結成20年のロバート、コントへの渇望 トリオ活動にこだわる理由とは
子ども向け番組は一番難しい? でも笑いのスタンスは変えない
秋山 番組の手応えは…自分たちがとにかくやりたいことをやり続けているんですが、最初は「バカなことやってんなぁ」って思われてましたね。土曜日朝の10時なのでたくさんの人に見てもらえる時間ではないですが、いつでも見られるオンデマンドやYouTubeなどで本当に徐々に徐々に少しずつ広がってきています。
山本 ネタや企画の作り方も、番組当初から何も変わってないですね。
馬場 「そろそろ方向性変えましょうか…?」ってなる時期なんですけどね(笑)。
秋山 僕が偉そうに言うことじゃないのですが、この番組の意義は、視聴率、視聴数といった“ノルマ”じゃない気がしてるんです。「マジでこのスタイル続けていくの?」っていう周りからの反応に関しては、僕もそう思います(笑)。
秋山 誰がどう言おうが、これは子ども向け番組なんです(笑)。子どもは子ども扱いされると急にさめるんですよ。子供番組を長年やって学んだのですが、想像以上に大人と同じテンションで接しないとだめなんです。
馬場 「俺そんなに子供じゃないよ」って思ってるよね。
山本 俺らがゲラゲラ笑ってる話で、子どもも笑いますから。笑いのアプローチは子どもが相手でも変わらないですね。
秋山 今でも、学生時代の昼休みに笑い合ってたものを全くそのまんまネタにすることはよくあります。未だにあの頃が一番楽しいと思ってますし、ネタ作りの原点ですね。今日の収録でも何回“金玉”って言ったことか(笑)。
馬場 僕と秋山が小・中学生の時にやってたことと同じことを番組でやってるんだから、ホントに何も変わってないよな(笑)
秋山 まずは…この番組を軽い感じで「1度だけなら大丈夫」と思って手を出してほしいです。1回だけだから、すぐ辞められるという感覚で観てほしいですね。
馬場 きっと、辞められるよな。大丈夫だよな。
山本 なんかヤバい薬を薦めてるみたいじゃん!
結成20年目の必勝法? コントになる前の“一番面白い部分”を出したい
秋山 『はねるのトびら』から始まり、『キングオブコント』も優勝させてもらいましたし…、元々コントで世に出させてもらった我々ですから。今も舞台でたくさんネタをやっていますし、今でもコントが生活の中心です。
秋山 これはコント番組ではないと思っています。コント番組は無駄をそぎ落として、見せ方を完成させると思うんです。でも、コントの“一歩手前”が一番自由度があって面白い。「コントにならないけれど、ただ面白い断片的な部分」、みたいなネタが僕ら、めちゃくちゃあるんです(笑)。それを形にしているんです。だから、コント番組ではないんです。
馬場 コントは、まだ出す場があるんです。お笑い特番とか劇場とか。“面白いんだけどコントにはできない”っていうネタは今までなかなか出す場がなかった。
山本 逆にこの中からコントに代わる僕らの代表ネタができる可能性だってあると思っています。
秋山 僕たちは遊びの中から生まれるネタが多いですよ。「何かが起こる」「なんだぁ〜?」「変な仲間が来て」「無理〜」その4つの流れに当てはめたら僕たちのコントがすぐにできてしまいますから(笑)
山本 単独ライブのネタのほとんどが「無理〜」で終わりますからね(笑)
秋山 僕らはストーリー性がゼロのネタばかり(笑)。うまい話を作ることができないことが20年を経て分かりました(笑)。オチは、遊んでいて感じた“面白い瞬間”をもってくる。 そんな風に、自分たちが一番楽しめるものをやってきました。
仲良しの秘けつは…“永遠の放課後”、「博の面白さを広めたい」
秋山やりたいことのベースができたら、そのアイデアをまず(山本)博にぶつけて反応を見ますね。
――山本さんは演者であり視聴者なんですね(笑)
秋山そうです。博の表情や反応を見て決めています。馬場に見せるのはネタを完成に近づけてから、一番最後。博は“標準的な普通の好青年”なので、ほどよい、絶妙な一般人の感覚でリアクションしてくれますから、ネタ作りに大事なんです。
――なるほど。山本さんは今回の番組でも大活躍ですね。
秋山表向きは僕と馬場がボケですけれども、トリオとしては実はひろしが一番の“ボケ”なんですよ(笑)。エピソードトークも実は一番面白いしリアクションも圧倒的にいいし、博が楽しそうにしている時は必ず、ロバートが面白く見える法則みたいなのがあるんです。その博の面白さが案外知られていないので、なんとか面白さを広めていきたいと思ってますね。
秋山 3人の役割をしっかり受け入れることですかね。ここは、こいつはどうも無理だから俺がやる。けど、それはお前頼むぞ、みたいな。「仲良くやろうぜ」なんて声掛けるわけでもないし、ちょうどいい感じの同い年がが3人集まっただけです(笑)。
馬場 僕なんか「こいつ次何言うんだろう?」っていまだに思っていますし、ネタに関しては学生時代の放課後の延長でずっとやってます(笑)。
山本 結局、休み時間に笑っていたことを大人になってもやってる。気持ちが同じ方向を向いてるからですかね?
秋山 まぁ、全て俺がネタを作ってるんだけどな。
3人にこだわる理由は“爆笑” 「いつまでもコントが面白いと言われたい」
秋山 そんなことないと思います。俺めちゃめちゃ友達いないですよ。一人が好きなのであまりご飯も飲みも行かないですし。血が繋がってる人しか信用していないので(笑)。けど人に嫌われたくないので、嫌われることはあんまりやらないようにしていますね
――秋山さんは「クリエイターズファイル」の憑依っぷりがいつも話題になりますが、今回は3人にこだわったそうですね。
秋山 1人でやった方が面白いものもあるんですが、3人という形が一番“爆笑”を取れるパッケージなんですよ。最初は3人のコント用にネタを出して、どうしてもはまらなかったものをピンの仕事としてやっているんです。僕は芸人としては、“コントが面白い”と言われたくてやっています。「クリエイターズ・ファイル」のネタはロバートでやってたネタが元になっているものも多いんです。天才子役の上杉みちくん、ファッションアドバイザーのYOKO FUCHIGAMIは、若手のときにやってたコントに出てきたキャラクターがベースになっているんです。
――そうだったんですね!
秋山 自分達が若かったせいか、設定でふざけすぎた遊びみたいなネタは、説得力、表現力、味が足りなくて面白くならない。ある程度経験を積み重ねて「もう一回あれやってみよう」って再ヒットしたキャラクターが案外多いです。おっさんがふざけたことを大真面目にやってる、っていうところで許してもらえてることも多いかもしれませんね(笑)。やっぱり、芸歴って大事ですね。
『おはようロバート』土曜10時〜
オフィシャルURL:https://abema.tv/channels/abema-special/slots/DWTGUbMRJTS6rB