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Spotifyのバイラルチャート首位に突如登場「秒針を噛む」 歌っている“zutomayo”とは何者?

 9月21〜27日集計のSpotify「バイラルトップ50(日本)」に、略称zutomayoこと「ずっと真夜中でいいのに。」の「秒針を噛む」がいきなり1位に登場した。Spotifyのバイラルチャートは、文字通り急速に話題が“拡散”している曲のランキングで、新進アーティストをチェックするためによく使われている。再生回数では、どうしてもトップアーティストに負けてしまう新人でも、このチャートではSNS上での盛り上がりなども参考にされるため、上位に入る可能性が高くなるのだ。

Spotisy Weekly Viral TOP20(9月21日〜9月27日)

ずっと真夜中でいいのに。「秒針を噛む」が突如1位に登場

ずっと真夜中でいいのに。「秒針を噛む」が突如1位に登場

スピード感のあるNeo J-POP、言葉のセンスも高評価

 とはいえ、まったく知られていない新人がいきなりトップに躍り出るのは稀。「ずっと真夜中でいいのに。」とは、どんなアーティストなのか、ツイッターの動きに沿って、1位に至る道のりを明らかにしてみたい。

「ずっと真夜中でいいのに。」の「秒針を噛む」は、ピアノ伴奏が印象的な、スピード感のあるNeo J-POP。とても今っぽいサウンドに仕上がっているのだが、ツイッター上ではそれに加えて、言葉のセンスも高く評価されている。そもそも「ずっと真夜中ならいいのに。」というユニット名も、「秒針を噛む」という曲のタイトルも、どことなく意味ありげで、裏読みしたくなる気持ちに駆られる。

Twitterでのツイート数や内容からは、ずっと真夜中でいいのに。の拡散の経路も見えてくる

Twitterでのツイート数や内容からは、ずっと真夜中でいいのに。の拡散の経路も見えてくる

ユニットを組む3人がそれぞれTwitterでリスナーを刺激

 では、その曲の情報は、いったいどのように拡散していったのだろうか。実は「バイラルトップ50(日本)」で1位を獲得するまでに要した時間は、それほど長くなかった。「ずっと真夜中でいたいのに。」がツイッター上に初めて登場したのは、今年6月4日。「はじめまして。 ずっと真夜中でいいのに。の ACAね です」というコメントとともに、「秒針を噛む」のMVをYouTube上に公開したことを発表。すべてはこのツイートから始まったようだ。

 最初のツイートでわかったことは、「ずっと真夜中でいいのに。」は複数が参加するユニットであり、その中心(ボーカル)が“ACAね”という女の子らしいこと。さらに彼女のツイートと時を同じくして、「編曲と一部作曲を担当しました」「映像を担当しました」というコメントが、ニコニコ動画などで活躍するシンガー・ソングライターのぬゆりと、映像クリエーターのWabokuから発信される。

 つまり「ずっと真夜中でいいのに。」はその3人のユニットなのだが、相互の関係がすぐにはわからない方法で情報提供されていた。お互いにつぶやく時間だけを合わせて、それぞれのツイッターでMV公開の報告したのだろう。ぬゆりが持つ約5万のフォロワー、Wabokuが持つ約1.8万のフォロワーは、大いに好奇心を刺激されたことだろう。

ユニット名よりも楽曲「秒針を噛む」がSNSで拡散

 さらに同日、YouTubeがツイッターのHP上で「秒針を噛む」のMVを紹介したことで、早くも「これ神曲すぎる」とつぶやかれたりもした。しかしリツイートの状況を細かく調べてみると、7000万のフォロワーを抱えるYouTubeの拡散力をもってしても、多くの人に名もない新人をチェックさせるのは難しかったよう。この段階はまだ、YouTubeを情報源とした人はそれほど多くはなかった。最初はやはり、ぬゆりとWabokuのフォロワーが情報拡散に大きな効果を発揮していたようだ。

 楽曲が公開されて6日後になると、早くも自称コスプレイヤーによる、「秒針を噛む」のアカペラ歌唱音源が登場。この頃から徐々に、「歌ってみた」のツイートが目に付くようになる。そして6月17日に、「LINE MUSICで(BGM)設定したいのに、まだ配信されていない」ことを嘆くツイートが出現。「秒針を噛む」という曲に熱狂的なファンがつき、歌ってみたい、スマホでいつでも聴けるようにしたいという熱量が高まっていく。

 その点については、ツイッターの折れ線グラフを見てもわかる。6月から7月の間は、ユニット名よりも曲名のほうが多くツイートされているのだ。たぶん、
「秒針を噛む、いい曲!」
といった、ユニット名を省いたシンプルなつぶやきで、楽曲の情報拡散に一役買ったのだろう。こうした序盤の盛り上がりはおよそ1か月間、7月初旬まで続く。その後は徐々にツイート数も落ち着いていくが、次に大きく盛り上がったのが8月下旬だった。

YouTubeからサブスクサービスへ話題が波及

 8月29日、「ずっと真夜中でいいのに。」は突如、東京・代官山でシークレットライブを開催した。そのタイミングを見計らったかのように、同日YouTubeで30万人以上のファンを持つ女性アーティスト・春茶が「秒針を噛む」のカバーを発表。これがツイッターでさかんにリツイートされ、非常に大きな盛り上がりが見られた。

 そこから間髪入れず、8月30日にiTUNES Store、レコチョク、Apple Music、LINE MUSIC、Spotifyで楽曲配信を開始。これにより、それまでYouTubeでしか聴くことができなかった曲が、配信でも聴けるようになり、情報拡散の勢いが増加。およそ1か月後のSpotifyの好結果に繋がったわけだ。

 現時点で「秒針を噛む」は、Spotify内の12のオフィシャルプレイリストにリストイン。さらにリスナー制作のプレイリストに至っては、その数すでに1000を超えているという。考えてみれば、ここに至るまでの間、ユニットのことや“ACAね”自身については、ほとんど情報が出回っていない。にも拘わらずこの注目度の高さは、やはり楽曲の魅力と考えざるを得ないだろう。

 当然、次に注目されるのは、“ACAね”とはいったいどんなルックスの女の子なのか、ということだ。聴く者すべての心に、歌詞の意味を裏読みさせてしまう言葉使いの主が、どんなビジュアルなのか。11月14日に1st mini Albumが発売されることが、先ごろYouTube上で発表されたので、目にするチャンスもそう遠くないはずだ。

提供元: コンフィデンス

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