『カメラを止めるな』主題歌も話題 映画に先駆けて世界ヒットの兆し

  • 謙遜ラヴァーズ feat.山本真由美の「Keep Rolling」

    謙遜ラヴァーズ feat.山本真由美の「Keep Rolling」

 2館の興行から始まり、瞬く間に話題が拡散して全国200館を超える拡大公開。ついに興行収入16億円(動員120万人)を突破した話題作『カメラを止めるな』だが、その主題歌、謙遜ラヴァーズ feat.山本真由美の「Keep Rolling」も話題になっている。世界的に展開する定額制音楽配信サービス・Spotifyの「Japan Viral Chart」(8月24日〜8月30日集計)で1位にランクインした。映画と同じくスマッシュヒットの兆しを見せている。

音楽コアファンが多いSpotifyで洋楽を上回る1位獲得

Spotify「Japan Viral Chart」(8月24日〜8月30日集計)

Spotify「Japan Viral Chart」(8月24日〜8月30日集計)

 世界中に耳の早い音楽コアファンのリスナーが多いSpotifyからは、エレクトロデュオ・AmPm(アムパム)やラッパーのあっこゴリラなどのように日本より先にヨーロッパなど海外で注目される日本人アーティストが生まれている。そんなアーティストたちの曲が聴かれるきっかけになっているのが、同チャート。そこから他のプレイリストへと拡大し、国境を超えてヒットしていく傾向が強い。同チャート(8月24日〜8月30日集計)で「Keep Rolling」は、2位のジョー・イエロー「USA-EXTENDED VERSION」、3位のLil Mosey「Noticed」を上回り、圏外から1位に登場した。いままさに映画に先駆けて主題歌が世界的なヒットになる兆しを見せ始めている。

 同曲は、劇中のクライマックスに流れ、観客の心のひだに触れる。ホラー映画の裏に隠されている、誰もがもつ仕事への想いとそれを貫き通せない現実の鬱屈の発散、家族の絆などが明かされるそのシーンは、それまでの伏線が見事に回収されるとともに、観客の笑いと感動の涙を誘う。音楽の力が加わることによって、より深く観客の心に刺さっているのだ。

記憶に残る映画には記憶に残るテーマソングがある

 映画のラストを飾るにふさわしい同曲は、上田慎一郎監督が幼なじみである謙遜ラヴァーズの鈴木伸宏に主題歌を依頼。鈴木とギタリストの伊藤翔磨が、物語のメッセージと作品の特殊性を消化して制作した。ジャクソン5の名曲「I Want You Back」のイントロを思わせる同曲だが、、市橋浩治プロデューサーによると、曲を聴いた上田監督はその曲調から、作品のメッセージを歌で伝えるのにふさわしい女性ボーカルとして、過去に一緒に仕事をしている女優の山本真由美へ歌唱を依頼したという。

 主題歌とメインテーマを制作した鈴木は、上田監督作品の音楽を手がけるのは初めて。それまでに鈴木のバンドのミュージックビデオを上田監督が制作していたことがあり、今回の依頼を受けて「絶対に良いものを作ろう」と意気込んでいたことを明かす。曲については「上田監督からの要望はすごく単純明快で、『これがTHE・エンタテインメント!っていう作品にしたいから、そんな感じの曲が良い!』という内容でした。メインテーマの「zombeat」とともに王道かつ耳に残るフレーズを意識しました。記憶に残る映画には記憶に残るテーマソングが必ずある気がして、そういった曲になることを強く意識しました」と熱く語る。

 映画はすでに今年のエポックメイキングな1作となり、その優れた作品性から観客の記憶にしっかりと残る作品になっている。主題歌のほうも、謙遜ラヴァーズ feat.山本真由美は、9月8日に放送されたNHK音楽特番『シブヤノオト and more FES.』に出演し、「Keep Rolling」を披露した。同曲は、Spotifyのほか、LINE MUSICやAmazon Music Unlimited、AWAなどでも配信中。この先さらに映画のように拡大していきそうな兆しがある。映画とともに“記憶に残るテーマソング”になっていくか注目したい。

提供元: コンフィデンス

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