来年30歳の西野カナ、“若者のカリスマ”紆余曲折の10年 「激動だけど、充実していた」

20代が終わってしまう寂しさはあるけど、30代への期待の方が大きい

――『mint』にはプライベートな心境を綴った新曲も収録されていますよね。「Mama」は初めて母親をテーマに書いていますが、どうして今、このタイミングでしたか。
西野 やっぱり、この歳になったからかなって思います。普段照れ臭くて、なかなか素直になれないことが多いんですが、ふと、今描きたいなと思って。自分も歳を重ねると、もちろん親も歳をとってきて。今まではお母さんって言ったら本当に大きい存在だったけど、逆にお母さんから甘えられるようになったり、そういうのが可愛く見えたりして。社会人になってから、私から誘って旅行に行ったこともあったし。そんな思い出も交えながらできた曲ですね。

――今はどんな存在になっている?
西野 自分を育てて、導いてくれた、すごく偉大な存在なんだけど、時々、娘みたいに甘えるようになって。不思議な感じ。なんだか、可愛いと思う時があるんですよね。

――誰にも言えないことを泣きながら相談していた時期もありますよね。
西野 あります。でも、だんだん女の人はしっかりしてくるから。それに、頼ってもらったりすることが嬉しかったりするんですよね。

――そして、「25」「27」に続く、実年齢シリーズとして、「29」が。
西野 29歳は、最後の20代だからって意気込んでいたんですよ。でも、いざ意気込んでみても、何をしたらいいかわからず(笑)、普通の毎日を送ってきて。ただ、20代が終わってしまう寂しさはあるけど、30代への期待の方が大きくて。周りの人に「30代が一番面白いよ」って言われていたのも影響しているんですけど、1回、リセットできるような感覚もあって。30代に向かって、楽しく進んでいきたいなっていう曲ですね。

来年3月に30歳、若者との世代感の違いを感じる

――若者との世代感の違いについて書かれた歌詞があります。
西野 好きなミュージシャンやドラマの話が通じなかったり、自分が「え?〜知らないの?」って言われていたことが、逆になってきた衝撃があって(笑)。私もそんな年齢になったんだなって思います。

――若者のカリスマで、平成生まれの歌姫と称された方が、そんなフレーズを歌うことにこちらも衝撃を受けました。
西野 “平成”も終わっちゃいますからね。デビュー当時は、“平成生まれがきた!”みたいなインパクトがあったのに、平成生まれも30歳になって。自分でも衝撃的ですが、もう25歳くらいから若者じゃないって感じていました。だって、23歳ぐらいの時に、道端で出会った高校生に「あ、西野カナ。思ったより若いね」って言われて。でも、ティーンの子からしたら、23歳でも十分大人なんですよね。

――20代はどうでした?名古屋の大学に通いながらの活動でしたが。
西野 楽しかったですし、最高でした。大学に通いながら活動していた頃は、東京と名古屋を毎日行き来して、今考えたら絶対にできないような大変な生活を送っていました。あんな体験ってなかなかできないから、良い人生の経験になったなって思うし、学生時代が一番楽しかった。今ももちろん楽しいけど、学生時代の友達に会うと全然変わってないことが嬉しくて。それは、学生時代が最高だったっていうことだなって思いました。体力的な辛さはあったけど、学校には行ってよかったと思います。

――10周年を経てこれからはどう考えていますか?
西野 全然想像つかないですね。今までも先のことは想像つかなかったので、その時その時に思うように生きていくと思います。30代は元気もあるし、ある程度の知恵もついているはずなので(笑)、賢く元気にいきたいなと思います。

(文/永堀アツオ)
西野カナ オフィシャルサイト(外部サイト)

提供元: コンフィデンス

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