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“講談界の風雲児”神田松之丞って? 冠ラジオ番組が話題、爆笑太田など業界人らも熱視線

 史実を元にしているせいか、落語に比べて難しいイメージを持たれがちな伝統芸能、講談。長年低迷が続いていたが、35歳で二ツ目の若き講談師・神田松之丞(まつのじょう)の登場によって人気が再燃。明治以来「100年ぶりの講談ブーム到来」とも言われ、巷を賑わせている。そんな“講談界の風雲児”は現在、ラジオパーソナリティとしても一目置かれる存在となっている。彼のラジオ番組が講談の普及、人気拡大の一端を担っていると言っても過言ではない。

ラジオ番組を介して“講談師・松之丞”の名刺を配っているような感じ

 高校時代から落語に親しんでいた松之丞は、大学生になると講談に魅せられ、07年11月に24歳で三代目神田松鯉(しょうり)に入門。12年6月、29歳で二ツ目に昇進した。キャリア11年にして持ちネタは140超え。真打昇進を前に独演会のチケットは即日完売する人気ぶりで、「今、一番チケットが取れない講談師」という枕詞もややお馴染みの感がある。高田文夫や笑福亭鶴瓶、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、爆笑問題の太田光など、業界内の評価も高い。そんな彼がパーソナリティを務めるTBSラジオ『神田松之丞 問わず語りの松之丞』(毎週日曜23:00)は、本業の講談同様、たった1人で喋りまくる30分番組だ。
 単発放送を経て、17年4月にレギュラー化。一時中断や放送日時の変更がありながら、今年4月より現在の日曜23時の放送となった。番組では同じく伝統芸能・常磐津の世界で活躍する「笑い屋シゲフジ」の合いの手ならぬ“笑いの手”を挟みながら、日々の愚痴や愛のある悪口など、コンプライアンスの厳しい昨今、リスナーが心配になるほどの本音トークが炸裂している。

「僕は今、35歳。だからこそ今は愚痴や悪口を言ったりしていますが、40歳でそれを言っていたらバカですよね(笑)。でもバカだからなぁ、70歳でも愚痴や悪口を言ってるかもしれないです(笑)。とはいえ僕は年齢で区切りをつけて考えるタイプで、このスタイルはある程度の歳で終わる期間限定のものだと思います。50代は偉くなる予定なので(笑)、偉い奴が年下をこきおろすなんて、そんなのは嫌ですから。あ〜でもやってそうだな(笑)。アイツは老害だとか今ラジオで言ってますけど、自分もそうなるという壮大なフリとオチで、どうなるか全く分からないですね」(神田松之丞/以下同)

 今年は本業の高座に加え、TBS系『この差って何ですか?』や『サンデージャポン』、フジテレビ系『ダウンタウンなう』、テレビ朝日系『報道ステーション』といった、バラエティやニュース等のテレビ番組をはじめとするメディア出演、各界のクリエイターとコラボレーションした舞台やイベントへの出演、細田守監督のアニメ映画『未来のミライ』では声優も務めるなど、実にひっぱりだこの1年だった。また、10月末には『Pen+ 完全保存版 1冊まるごと、神田松之丞』(CCメディアハウス)と題したムックが出版されるなど、その人気と勢いはますます加速している。抜てきがなければ真打になるにはまだ少々時間を要するが、昇進を後押しする声も各所で聞かれる。
「以前、僕のラジオを聴いた医学関係者からのオファーで、栃木で開催された最先端医療の講演に呼ばれて講談を披露しました。本来なら医療の講演で講談をやるって、おかしいじゃないですか(笑)。ラジオがつないだ縁ですよね。そこで講談に興味を持ったお客様に高座にお越しいただいたりして。ですから、ラジオで“講談師・松之丞”の名刺を配っているような感じです。おかげさまで高座にいらっしゃるお客様も増えて、特に地方ではラジオリスナーのお客様がすごく多いんですよ。テレビ関係者でラジオをきっかけに高座を見て、講談を好きになったという人も多く、それを機に僕を番組に呼んでくれたりして」

メディアへの露出は一時的、どこかできっぱり講談の世界に戻るかも?

 長らく若い男性が極端に少なかったという講談の世界。松之丞のすぐ上の兄弟子は14歳年上だとか。だが今年は、彼も所属する日本講談協会に20代の男性が3人も入ってきたというから、彼のメディア戦略は多方面で成果をあげているようだ。

 もともと本人も、伊集院光やナインティナインなど深夜放送を中心に聴いて育った20年来のラジオリスナー。“大人の本音が聞ける”ラジオというメディアが大好きだ。
「僕がラジオの世界に入ったのは、ディレクターの戸波(英剛)さんに声をかけていただいたから。もし需要があれば、戸波さんが定年するまでやりたい。もっとも、その前に終わる可能性も大いにありますが(笑)。でも、基本的にはどこかの地点できっぱり講談の世界に戻ると思います。それはテレビなど他のメディア露出にも言えること。講談は生温い芸能ではないので、本気で極めようと思ったら何かと両立なんて不可能なんです。

 今、ラジオ番組は、打ち合わせなども含め約3時間かけて収録したものを30分に編集していて、僕としてはかなりユルいんですが、それでいて全力な感じで喋らせていただいています。パーソナリティを経験して、(改めて)ラジオの魅力をひしひしと感じています。それにラジオの力は絶大だと分かりましたね。今はそのうち講談界に戻るかもしれないと思っていますが、敬愛する(立川)談志師匠の言葉ではないですけど、“人生成り行き”でどうなるんでしょうね」

 “目が離せない”とは使い古された常套句だが、“講談界の風雲児”として今後どのように立ち回っていくのか。彼の活動からは本当に目が離せないとしか言いようがない。

文/田村未知
●かんだ まつのじょう
1983年6月4日生まれ、東京・豊島区出身。日本講談協会、落語芸術協会所属の講談師。07年11月に三代目神田松鯉に入門し、12年6月に二ツ目昇進。キャリア11年にして持ちネタは140を超え、独演会のチケットは即日完売。“講談界の風雲児”として、普及の先頭に立つ活躍をしている。本業のほか、今年はTBS系『この差って何ですか?』や『サンデージャポン』、フジテレビ系『ダウンタウンなう』、テレビ朝日系『報道ステーション』といった各種テレビ番組をはじめ、ラジオ番組、雑誌など、メディア出演も相次ぐ。7月公開の細田守監督のアニメ映画『未来のミライ』では声優も務めた。ラジオ番組『神田松之丞 問わず語りの松之丞』は17年4月〜6月に第1期を放送。好評を博し同10月〜18年3月に第2期。そして、18年4月より現在の時間帯での放送を開始した。

Information

『神田松之丞 問わず語りの松之丞』
TBSラジオ
毎週日曜 23:00〜23:30

提供元: コンフィデンス

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