『今日俺』それぞれの持ち味が活かされた14人の若手俳優、19年飛躍へ高まる期待
地上波ドラマで持ち味を発揮したメインキャスト陣
三橋の相棒の伊藤真司を演じたのは伊藤健太郎だ。今作のキャスト陣は、キャラクターによって「振り切る人」と「抑える人」に別れていたが、伊藤は後者で、三橋との対比でよき相棒感がにじみ出ていた。伊藤は『アシガール』(NHK総合)のスペシャル版も放送されたばかり。12月からも『この恋はツミなのか!?』(TBS系)に出演するなど、作品を重ねてしっかりと経験を積みながら、一段ずつ実力派スター俳優へのステップを上っている。
Wヒロインの赤坂理子役の清野菜名と早川京子役の橋本環奈も、この作品で持ち味を引き出された2人だ。清野は優等生なキャラクターながら、本人の得意なアクションを思う存分、地上波ドラマで披露。橋本は、これまでにも福田作品の『銀魂』シリーズで、そこまでやるかと思わせるくらい、コメディエンヌとして活躍してきたが、こちらも地上波ドラマでその思い切りのよさと女優魂を見せつけた。
それぞれの個性をにじませ、メインに勝るとも劣らない印象を残した端役俳優たち
悪の巣窟・開久高校の片桐智司役の鈴木伸之、相良猛役の磯村勇斗も最後までドラマの重要な部分を担った。鈴木は、『ろくでなしBLUES』(日本テレビ系)に始まり、『GTO』『水球ヤンキース』(フジテレビ系)、『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)まで、学園ものには欠かせない存在だった。
一方の磯村は、『仮面ライダーゴースト』(テレビ朝日系)に出演の後、NHK朝ドラ『ひよっこ』でヒロインの恋人に抜擢され、誠実でさわやかな好青年役を最後まで貫いていた。また『デイジー・ラック』(NHK総合)でも、姉の親友と恋に落ちる役を演じていたが、穏やかなイメージが強かった(この作品には鈴木も出演している)。しかし今作では、これまでの役からは想像もつかないほどの謎めいた、そして狂気を秘めたツッパリ役を演じて、こんな顔も持っているのかと思わせた。そんな役でもどこか優雅さがにじむのが、彼にしかない魅力ではないだろうか。