのか? さっそく先生ご本人にその真意を直撃した。

説得力のある“萌え画”解説に原作ファンもうなる

「#オッさん漫画家の萌え探索」というハッシュタグをご存知だろうか。これは漫画家・渡辺潤先生のTwitterから生まれたもの。渡辺先生とは、『週刊ヤングマガジン』(講談社)で15年間の連載を飾った『代紋TAKE2』(原作・木内一雅)の作画を担当していた。『代紋TAKE2』完結後も、『RRR』(ボクシングもの)、『三億円事件奇譚 モンタージュ』(ミステリもの)、『クダンノゴトシ』(ホラー)、『デガウザー』(ムー要素込みサスペンス)と意欲作を連続して発表し、およそ30年のキャリアを誇る、堂々たる人気漫画家だ。しかもその作品のほとんどは、ヤクザや反社風な人々の個性が際立つ、非常に硬派なもの。その渡辺先生が、あえて「萌え」を探求する。
 扱われるのは『まどか☆マギカ』や京アニ作品、『らき☆すた』『めぞん一刻』、さらに手塚治虫先生や吾妻ひでお先生などなど、まさに膨大な「萌えアーカイブ」たる作品群。本業(もちろん連載作品の制作)の息抜きなのか「#オッさん漫画家の萌え探索」の発掘結果がTwitterなどに新規イラストとして投稿されるたびに、様々な反応を界隈に呼び起こしている。
「極道」イメージと「萌え」というギャップに加え、幅広いアニメやコミック作品群から「萌えキャラ」を的確に抽出し、その根源的な魅力を模写から探ろうとする真摯な姿勢に、従来のファン層とはやや異なる若い女性層などからの注目も大いに集まっている。

 この「萌え」分析、2019年12月の時点ですでに1年以上も継続されている。ちなみにシリーズの発端は『けいおん!』秋山澪から。基本的に、キャラクターの模写の1枚絵+その中に手描きで書き込まれる分析コメントで構成され、そのコメント群がいずれも対象への愛情があふれるものになっているのが特徴だ。たとえば「共通する後頭部の丸み」「ネコ目に三白眼は怖がられるのに必要か(君に届けの爽子)」「綾波レイは鼻と口が近い。ジブリと逆!」「マスコットキャラ的な指は愛しやすい(らきすたのこなた)」など、どれも独自の着眼点からの説得力ある分析となっている。それらの投稿に対して一般ファンなどからは、「上手いし綺麗だし可愛い」「さすが」「見る目の解像度が違う」「単行本化を希望」「読み取ってる情報量が段違い」「別ジャンルへの柔軟さや謙虚さが素晴らしい」「プロはインプットも凄い」といった驚嘆の声が寄せられ続けている。

提供元: コンフィデンス

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