天皇一家を60年記録する民放番組『皇室アルバム』制作者が語る、時代とともに変わる皇室とメディアの距離感
民放最長寿のレギュラー番組『皇室アルバム』DVD&Blu-ray化
放送初期はゴールデンタイムの夜9時台に放送されていたことが記録に残っており、20%前後の高視聴率だったという。一方、番組をスタートさせたものの、テレビ取材はまだまだ難しく、皇室の方々がほとんど登場しない回もあった。皇室の周辺を取り上げる「皇居のおまわりさん」とタイトルが付けられた回からも、当時の苦労がうかがえる。
皇室報道は取材時間が制限されている場合も多く、『皇室アルバム』ならではの制作ノウハウも築いてきた。長年、10年近く番組に携わる毎日映画社の取締役報道制作本部長・木村将彦氏は「カメラポジションは各社横並び。基本的に撮影できる場面は同じですが、『皇室アルバム』では独自の映像をお届けできていると自負しています。例えば、両陛下をツーショットで撮るか、寄ってワンショットがいいかなど、撮影スタッフは、ご表情やその場の状況を瞬時に判断し、限られた撮影時間のなかで必要なカットを切り取ることに長けています」と説明する。
また皇室取材では通常、皇室の方々にピンマイクをつけたり、インタビューマイクを向けることはできない。「遠距離から指向性が高いマイクを使用しても、音を録ることには苦労が伴います。薄い音を起こしながら、フォローのテロップを入れ、できる限りお伝えしています」と堀チーフ・プロデューサーは語る。