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『長生きみそ汁』著者に聞くヒットの秘訣 臨床と自身の経験が生み出すベストセラー

 現在ロングヒット中を記録している『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム刊)。現役の医師でありながら多数の著作を発表し続けている著者の小林弘幸氏は、一体どのような発想で本を書き続けているのか。ベストセラー誕生の秘訣に迫った。
小林弘幸氏の著作・監修作品 売上TOP10

私の外来に来られない、 遠方の人たちの助けになれば

  • 小林弘幸『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム刊)

    小林弘幸『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム刊)

 昨年6月に発行された『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム刊)が42万部を超えるロングヒットを記録している。著者は、自律神経研究の第一人者である順天堂大学医学部教授・小林弘幸氏。これまでにも別表の通り、音楽療法やストレッチ、塗り絵などで自律神経を整える、や、腸内環境を整える食材やストレッチを提案するなど、さまざまなアプローチでベストセラーを多数手がけてきた。大学教授として研究や論文執筆、学生への指導を行う傍ら、大学病院などで臨床も行っている小林氏が一般向け執筆し始めたのは、「私の外来に来られない、遠方の人たちの助けになれば」という思いから。その言葉通り、「お手紙をいただくことがあるのですが、たった1冊の本で救われる人がいるのだということを実感しています」という。
 初の著作は、自律神経のコントロールについて書いた『なぜ、「これ」は健康にいいのか? 副交感神経が人生の質を決める』(サンマーク出版刊)。発行は2011年4月。折しも東日本大震災直後、頭痛やめまいなど原因不明の疾患を訴える人々が増え、自律神経の乱れが社会問題となる中での出版だっただけに広く注目を集め、36万部を超すヒット作となった。

「僕の場合、他人が言っていることや、他人が行った実験データを基にするのではなく、すべて大学院で自分たちが行った実験データを基に執筆していることが受け入れられている大きな要因かもしれません。大学院は常に新しい研究テーマが出され、いろいろな情報が入ってくる知識の宝庫。さらに臨床医として、患者さんたちがどんな悩みを持っているのかも日々聞いていますので、本にしたいと思う企画は常に50個くらいあります」

 これまで培った膨大な知識に加え、新たな実験データを基に現代人のリアルな悩みに応える健康法を提案している小林氏。その手法は『長生きみそ汁』にも存分に生かされている。

苦労してきたからこそ 人の心に届く本が書ける

  • 著者の順天堂大学医学部附属 順天堂医院 総合診療科・病院管理学 教授 小林弘幸氏

    著者の順天堂大学医学部附属 順天堂医院 総合診療科・病院管理学 教授 小林弘幸氏

 きっかけは、医師である奥様から毎日、みそ汁を“飲まされるようになった”ことだった。それまで外食が多かった氏は2〜3週間経った頃、一気に体調が良くなったことを実感。常日頃、患者から「何を食べたらいいか」と質問されることが多かっただけに、日本を代表する発酵食品のみその価値に改めて注目。さらに長年の研究成果を基に、試行錯誤の末、赤みそ、白みそにおろし玉ねぎ、リンゴ酢を加えた、自律神経と腸を整え、しかも美味しい最強の料理“長生きみそ汁”を完成させた。

「僕は単に新しいものを提案するのではなく、今まであるものの実績を検証しながら、さらに新しいものを発見するのが一番奥深い実験だと考えています。みその利点は、日本に根付いた素材であり、日本全国どこでも手に入ること。コンビニもないような田舎で手に入らない素材を提案しても仕方ありませんからね」

 その根底には氏ならではのこんな哲学もある。

「僕は埼玉のド田舎で育ち、高3で母を病気で亡くし、大学6年のときはラグビーで大けがを負いました。決していい環境ではなくこれまでやってきた。だからこそ、今、本が書けているのだと思います。自分が苦労して、常に克服しようということを考えて生きてきたからこそ、その手法が、皆さんの心に響く基になっているのかもしれません」

 ストレスフルな現代社会、次はどんな視点から悩める現代人の“生きる”をサポートする本を送り出してくれるのか、期待したい。

文/河上いつ子
※部数はすべて推定累積売上部数

提供元: コンフィデンス

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